二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FAIRYTAIL 〜闇を砕く魔導士〜 コメント募集中 ( No.501 )
- 日時: 2013/03/28 12:57
- 名前: 雷人 ◆5GapKydGRo (ID: UTfJ0T6c)
【番外編】〜第五話 曲芸〜
ナツ達一行は鉄之助の傍から離れると夢魔の目へと侵入した。中は暗く、壁の所々からは風が吹き抜けて居る。夢魔の目は〝15段層〟の階室に分かれており、下の方は新人魔導士用のボロ部屋である。
ラクサス「触れただけで塗装が剥がれやがる。本当にギルドか、此処は?」
マカロフ「元は廃立ギルドの土地じゃ。下位部の方はその受け残りじゃろう。それよりも......第二のグールドの使い魔がお出ましじゃな。」
???「〝月歩〟!」
遠くの方から一筋の光が見え、その魔導士は一瞬で空間を蹴り飛ばしてラクサスへ襲い掛かる。だが、ラクサスは全身に雷を帯びてその魔導士を焦がす。
???「〝不乱月歩〟!」
ラクサス「蹴散らしてやるぜ。〝雷竜槍騎兵〟!」
突如現れた魔導士は乱れが全く伺えない素早い動きを見せて突進してくるがラクサスは腕に雷を纏い、先を鋭く尖らせて魔導士へと突き刺す。
その後、魔導士は意識を失い、気絶する。そして、少し遠くの曲がり角の道陰からは誰かが此方を窺っていた。
ナツ「誰だっっ!!!」
ナツはその場所へ行くが、其処には誰一人居なかった。
グレイ「このフロアは単なる力もねェ、言わば〝雑魚〟が仕切る階だ。誰でも良いだろ、んな奴等。俺等が倒しに来たのは、グールドとその幹部共だろ。」
エルザ「グールドを倒したい気持ちは分かる。だが、今はその気をグッと堪えろ。・・・・・何時、グールドが現れるか分からんからな。」
ナツ「あ...あぁ。」
ハッピー「それよりも見てよ、これ!宝の山だよ!本物だよ!」
ナツ「何!本当か、ハッピー!」
ハッピーは薄暗い牢獄の中にある、光り輝く無数の財宝を示す。其処へナツが走って訪れ、牢獄の檻を炎で燃やし尽くした。
ナツ「持って帰りゃァ、ギルドでっかく出来んじゃネェのか?」
ルーシィ「ギルド拡大所の大金じゃ無いわ、これ。ギルド拡大の上に家の家賃が〝100回分〟位よ。」
ナツ「ルーシィん家が7万Jだから.........70万Jか?」
ルーシィ「0が一つ足りないわよ、ナツ。700万Jよ。700万J+ギルド拡大費で2億J位で・・・・約2億700万J!」
ナツ「持って帰ろうぜ!」
マカロフ「・・・・・待て、ナツっっ!!」
ナツが財宝を手に取った瞬間、マカロフはナツへ注意を言い流すが遅かった。財宝は単なる罠で財宝が置かれていた付近の床が抜け落ちた。
そして、ナツ達は暗い地下へと落とされた。
グレイ「灯火も何もねェぞ、此処。」
???「当たり前だろ。何と言っても、此処は〝重罪牢獄犯〟が無数に閉じ篭る牢獄〝グールドの無限プリズン〟だからな!」
ガジル「ダセェ名前だな。」
???「う...うっさい!申し遅れた。俺は〝バハン・ドレッド〟。牢獄監理隊兼監視長官。」
ルーシィ「ねぇ、此処から出してよ!」
バハン「馬鹿を言うな。俺は監視長官だ。この牢獄の責任は全て俺に問われる。もしも貴様等を逃がしたとしたら、打首確定だ。態々自殺行為と同様の事を己からすると思うか?」
ナツ「お前ならすると思うけどなァ〜・・・・」
バハン「どれだけ俺を侮ってんだ、お前等!する訳ねェだろ!畜生、お前等と話をしてると腹が立つ。・・・・・〝シェルスピア〟!この剣はお前等の心臓を的確に突き刺す。最初は誰だ?」
バハンは檻の間へ剣を伸ばして、ナツを示す。
バハン「一番腹立たしいお前からだ。消えろ!」
バハンはナツへ剣を突き刺すが、その剣は何者かに拠って地面へと払い落とされた。
???「ケッケッケ、面白い時間はショータイムですよ。」
バハン「はっ?」
???「〝連続突き《フルレイピア》〟!」
謎の魔導士は道化師の様な姿をして居り、腰に提げるレイピアを次々にバハンへと突く。
???「〝一撃のバハムーン〟!」
バハン「〝硬塊『堕落』〟!」
???「?」
バハンは全身の肉体を硬化させ、謎の魔導士がレイピアで突きを入れるがそのレイピアの刃渡りを腹での受け止め一回で砕いた。
バハン「〝接収《テイクオーバー》〟!!!〝デスウルフ〟!」
???「特化型レイピア〝グラスオーバー〟を折るとは情的です。ですが、次はそう簡単に折れるレイピアではありませんよ。第二特化型レイピア〝フリーズオーバー〟!」
バハン「何度掛かって来ようと同じ事。今の俺は世界最強の狼!そして、テメェは最強の狼に喰われる『羊』だ。」
???「ほほぅ......では、賭けをしませんか?ミーがユーを倒したら、今回の妖精の尻尾壊滅の事態を見過ごす。逆にユーがミーを倒したら、ミーは腹を括って〝切腹〟をします。」
バハン「上等だ!ギルド一つ消えようと、俺に取っちゃァ利益はねェが此処でお前が死んでくれんなら俺は手柄として〝梅軒〟並みの位まで上がれるって訳だ!」
バハンは地面を蹴り、巨体を一瞬で謎の魔導士へぶつかる。
バハン「〝ウルフドレイク〟!」
バハンは謎の魔導士の両肩を掴み、魔導士の体を寄せて腹へ蹴りを入れると天井へ投げつけ、跳躍し、魔導士の頭を取って、地面へ投げつける。
???「ユーは大馬鹿ですか?それは誰です?仲間殺して面白いですか?」
バハン「あぁん?・・・・って、何でお前が未だ傷一つねェんだ!しかも俺の仲間が傷だらけだと!テメェ、よくもやったな!!」
???「いえ、ユーが自らの手で自らの仲間を殺しただけです。さてと長い戦も好きではありません。決着を着けさせてもらいます。・・・・・〝凍結の曲芸『アイスサーカス』〟!」
謎の魔導士はバハンの正面に氷で出来た巨大な壁を現すと、その壁を一瞬で斬り、そして粉々になった氷は先を鋭く尖らせてバハンへと吹き飛んで行く。さらにバハンへと突き刺さった氷は突き刺さった場所の皮膚を凍傷させ、一瞬で血液の循環を遮る。
バハン「グハッッァ!・・・・・やべェ、心臓に血が循環しねェ。」
???「氷は時にして人間を殺す〝殺人器〟。その氷は全体の約2割程の血液を凍らせると自然と溶ける物です。これ以上動くのであれば、次は全ての血を凍り付かせますよ?」
ラクサス「あの野郎の勝ちって事か?にしても俺等を助けて、野郎は何の利益を得んだ、爺?」
マカロフ「あの道化師の様な容姿に〝GLASS〟と刻み込まれたレイピア...。うむ〜、さっぱり分からん。」
謎の魔導士はバハンを倒すとナツを一度見つめ、そして牢獄の檻を消した。
ルーシィ「檻を一瞬で消した...!?」
ナツ「何使ったんだ、お前!すげぇーな!サンキューな!」
???「礼には及びません。またお会い出来る事を心より望んでます。」
そう言い残すと男は背中の赤いマントを払い、一瞬で去ったという。そして、檻から脱獄出来たナツ達は急いでグールドの元へ走る。
—————所変わって、大広間。
ゼロノア「実に腕のある剣士と戦ったのは久しぶりでした。」
梅軒「そうか。俺も一度暇潰しに戦って見てェーな、その〝烈火〟っつー爺。」
ゼロノア「彼も〝武士〟としてのプライドを尊重したのでしょう。私を女と見込んで傷は一切付けずに...やられました。気絶するくらいならこの身、破棄すれば良い物を。」
梅軒「まァ、そうカテェ事言うな。お前が消えりゃァ、このギルドの半分の知識が失われる。命ってのは一度しか与えられネェ。大切にしろ。」
ゼロノア「はっ。」
第六話へ続く