二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: NARUTO疾風伝 第二幕—常闇の蝶共— ( No.29 )
- 日時: 2011/06/05 00:44
- 名前: おぷゥ (ID: ohiIgZdM)
上っていく階段の途中には、たくさんの店がありどこも遊郭とは思えないほど活気に満ち溢れている。大きく長い階段、階段が道のようなものだった。 そんな階段の端々に飽きることなく『女遊び』の店が転々とある、階段の頂上だろうか宮が小さくみえる場所から提燈が祭りのように明かりを灯し、辺りを照らしていた。そして、赤い装飾に彩られた檻の中に妖艶な笑みをうかべた女がナルト達に目をつける。
「ちょっと兄さーん買っておくれよ」
「嫌だわぁ、ウチが先に目をつけていたのに」
ナルトは子供なのに、遊女達から勧誘をうける理由は変化の術。
みんな20歳以上の男に化けていた。サクラは青色の髪で顔の整った侍・・・。顔は理想の男性像らしい、ナルトがそのことでショックを受けていたがナルトもいつもより髪を伸ばし着物をきていた。夜鐘は変化の必要がなくそのまま、無羅は年齢を(多少)下げ男に化け着物を着た。
さて、そんな集団に遊女達は必ず声をかけるわけだが、夜鐘はそれを無視して、つかつかと大きな階段を上っていってしまう。
どんっ
通行人の何人かに(といっても遊び人)肩がぶつかる。夜鐘はそんなことも気にせず、そのまま歩き続けるため・・・・・・ガラの悪そうな遊び侍の何人かが、こちらをにらみつける。
無羅とサクラがそれに気づいて、思わず夜鐘を見た。
赤い髪をゆらす姿と下駄の音しか聞こえない。
無羅は、はぁ・・・とため息をついて、冷や汗をながす。
・・・夜鐘、アンタ少し周りに目を配りなさいよ。
ガシッ
「うわッ」
「きゃ・・・じゃなかった・・・うわ・・・」
無羅がナルトとサクラの腕をつかんで店と店の間の隙間に向かい身を潜めた。「とりあえず、先に行って」
「「・・・・・・了解」」
ナルト、サクラを店の隙間の奥まで行かせ片手で印を組む。
—【黙語】モクガタリ
無羅の頭の中で、侍に付けられている夜鐘の姿が映る。
・・・やーっぱりね
無羅はその風景に呆れながら夜鐘の脳に声をかける。
—夜、おいこら夜!!
ぴたり、と夜鐘の動きが止まったのが見えた。
—無羅か?どうかしたか?
夜鐘は、さっと急ぎ足に夜鐘は建物と建物をうまく交差させて人ごみに紛れ込む。
—どうもこうしたも・・・アンタさぁ、つけられてんの!・・・・・・チャクラを押さえ込むのはいいけど探知できるくらいのは残し時なさいよ。
無羅は隙間の暗闇の中で眉間にシワをよせた。
夜鐘は頭をかきながら「あちゃー」と小声で呟いている。
—あぁ・・・悪ィ手間かけたな、んで・・・・ちょっと頼みがあるんだけど・・・・・・
・
・
・
・
・
・
・
「ちょっと、綱手様・・・どういうことですか・・・」
「いや、本当に悪いことをしたと思ってるさ・・・」
火影の元にはヤマト、カカシが居た。・・・そして問題になっているのは、今回のナルト、サクラの件。
カカシはうなだれながら火影の机に手をついた。
「ナルトは未成年だし、サクラは女ですよ!」
声をはりあげて猛講義するが過ぎてしまったことは仕方ないと、ため息と共に机から手を離す。
「すまん・・・」
綱手は申し訳なさそうに呟いた。
カサッとヤマトは地図を取り出しカカシに言う。
「・・・先輩、その遊郭はここから、そうは遠くないですし・・・行きましょう」
「ああ、・・・・・・てか、テンゾウ・・・行ったことあんの?」
途端、カカシとシズネと綱手が冷ややかな目でヤマトを見たが、ヤマトはとんでもない!!というように地図をぶんぶん振り回して
「これッに書いてッあるんッですッ」
そう叫んだが、
「あーはいはい、わかったわかった
バタン
カカシはさっさと扉を開けて部屋を出て行った。
綱手とシズネは「いってらっしゃーい」と苦笑しながら手を振る。
・・・・・・先輩、あなたとやってける気がしません・・・。
ヤマトは心の中で呟いた。