二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: NARUTO疾風伝 第二幕—常闇の蝶共— ( No.30 )
- 日時: 2011/06/05 22:31
- 名前: おぷゥ (ID: ohiIgZdM)
夜鐘は一人、階段を上り終えた場所に位置する木造建築の塔を目指している。人をかきわけて、とにかく前へ前へと。人のざわめきや遊女の勧誘を無視して
ガヤガヤ ガヤガヤ
だが、そんなことをしているから先ほどの無羅が行ったとおり後ろから侍が夜鐘を付けていた。
夜鐘は薄めたチャクラを自分自身の周りに流し探知を行いながら前を歩く、だがさすがに侍と夜鐘には距離があるし第一、行きかう人々が壁になっているので追いつかれる可能性は少ない。
「・・・・・・まぁ気にせず行くかな」
ガヤガヤ ガヤガヤ
祭りのような雰囲気の場所、暗闇を赤い仄かな提燈と店の明かりが道とあたりを照らす。
「こうなると・・・・・・緊張感ほぐれるな」
夜鐘は提燈を見つめながら気ままに歩いていた。
すると、少し後ろのほうで楽のざわめきとは違うざわつきが聞こえる.
「や・・・・・・やめッ!!!!」
もめ事か・・・・・・?
夜鐘はそう軽く考えていたが・・・・・・明らかに違った。
「ぎゃあああああああ!!!」
「きゃあ!」
獣のような女の悲鳴が後ろから聞こえた。
そして二、三度聞こえる「ゴボ・・・」という血を吐く音。
「・・・・・・ぎゃああああああああ!」
「うわああああ」
「!」
バッと夜鐘は後ろを振り返った。大通りの道にあった人ごみは端へと逃げ道の真ん中には刀を構えた汚れた男と血を吐く女、倒れた男が数人居る。
「うおおおおおおおおお!」
侍が刀を振りかざしながら、階段を駆け上ってきた。
思わず夜鐘は身構える。 男の表情は・・・狂っていた。目を血走り無精ひげを生やしていた。
「しねええええええええ」
男が力一杯、刀を振り下ろしながら夜鐘に突進してきた。
ブンッ ブンッ ブンッ
振り下ろすたびに、夜鐘は後ろへ後ろへとジャンプしながら男の刀から逃れていた。
「・・・・・・くそ、着物だと動きにくい」
ここでクナイを使うのもまずい・・・術も下手に使えねぇし・・・・・・
ブンッ
男が一振り
パシッ
夜鐘が男の振り下ろした隙の一瞬、静止する腕を捕まえた。
「はなせえええええええええええ」
唾液をまきちらしながらもがく男を、不快に思いながら夜鐘は軽く男の手首を曲げてみる。
苦痛に男は顔をゆがませるが
夜鐘はおかまいなしにさらに、曲げる。
「やめろおおおおおおお」
ボキッ パキ、バキィッ
「いいいッ・・・いてえええええええええええええええ」
夜鐘は、男の手の手ごたえが無くなると、男を解放した。
男は刀を投げ捨て、自分の右腕を目を見開きながら見ていた。
プラーン、と手はありえない方向にたれている。皮だけのように垂れている。
完全に骨は砕けただろう——
男は「ひィ」と悲鳴をあげると、そのまま階段を下りおりていく
「うわあああああああああああ」
男は躓いて、そのまま足が前へとあがった。
「ぎゃあ」
— ゴタガタタタタタッ!!!!
高等部を強くうちつけながら、落ちていった。
辺りはシン・・・と静まりかえる。
「・・・・・・殺しちまったか・・・」
夜鐘は頭をかきながらうな垂れた。
今更、隠密行動なんてできるはずがない・・・。
派手に暴れすぎた。
「・・・・・・・・・ここは相方にまかせるかな」
夜鐘は転がった死体を見ながら呟いた。