二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 一周年企画開幕!! ( No.401 )
日時: 2012/08/05 12:50
名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: PAeJS2fQ)

〜第186話 Last Reload〜

突如暗殺を目論む様に現れたラスカと対立するグレイであるが罠《トラップ》である魔法全てを撃ち砕かれ、魔力も底を尽いて来た。ジュビアは気絶したメルを抱き抱え、ラスカの元から遠ざけて行く。

メル「フワァァァ・・・・・・・?貴方は予知を上書きした魔導士様!!!何故一緒に居るのですか、敵と触れ合う筋合いは全くありません。」
ジュビア「貴方は突然現れた口調の悪い魔導士に暗殺される寸前でしたのよ!!!グレイ様の頼みで貴方を助けたんです、グレイ様に感謝しなさい。」
メル「全然思い出せませんわ、予知結晶が無いからでしょうか?」
ジュビア「あの青紫の結晶なら貴方を護る様に銃弾の盾になって全て亡くなった。・・・・・それよりもラスカとか言う口調の悪い魔導士は何なんです?」
メル「ラスカ師匠!?貴方はラスカ師匠をご存知なんですね、今は何処に居るんですか!!!旅から戻ってるんですか?」

完全な記憶喪失を起こしたメルに対してジュビアは心優しく先程の出来事を全て伝えた。その後の彼女の顔は暗く怯えている表情にも見えた。すると、助けて貰った御礼なのか突然ラスカとの関わりを説明した。

メル「両親は私を出産してから依頼《クエスト》に失敗して死にました。その後、両親が所属していたギルドにラスカ師匠も所属していたのです。母親が死んでから唯一、そのギルドで女魔導士だったラスカ師匠へギルドマスターの命令で私は育てられたのです。」

—————15年前 正規ギルド〝秘宝の天使《ジュエリー・パルム》〟にて
当時二歳であるメルはラスカを元々母親と思い込んでおり、既に親子関係らしき物となっていた。当時のラスカも酒癖は悪いが常にメルへ優しく接していた。

ラスカ「今夜の晩御飯は何が良い、メル!?依頼に遂行したんだ、何でも好きな物を食べさせてあげるよ。」
メル「・・・・・・・・パン。」
ラスカ「そんなの何時も食べてるじゃない、もっと贅沢な物で良いんだよ。」
メル「私はパンが良い・・・・・駄目?」
ラスカ「別に良いんだけど本当にパンで良いの?」
メル「でもね、普通のパンじゃ駄目!!!お母さんが作る美味しいパンが良いの!!!」

その言葉を聞いたラスカはニコッと笑顔を見せると『良いよ』と答え、メルと共にパンを作った。その日は本来依頼にも遂行して居らず、メルの両親の命日であった。

ラスカ「御飯も食べたから御参りに行こうか、メル?アタシの友達が二年前の今日に死んじゃってね、だから行こう。」
メル「うん。」
ラスカ「その前にメルは此処で待っていてくれる、アタシに大事な用があるんだ。」

そう言い残すとラスカは当時二歳であるメルを初めて一人にさせ、そこから何日も帰って来なかった。数日後、空腹状態で生きていたメルはついに倒れ、病院へ運ばれた。

グリフ《当時ギルドマスター》「どういう事だァ、ラスカ!!!!まだ二歳であるメルを置き去りにして彼氏の元へ何泊も過ごしていただと!?ふざけるなっっ!!!一度受けた依頼は果たすまで遂行する、それがお前じゃないのか!!!メルは現在死の境で病と戦って居る、お前はもう会わす顔が無いだろ。メルは私の知り合いにギルドで育ててもらう、お前はギルドから追放する。」
ラスカ「調子に乗るなァ、糞爺!!アタシはただ彼氏に誘われたから行ってやっただけじゃねぇか!!!予知能力でも確かにメルは助かるし、彼氏だって・・・・・・・」
グリフ「気づいたか、ラスカ。この事を知った彼氏は当然自分を追い込み、自殺行為に踏み出るかもしれぬ。まだ定まった訳では無いが、お前は二人の人間を殺しかけたんじゃ。明日からはこのギルドに脚を踏み入れる事を堅く禁じる。」

その言葉を受けたラスカは眼から涙を流し、追放から一年経った。本名〝ラスカ・ドレーク〟を少しの間、心へと仕舞い、偽名で〝ラスカ・ハーメスト〟と名乗りメルへ予知能力を与えた。
十年後、二年で全ての予知能力を教え切ったラスカはメルの前から姿を消し去り、また本名へと戻った。ギルドからの追放もその事で許可され、それからはギルドで過ごした。

ポーカー《グリフの孫》「にしても本当に良い決断を出来たのか、ラスカ姉さん?メルちゃんは本当は気づいていたと思うよ、親代わりをしてくれた事も。」
ラスカ「それで全てが解決するなら良い。爺さんは何処に行った?少し話したい事があってな。」
ポーカー「爺ちゃんはラスカ姉さんがギルドを去った後に〝ラスカを責めすぎた〟とか言って病気になって死んだよ。今は俺の親父〝サテン・エレメント〟が二代目ギルドマスターを務めてる。爺ちゃんより親父の方が恐いから覚悟しとけよ。」
ラスカ「誰だろうとアタシはもう逃げない。予知能力も万全だしな。」

第187話へ続く