二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケモンとあまり頭が良くない人 ( No.2 )
日時: 2011/03/31 13:59
名前: ポコ&ポッチィ (ID: plHoLMhK)


今日も空は晴れていた。

空にはムックルや多くのポケモンが舞い。

地上には、トレーナーや、たくさんのハンター…ではなくて、たくさんのポケモン。

ポケモンと人が満ち溢れるこの世界で、彼女はある決心をした。

「旅に出る!」

彼女は今日、10歳を迎えた。

この世界では、10歳になると、旅に出ることが許可される。

だから、普通は許可されるのだが…。

彼女の両親はある条件をつけた。


「…来ちゃったなぁ。」

目の前にあるのは、大きな屋敷。

この屋敷の主に同伴してもらうことが、彼女の両親の出した条件だった。

彼女は戸を叩いてみる。

「ごめんください…。」

とても大きな屋敷だ。

こんな声では届かないのか、しんとしている。

が、驚いたことに扉が開いた。

「えっ?」

彼女の目の前に立っていたのは、人ではなくポケモンだった。

それは、彼女を招きいれるように、扉を開けると、下がった。

さぁ、おあがり…。

とでも言うように。

「お、おじゃまします。」

彼女は一礼して、入った。

玄関の正面に大きな階段があり、一階には階段と、扉が二つ。

先ほど扉を開けたポケモンが、彼女の手を取り、階段を上がっていく。

「え? あ、ちょっと…。」

彼女は戸惑いつつも、先に進む。

やがて、ポケモンはある部屋の前に立つと、彼女に扉を指差した。

開けて…。

とでも言うように。

彼女はノックしてみる。

「どうぞぉ。」

やけに明るい声が、返ってきた。

まさか人がいるとは思っていなかったので、飛びのく彼女。

その様子を微笑むように、彼女を案内したポケモンは目を細めた。

「し、失礼します。」

扉を開けてみる。

その部屋は、明るかった。

屋敷は電気がついていて、決して暗いわけではなかったのだが、一際明るかった。


その部屋の人物は、彼女を見ると言った。

「こんにちは、ナナちゃん。」

彼女___ナナはその顔に見覚えがあった。

「フウガさん! お久しぶりです。」

ナナの目の前に立つ青年はフウガという、ナナの幼なじみだった。

フウガは笑顔で、うなづいた。

「誕生日おめでとう。今日で10歳なんだよね。」

ナナはその台詞を聞いて、両親が言ったことの無謀さが今になって伝わってきた。

フウガはそれまでナナを案内していたポケモン___サーナイトなのだが、ナナは名前がわからなかった___を部屋に手招きした。

「ご苦労だったね。」

サーナイトはうなづき、主の横に立った。

何から話せばいいのかわからず、ナナはフウガについてたずねることにした。

「そ、そのポケモン、6年前はつれていなかったですよね。」

フウガはサ−ナイトと顔を見合わせ、うなづいた。

6年前、10歳だったフウガは、旅に出たのだ。

その時連れていたポケモンは…ナナの記憶が正しければ、ラクライだったはずだ。