二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: NARUTO疾風伝 第二幕—常闇の蝶共— 参照150突破・  ( No.45 )
日時: 2011/06/12 20:01
名前: おぷゥ (ID: ohiIgZdM)


 キイイイイイイイイイイイイイイ・・・・・・

天井に潜んでいた武装遊女を気絶させ、その隙間にカカシ達は身を潜めていた。カカシは耳を押さえながら「夜鐘・・・・・・なんとかしなさいよ」と不快音の原因の人物をにらみつけた。

 夜鐘は狭い隙間に身を潜めつつ、クナイを構える。

 「もう、強行突破しますかねぇ」

ちら、と小さな穴から周りの様子を伺えば、守りに徹底して身動きができない無羅と動けないサクラとナルト。


 「行くか・・・・・・」

 カカシもその様子を見てか、左目を空気に晒した。
ヤマトも後方支援するかのように印を結び始め、千里は「じゃあ、先に下りるよ」と小さくいうと、いつのまにか蜘蛛の姿になっていた。

 カサカサと天井の裏から表へ出て行く。


 「便利だなぁ」
ヤマトは面食らったように、印を結びながら言った。
 夜鐘は仮面を被りなおしながら、「いえ、あなたの木遁も十分便利かつ興味深い」そう呟くとクナイを床に近づけた。

 カカシは体勢を整えた、そしてヤマトはバッと印を結び終わる。

 二人を確認すると夜鐘は、息をついた。

「じゃあ、今から数えますんで・・・・・・その時に行動開始ですね」



    




   キイイイイイイイイイイイイイイイ




   「伍」







 『守っているだけでは意味がないぞ?』








    「四」




  『っちくしょ・・・・・・』







 「参」




  『・・・・・・頭・・・・・・われそ・・・・・・ってば』




 「弐」


  
  『痛い・・・・・・』





 「壱」





 



 「夜鐘ぇ!!!!早く来い!!!」









  ドガアアアアアアアアァァァンンン!!






   「!!」

 九愚羅の声が止まる。

そして、3人は恐ろしい束縛から逃れることができた。
  
 

  轟音と共に天井が突き破られ、煙がもくもくと立ち込める。
 無羅は円形の武器を消すと、すぐにあたりのチャクラ探った。


 無羅の周りは煙が立ちこめ戦える状態でもない、紫の姿も確認できなかった。

 ぜぇぜぇ、と息を切らしつつ全員の安否を確認しようとするが
首元がひやり、と冷たくなった。



 鉄の短い刃。



   「・・・・・・後ろを取られるとは、なんとも忍らしくない・・・」

    「!!」

 
 無羅の後ろには、紫が鉄扇をもってたたずんでいた。
彼女は、まったく傷ついておらず、かすり傷の一つもないことに無羅は驚愕というよりも恐怖すら覚える。


 


   「このまま思うがままに生きればよかったものを」

 馬鹿にしたような目で無羅を紫は見ていた。




   チクッ




 瞬間的な刺激で、自分の首から血の雫が鎖骨を伝っているのがわかった。 

 「やはり、人間とは違う匂いがするな。不味そうだ」

 「意地でもアンタには喰われたくないね」

 「ならば死ね、生まれたことを恥だと思え」




 刃の先端から圧力と共に、殺気が強くなる。



——殺気が隠しきれないのは、やっぱ獣だからかなぁ




 そんなことを思いながら『殺される』と無羅は確信していた。