二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 一周年企画開幕!! ( No.473 )
日時: 2012/12/22 18:44
名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: FLZh3btT)

〜第210話 希望を忘れるな〜

カイジがそう言って会議室から姿を消そうとした時であった。会議室の扉が一瞬にして蹴り飛ばされ、扉の向こうからは桜色の髪を靡かせた少年が一人居た。

ナツ「此処にも居ねェか。・・・・・・んァ?お前等が俺等のギルドを潰しかけた野郎共か!!!」
シーザー「急所は外して置いた筈だが其れほどまで重傷な体に成ったか、ナツ。・・・・・・マスター、コイツは俺の獲物だ。俺に殺らせてくれ。」

シーザーは光の速さでナツの背後へ近寄り、ナツの頭を掴んで投げ飛ばした。ナツは頭から会議室の壁へと突っ込み、帯びた包帯の間から血が流れる。

シーザー「もう終わりか、ナツ!?もう少し楽しませろよ。〝光竜の鉤爪〟!!!」
ナツ「—————!!!」

血塗れのナツはシーザーの光放つ蹴りを喰らう。だが、そんなナツの前には一人の男が何らかの威圧でシーザーを吹き飛ばした。

ジュラ「此処に居たか、ナツ。マスターと逸れた後にミラと会って、お前がマスターを追い掛けているって話を聞いてな。全く世話が焼けるガキだ。・・・・・・シーザーにとって、今のお前は唯の玩具にしか思われてねェ。引き下がれ。」
ナツ「嫌だ!!!」
ジュラ「ば・・・馬鹿か、お前。血塗れのお前に勝ち目はねェぞ。」
ナツ「玩具に思われて引き下がるなんて格好ワリィ。・・・・・・コイツは俺がブッ飛ばす!!!」

ナツは手に炎を纏わせると地面を叩きつけて、犬歯を見せる様にニヤリと笑う。

ジュラ「・・・・・・希望を忘れるなよ、ナツ。これがお前に出来る最後のチャンスだ。〝衝撃クラッシュ〟!!!」

ジュラは天に衝撃波を放ち、天井が崩れ落ちる程の破壊を巻き起こした。すると、ナツはその衝撃波の中へと飛び込み、その中で炎を吹いた。

ナツ「〝火竜のォ天衝咆哮〟!!!」
シーザー「〝光竜の咆哮〟!!!テメェの魔力でこの咆哮は吹き飛ばせやしない。・・・・・・ってかさせない。」
ジュラ「衝撃波の回転量を利用して、自分の咆哮に回転を掛ける———か。しかもその回転で渦が出来てやがる。恐ろしい威力だ。」
カイジ「〝破天の焼尽刑〟!!!」

カイジはナツに気づかれぬ様に衝撃波が混ざる火竜の咆哮を消し去らせ、シーザーの咆哮をナツは真正面から受けた。

ナツ「モード雷炎竜!!!〝雷炎竜の鉄拳〟!!!」
カイジ「〝破棄《ドレイク》〟。」
ナツ「————!!!雷炎竜の魔力が・・・・消えた。」
カイジ「雑魚に用はねェ。〝破竜の大咆哮《エンジェブレス》〟!!!」
ジュラ「へェ〜、おもしれェ。・・・・・・ウィング以外に未だ超絶滅竜魔法を使う奴が居たか。」
カイジ「避けなきゃ当たるぜ。〝破竜の大鉄拳《エンジェブレイク》〟!!!」

カイジは手に破壊された物《ガラクタなど》を纏わせて、ナツへ鉄拳を向いた。しかし、ナツは大きなカイジの鉄拳を己の鉄拳で受け止める。

ナツ「避けなくともそのデカさじゃァ当たるだろ。」
ジュラ「希望を忘れるな、ナツ!!!」

ジュラはカイジの巨大な鉄拳を己の身で制御してナツを庇い、ナツに先を急がせた。

神威「これまで暴れられちゃァ生かしては置けねぇな。・・・・・・・全員纏めてブッ飛ばしてやるよ!!!」
ナツ「全員!?」
マカロフ「生気は合ったようじゃな、ナツ。—————いざとなれば、これを使え。きっと役に立つ。」

マカロフは身に背負うマントから一筋縄で結ばれた巻物と魔水晶を投げ渡す。

マカロフ「此処はワシとエルザで十分じゃ。他の者はナツとグレイ、ルーシィにウェンディ、それからライクが通る道を開けろォォ!!!」
ジェット「言われなくとも———」
レビィ「分かってる。」

ジェットは自慢の素早い動きで部下を吹き飛ばし、レビィは『FREI』と書かれた文字を投げ飛ばし、並び立つ部下達を燃やしつくす。

ラクサス「早い所行って来い。・・・・・・・雷竜方天戟!!!」
エルフマン「漢《おとこ》だァッッ!!!」
ナツ「有難う....皆!!!行くぞ、目指すは頂点!!!取り合えずはこのギルドを何とか壊さねェとな!!!」
グレイ「壊して・・・何をするつもりだ?カイジっつー野郎をブン殴りゃァ良いんじゃネェのか?」
ナツ「やりてェ事があんだ。」

ナツはギルド外へ身を出し、両腕に炎を纏わせると思いっ切り、ギルドの壁に向かって右手と左手を交互に打ち放つ。

ナツ「〝火竜のォ両断鉄拳〟!!!!」
グレイ「しゃァーねェ。何企んでるか知らねぇけど手伝うか。〝アイスメイク—大鎚《ハンマー》〟!!!」
ライク「〝雷竜のォ鉄拳〟!!!!」
ルーシィ「これは・・・・・男三人に任せれば良いわよね(汗)」
ウェンディ「そうですね。」
グレイ「止めをさせェ、ナツ!!!」
ナツ「〝火竜の鉄槌〟!!!」

ナツは皹入る鉄のコンクリートに右肩を思いっきり当て付け、ギルドの壁を壊す。すると、徐々にギルド自体が崩れて行くが何故か瓦礫を落ちる途中で時間は止まった。

???「俺が停止させれんのは物だけだ。瓦礫が崩れると街にまで迷惑が掛かるだろ。」
ナツ「誰だ、オメェ!?黒書人名の仲間か?」
???「んな訳ねェだろ。見覚えねェか、この顔?・・・・・・まぁ無理もねェ、もう約四年は出くわしてねぇからな。火竜。」
ルーシィ「時間を止める事が出来る魔導士・・・・・今までに逢った事がある。—————居たかしら?」
???「旧七星皇帝の番人〝デスト・タイムリー〟だ。これで思い出したか?」
エルザ「居たか?」
グレイ「さぁ?」
デスト「ふっざけんなよ、お前等!!!せっかく瓦礫でお前等が埋もれねぇ様に瓦礫急落の時空を止めてやったのに。」

元七星皇帝の番人であったデストとは容姿が全く違い、左目には傷を負い、腕に刻まれた紋章も上から×と上書きされている。また腰には拳銃を持ち、透けた薄いサングラスを掛けている。

デスト「あの事件後、俺等は評議院に通報される事も無く、幸いにもあまりデカイ騒動には成らなくてな。だけど、マスター・デットが姿を消してから俺等もやる気が失せてな。・・・・・新時代のルーキー達にこの座を譲ったんだ。その後の事は知らんけどな。」
ナツ「にしても俺等を助けてくれるのか?」
デスト「一応俺等が元所属していたギルドも正規だったからな。協力しない事は無い。ただし、俺が補助出来んのはこん位だ。あまり魔力がねェからよ。」
ナツ「助かる。有難うな、デスト。」

ナツ達はデストに手を振ると崩壊寸前のギルド内へと姿を潜めに行った。

ルーシィ「結局、ナツは何がしたいの?」

天にまで高く聳え立つ、暗黒の神脅のギルドは16の螺旋階段があり、階段途中にルーシィは疑問となっていた事を単刀直入にぶつける。

グレイ「どうせ、戦いやすくなるとかじゃねぇのか?」
ナツ「必ず倒してェ奴が居るんだ。ジュラの命を奪った、カイジって奴を!!!」
グレイ「だから何でギルドを壊したんだ?」
ナツ「秘密だ。」
ライク「・・・・・・だろうと思った。それよりも監視室って書かれた部屋があるぞ。覗いてくか?」
ナツ「監視室の奴等はたぶん全員倒した。それよりも黒書人名って奴が厄介だな。・・・・・お前等はソイツ等を倒してくれ、俺はジュラの元へ戻る!!!」
ナツ以外の魔導士「了解!!!」

これでナツと他の魔導士達は別行動となったがナツは頂上に潜む神威とカイジが居る部屋を目指す。
—————頂上〝会議室〟にて

カイジ「もう終わりか、ジュラ?もっと楽しませてくれたって、良いんじゃねぇのか?」
神威「召喚、月の魔獣〝ゲッコウ〟!!!」

神威は魔法陣を地面に出現させ、カッターナイフで皮膚を切って血を流すと魔法陣へと注ぐ。すると、三日月型の魔法陣へと姿を変え、全長3mの魔獣を現す。

ゲッコウ「グルルルルルッッゥ!!!ガウッッ!!!」
神威「鱈腹楽しめ、ゲッコウ。今日の飯は人間だ。」

ゲッコウは勢い良くジュラへ襲い掛かるがジュラの目の前に桜色の髪を靡かせる少年、ナツが現れた。

ジュラ「格好付け過ぎだぜ、ナツ。」
ナツ「本気でカイジと一戦交えたいんだ。」
ジュラ「その為には邪魔者を消す・・・・と。ちっ、さっきの地震もお前の仕業か。」
ナツ「ほんの少し、ギルドを壊しただけだ。今晩の肉に成れっ、〝火竜の丸焼き〟!!!」

ナツは火竜の咆哮と同時に腕に炎を纏わせ、ゲッコウの持つ光り輝く毛を燃やす。ゲッコウは熱がるがどうにも出来ない。

神威「心配するな、痛む傷は魔法陣に戻れば癒える。唯、俺の相棒に手荒な真似してんじゃねぇぞ、糞ガキ!!!」
ナツ「コイツの相手は頼む、ジュラ!!!・・・・・それよりもカイジ!!!さっきは逃げた訳じゃねぇぞ。それだけは覚えとけ!!!〝火竜のォ鉄拳〟!!!」
カイジ「魔獣を焼くとは野生的な心得だ、悪く無い。どうだ、黒書人名に入会して見ないか?野生な心を持つ少年は大歓迎だ。」
ナツ「乗るかよ、んなモン!!!」

第211話へ続く