二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: NARUTO疾風伝 第二幕—常闇の蝶共— 参照150突破・  ( No.51 )
日時: 2011/07/02 21:52
名前: おぷゥ (ID: R4l9RSpR)


 「・・・・・・これは」

少し首を傾げながら、差し出された小瓶を九愚羅は見た。
 透明な硝子瓶からは何やら透明な液体が入っている、少し匂いがこぼれて薬品臭い・・・・・・。

 千里は少し口角を上げながら、口を開く。

「梅毒の薬だよ、ここ最近流行ってるんだろう?・・・・・・」

 「・・・・・・!何故だ、そのような薬・・・・・・ここでは作れなかったはず」

九愚羅は千里の言葉に少し取り乱しながら、呟いていた。驚きに目を見開きつつ小瓶を震えた手で受け取る。

    「・・・・・・どうやって・・・・・・これを」

 驚きに声の出ない九愚羅を見かねてか、紫が代わりに千里に問いただした。すると、千里はクスリと笑い夜鐘を指差した。

 
  「コイツと、自来也・・・・・・とやらのおかげだよ」

   
 困り顔で指差された夜鐘は頭をかいた。
その横に来ていたナルトとカカシは目を見合わせて、呆れたような表情で顔を見合わせる。


  「・・・・・・エロ仙人・・・・・・やっぱエロ仙人だってば」


 ナルトは複雑な表情で、小瓶を見ている。
カカシもカカシで心の中で呆れ顔だった。


 さすが・・・・・・自来也様・・・・・・・・・


 九愚羅は夜鐘に目をやる、どうやら少し困惑したような表情で「・・・・・・おい針鼠」と言った。


  「あいよ」


  「何故、最初に説明しなかった」

  
  「そっちが喧嘩吹っ掛けてくるからでしょ」


  「あれは・・・・・・・・・じゃれ合いだ」




  「いや今、考えただろその言い訳」



なんともその場にきまずーい雰囲気が流れ始めていた。紫は「ハーッ」とため息をつき虎猿は「ぷぷッ」と笑いを堪えているではないか。

 「あのっさー、さっきアンタの仲間に殺されかけたんだけど」
いつのまにか無羅やヤマト、サクラまで下りて来ていた。無羅は講義の声をあげながら紫に目をやる。

 「容易い、気に喰わんからに決まっておる」

 「うわ、最低・・・・・・てか、アンタ等・・・散々、人のこと馬鹿にしておいて・・・・・・」

ぷるぷると肩を震わせている無羅にサクラが苦笑いしながら、なだめていた。夜鐘は「・・・・・・ま、これがコイツラの歓迎の仕方なんじゃねーの」と適当に言ったが無羅が「本気で精神的にも肉体的にも潰されかけたわ!!!」と大声で夜鐘を怒鳴りつけたので「ひっ」と夜鐘が小さくなってしまった。

 九愚羅は無羅に近づいた。その背には、殺気はこもっていない。
どちらとも何かに安心したようだった。

 「・・・・・・申し訳ない・・・・・・気が立っていたのだ皆」

 「どういうことさ」

 「暁、と云ったか・・・・・・そやつらが此処に来てからだ」



   ——え
  


  「——暁」

 九愚羅の言葉に一番、最初に反応したのはナルトだった。
カカシやサクラ、ヤマトも同様に目を見開く。

 カカシは、いつもの眠たそうな目を吊り上げ、眉間にシワを寄せる。

「・・・・・・そいつの容姿は覚えてますか?」

 「嗚呼、脳裏に焼きついておる・・・・・・どうにも、仮面をつけていたな『斜めに輪を刻んだ仮面』だったわ・・・・・・・・・」

 


 — トビ、か


カカシはさらに目を厳しくし眉をひそめた。
 
「で、ソイツは何て」

「・・・・・・この土地の仕組みを教えてくれ・・・・・・とな、勿論、教えなかった。此処に身を置いている者たちの為にもな」


ナルトはそれを聞きながら、「どうして」とだけ呟いていた。九愚羅は頷いてから

 「ここは、自由自在に姿を霧に変えることができるのだ・・・・・・われ等、妖獣の源、妖術でな」

 そう言った。「・・・・・・それを利用して何をするつもりだったか」ヤマトは考えながら呟くカカシは目を閉じてまた開いた。


 「何にせよ、俺達にとって利のあることじゃないと思うよ……忍である限りな」

 そう言うと左目が赤く変色し、天井を見上げる。