二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 稲妻小説集【あなたは、幽霊の存在を信じますか?】 ( No.12 )
日時: 2011/04/03 21:49
名前: 向日葵 ◆g4BVQuXJmc (ID: H9DI71mW)
参照: 元・林檎だよ☆

 ◆壱話◆

ひらひらと、紅く紅葉した葉が木から落ちる。
時期は秋。だが葉が散り始めているという事は、もう冬は間近だ。
そんな中、一人の少女がある中学の門の前で、校舎を見上げる。

「此処が…雷門中…」

蒼く清んだ髪の色に、漆黒色の瞳。色白の肌の少女が呟く。
彼女が身につけている服は、雷門中の制服。いわゆる『転校生』だ。
だが、彼女の黒い瞳には、『楽しみ』等と言う光の色は無かった。

「危なあぁぁぁぁぁい!!!!!」

後ろから、凄い声と共に少年が突っ込んできた。
少女は、反応する暇も無く、少年とぶつかり合う。
〈ドガッ〉と鈍い音と一緒に、少女はよろけて倒れる。

「いたた…君、怪我は無いか?」

ぶつかってきたのは、オレンジのバンダナを付けた少年。少女は、「大丈夫」と言い、差し出された手を借り、立ち上がる。

「俺、円堂 守!雷門中サッカー部のキャプテンだ!」
「私は…華歌 紅…」
「そっか!華歌か!…って…そう言えば、俺遅刻うぅぅぅ!!!!」

かなりいきなりの出来事に、ただただ呆然としている華歌は、数秒後我に帰り、

「…行きますか」

と、校舎に向かい始めた。