二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 稲妻小説集【恋に溺れた人魚姫】 ( No.103 )
日時: 2011/05/06 18:26
名前: 星兎 (ID: u3k5ctnm)
参照: お久しぶりでありんす、元MiNiです。

久々短編!


*赤く染まった貴方が愛おしい*



「ねぇ、私の事好き?」

「・・・好きだよ。」


もうあの頃には戻れない。いくら神様に頼んだって、聞いてはくれやしなかった。

全てはあの憎く光る紫の石。美しく光る石なんかに私の彼を取られてしまった。

どうしてだろう、どうしてあんな石に彼は魅かれたのだろう。そんなちっぽけな石を欲しがってしまったのだろう。

答えは簡単だ。強くなりたいから・・・。


「晴矢、あのね・・・」

「俺は晴矢なんかじゃねぇ、バーンだ。気安く呼んでんじゃねーよ。」


晴矢は私を突き飛ばし、私のユニフォームに輝く紫の石に手を当てる。


「お前もこの石で強くなれたんだぞ?嬉しくないのかよ、なぁ!?」


目を見開き、怒鳴る晴矢を見て私は怖かった。私の目からは涙が溢れてきた。

そして私の首を掴み、晴矢が私を掲げる。私の目線の下にはきっと睨んだ晴矢が居た。

息が出来なくて苦しかった。だけど苦しいと言えない。必死に声を出そうとする。


「は・・る・・・やっ・・・」


晴矢の腕を強く掴んだが男の力には敵わない。

視界は段々真っ白になりそうだった。ただ晴矢だけははっきりと見える。

何でだろう、もうこのまま死んだ方が楽な気がした。しかも私を殺そうとしてるのは晴矢。私の大好きな人。

だけど自分の手が勝手に動き、何故か手にはカッターナイフが握られていた。

そしてカッターナイフはカチカチカチっと不気味な音を立て、晴矢に向けて掲げた。そして勢いよく晴矢の顔に目掛けてカッターナイフが飛んだ。

晴矢の顔にカッターナイフが掠り、そして床に落ちた。その時に私の顔には晴矢の真っ赤な鮮血が付いた。

晴矢は驚いた顔をして私の首から手を離す。だがもう遅かった。

体が床に落ちる間に私の意識が失った。床に落ちた時は目は大きく見開き、口からは血が出ていた。

そう、私は死んだのだ。彼の手によって。


「あん・・・杏っ!!」


正気に戻ったのか晴矢は急に私を抱きかかえ泣いていた。

死んでるはずなのに晴矢だけが見える。真っ赤に染まった晴矢が。



貴方を愛してた___



*終わり*

ヤンデレ風に書きたかったのだが・・・。
レアンとバーンだよ。何かごめんなさいm(_)m