二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: NARUTO疾風伝 第二幕—常闇の蝶共— 参照150突破・  ( No.36 )
日時: 2011/06/08 22:43
名前: おぷゥ (ID: ohiIgZdM)

パチパチと火が燃える音が聞こえる。
 暖かい感覚が、体に伝わった。


 「・・・・・・?」

 ゆっくりと目を開ければ、そこは窓のない土で出来た、密室だった。
そこにはカカシ、赤い髪の青年に、目深いフードで顔半分を隠し、着物を着た女が居る。 ヤマトは、枕から体を起こす。

   「目覚めたかい?」

 顔を隠した女が、ヤマトの傍に来た。
どうやら足が悪いようで、半ば引きずりながら足を動かしている。

 ヤマトは状況が理解できていないようだ。


カカシは「とりあえず、ここに居る奴等は敵じゃないよ」とヤマトを落ち着かせる。赤い髪・・・夜鐘は座ったまま一礼すると「初めまして」と笑った。

 「俺は同行者ですよ」

 「そ、この怪しいのはナナシノ夜鐘、暗部」


カカシの説明にヤマトは目を丸くする、まぁ当たり前の反応だろう。夜鐘はクツクツ笑いながらクナイを磨く。
 
 ヤマトは呆然としたが、すぐにハッと声を張り上げる。

 「・・・・・・先輩、ゆっくりしてられないですよ!」

 「今、塔に向かったって無駄さ、結界が強まったからねぇ」

ヤマトの言葉をさえぎるかのように、女は口角をあげて妖艶に笑みを漏らした。ヤマトは納得がいかないように首をかしげる。

 
 夜鐘はそんなヤマトの様子を見かねて、呟く。

「ここの動力源は妖術といって、まぁそれがこの国を守ってるみたいですよ?」

適当にそう答えると、夜鐘は立ち上がった。
 女は「行く気かい?」と言う、夜鐘は「アンタは付いてこれねーだろ?」そう言い返すが、女は笑った。


 手を伸ばせば、透明の糸がのびる。


 「・・・・・・もしかして」
ヤマトは呟く、女はニコリと笑い頷いた。


「女郎蜘蛛の【千里】センリだよ、あたしは蜘蛛で行くさ」

千里は、蜘蛛の糸を自分の足にまきつけ立ち上がる。
 カカシもヤマトに合図を出し、立ち上がった。