二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【レイトン教授】英国紳士の書斎へようこそ ( No.1 )
日時: 2011/04/03 17:10
名前: 琴猫 ◆gLggJxEO.E (ID: Wx.cjsE7)
参照: http://incomplete.hanabie.com/index.html

※レイトン+デスコール。
 教授の部屋には時々科学者がやってくる設定。
 キャラ崩壊にご注意!





 OK?







++++++








時刻は午前一時。
辺りはしんと静まり返っている。


研究室のドアを開けようとドアノブに手を伸ばしたところで、彼は部屋の中から聞こえてくる奇妙な音楽に気がついた。伸ばしかけていた手が止まる。
身動きせずにじっと耳をすましていると、聞こえてくるのはどうやら歌のようだ。恐らく中で誰かが歌っているのだろうが、部屋にはしっかりと鍵がかけてあったはず。誰かを入れた覚えは無い。
となると、中にいる人物が侵入したのは窓からということになるが、この時点で誰がいるのか判明してしまうあたりが非常に悲しいことだと思う。
ためらいながらドアノブに手をかけたレイトンは、窓にもきちんと施錠しておくべきかなとぼんやり思いつつドアを開けた。





【来訪者は誰?】(前編)





「そう何度も人の部屋に侵入されては私も困るのだけれどね」



レイトンは苛立ちを含んだ声で言い放った。しかし問題の相手はというと、悠然とソファにもたれて新聞を読み、ご機嫌に鼻歌を歌っている。
部屋の主が帰ってきたことなど、彼にとってはどうでもいいことなのかもしれない。
冷ややかな目で男を見据えながら後ろ手にドアを閉めた時、それまで顔も上げずにいた科学者——デスコールは、そこでようやくこちらを向いた。


「実にこの部屋は快適だな、と言いたいところだが、非常に残念な点がある」

「私の部屋の残念な箇所を指摘する前に、まず君の頭の中に『常識』という言葉を入れてくれるかな。それといい加減にしないと通報するよ」

デスコールは『通報』というところでくすりと笑った。

「ずいぶんと酷なことを言うものだな。来客は手厚くもてなすのが英国紳士だろう」

「窓から不法侵入する客をもてなしたくはないけどね」

デスコールは口元に手を当て、くつくつと喉で笑う。なんだか不気味な男だ。

レイトンは小さくため息を吐いて作業机まで向かった。
椅子に腰をおろしかけたところで、窓に鍵をかけしっかり閉まったことを確認する。

「何をしている?」
「ここが君の玄関なんだろう? それならここを閉めておかないと」
「ふん、まぁ玄関とも言えるな。ドアから入るのは変装の手間がかかる。窓から入るのが一番手っ取り早い」

否定ではなく肯定をするところに改めて彼の異常さを感じ取ったところで、ふとレイトンはあることを思い出した。

「そういえばデスコール、私の部屋の残念な点とは一体なんだい?」

さっきは聞き流したが後になって気になってきた。
とはいえこの男のことだから、ろくな答えが返ってくるはずもないのだが。
レイトンが机の上に古代遺跡からの出土品(奇妙な文様の入った壷のようなもの)をのせて観察していると、
しばらく間をおいてからポツリと一言。







「この部屋にはもう一人いるぞ」






……え?
                   








                         



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