二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 48章 PDOのリーダー ( No.100 )
日時: 2011/05/01 23:09
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http:/ARUGRIZMU

「フタチマル、シェルブレード!」
「モグリュー、メタルクロー!」
「シビビール、放電!」
イリスたちは迫ってくるプラズマ団を次々と撃退していた。
「このままじゃ埒があかないな……ミキちゃん、ベル!アララギ博士を守りながら、突っ切るよ!」
イリスはそう言うと、フタチマルを特攻させる。
「フタチマル、水の誓!」
フタチマルは辺りに水柱を作り、プラズマ団たちの動きを止める。
「今だ、走るよ!」
イリスたちは洞穴の奥に向かって全速力で走り出した。

「はあはあ、ここまで来れば大丈夫……かな?」
「たぶん……」
「大丈夫だと思うよ……」
イリスたちはすっかりばてていた。それもそのはず、慣れない岩場を全力疾走したのだから当然である。
「まあ、全然大丈夫じゃないけどね」
不意に声がした。イリスたちは振り向くと、そこにはプラズマ団の制服を改造した黄色の髪の女が立っていた。
「お前は……」
「あたしはプラズマ団7幹部の1人、イエロ」
「……確か、アカリさんが戦った相手だって、チェレンが言ってたっけ」
「ふん。結局あの小娘とのバトルは決着がつかなかったけどね……まあいいさ。前回は小娘、今回はあんたと戦うことになってるから」
「……誰が決めたんだよ」
「さあ? どこかでこの世界を牛耳ってるだれかじゃね?……さて、バトルの準備はいいかい?」
「もちろん」
「そうか。5対3のバトルの準備が出来てるなんて、頼もしいね」
「? 5対3?」
イリスが疑問符を浮かべると、イエロの後ろから4人の人影が出て来た。
「久しぶりだね。僕らのことは憶えているかい?」
「久しぶりね。私たちのことは憶えているかしら?」
「この前は不覚をとったが、今度はそうはいかぬぞ。小童ども」
「冷凍コンテナでは寒くて戦えたもんじゃなかったが、今回は全力でいくぜ」
現れたのは、プラズマ団7幹部の、ルー、リン、バイオ、レドだった。
「な!? プラズマ団幹部が5人も……!?」
「その通りだ。今回は結構重要な作戦らしいから、あんたらの足止めもそれなりに大掛かりなのさ」
イエロは不敵に笑う。対するイリスは苦しい表情だ。
「これは、不味いな……」
「師匠……」
「イリス……」
ミキもベルも縋る様にイリスを見る。その時
「幹部が5人も出しゃばってバトルを挑むっていうのは、大人気ないと思うんだけど?」
「そればっかりは、同意するね」
「そういうわけで、私たちも加勢しよう」
現れたのは、PDOヒウン支部統括、リオ。ヒウン支部統括補佐、キリハ。ホドモエ支部統括、ミナアキだった。
「皆さん……どうして? 特にキリハさん」
「連絡したら駆けつけるって言ったと思うけど」
「僕はデスクワークそっちのけで来たんだよ。来ないと書類をシャンデラの炎で燃やすって脅されて」
「私はリオから連絡があったから駆けつけたんだ。電気石の洞穴はホドモエ領だしな」
という訳らしい。
「さて、これで5対6だけど?」
リオが挑発するように言う。そしたら、岩陰から3体の黒い影が現れた。
「なら、我々が加勢すれば8対6だな」
黒い影——ダークトリニィはそう言った。
「!? ダークトリニィ!?」
「……なんであんたらがここにいるんだい?」
驚愕するイリスと、渋い顔をしたイエロ。イリスはともかく、イエロもダークトリニィの参戦は好ましくないようだ。
「我々はゲーチス様の命でここに来たまでだ」
「……そうかい」
イエロは引き下がる。まあ、もとより敵ではないのだから、加勢するなとは言えないだろうが。
「さて、やや不本意ながらもこっちに3名の援軍が来たが、それでもやるか?」
「…………」
イリスは黙り込む。ダークトリニィは見るからに只者ではないし、数もこっちの方が2人少ない。どう見てもこちらの方が不利。そう嘆いていた時。
「それならこっちも2人ほど援軍が来れば互角になるんじゃないかな?」
後ろのほうから声がしたので振り返ってみると、そこには赤黒い髪に眼鏡を掛けた、二十歳くらいの若い男性がいた。その後ろには、おとなしそうな若い女性がいる。
『!?』
その2人に驚いたのは、リオ、キリハ、ミナアキのPDOトップの3人だった。
「リ、リーダー……」
辛うじて口を開いたのはキリハ。そしてその口から零れる様に発せられる声を、イリスは復唱する。
「リーダー?」
訊ねるように復唱するイリスに答えたのはミナアキだ。
「……彼の名はジルウェ。PDO、プラズマ団壊滅組織の実質的な頭だ」
「!?」
今度はイリスが驚く。
「やあ、初めましてだね、イリス君。僕はジルウェ、PDOのリーダーさ。そしてこっちが」
ジルウェが後ろの女性を指差す。
「PDOサブリーダーのシスタです。以後、お見知りおきを」
「はあ……」
イリスは少し困った顔をするが、それに構うことなくジルウェは話し始める。
「僕らは君らに加勢しに来たんだ。僕らが加勢すれば、8対8で数では互角だろ? だから——」
ジルウェは一旦言葉を切って、懐からボールを出す。
「プラズマ団を壊滅するために、僕らは戦うことにしたよ」
そう言って、ボールからポケモンを出す。



今回はプラズマ団幹部5人にダークトリニィと、プラズマ団の実力者が目白押しです。さらに今回はPDOリーダーのジルウェとサブリーダーのシスタが登場です。人物紹介には乗せましたが、何時だそうかと悩み、今回出しました。さて、次回予告に移りまして、次回はプラズマ団たちと戦います。かなり戦力を注ぎ込んだ戦いなので、白熱すると思います。では、次回をお楽しみに。