二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 56章 フルバトル イリス対N 終盤戦 ( No.115 )
- 日時: 2011/05/05 23:36
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「アーケン、竜の息吹!」
「チラーミィ、かわしてスイープビンタ!」
アーケン対チラーミィの戦いは、スピーディに行われているが、なかなか決着が着かない。
「避けろアーケン、アクロバットだ!」
「かわせチラーミィ!」
その理由は、お互いの素早さだけでなく、回避能力が高いからだ。お互いに攻撃を回避し合うので、なかなかダメージを与えられないのだ。
「チラーミィ、アイアンテール!」
「アーケン、鋼の翼!」
ここで初めて、チラーミィとアーケンの攻撃がぶつかり合った。2体はせめぎ合い、その結果押し負けたのはチラーミィだった。
「攻撃力じゃ僕のアーケンの方が圧倒的に上だからね。アーケン、アクロバットだ」
Nはアーケンにそう指示するが、アーケンは動かない。
「? アーケン?」
何事かとNはアーケンを覗き込む。するとアーケンはチラーミィをじっと見つめていた。
「……そうか、メロメロボディか」
メロメロボディとは、異性ポケモンに直接攻撃されると、そのポケモンをメロメロ状態にしてしまうという特性だ。
「チラーミィ、アイアンテール!」
チラーミィはメロメロ状態になっているアーケンに容赦なくアイアンテールを叩き込み、戦闘不能にさせた。
「メロメロボディの特性は結構少数派で、テクニシャンの方が多いんだけどね」
「いや、このチラーミィは懐かれてゲットしたようなものだからな……」
「いいね、そういうの……それじゃあ、君の出番だ。ゾロアーク!」
Nついに最後のポケモン、ゾロアークを繰り出す。
「ゾロアーク、辻斬り」
ゾロアークはチラーミィも追いつけないようなスピードで後ろを取り、切り裂いた。
「チラーミィ!」
「まだだよ、火炎放射」
さらにゾロアークは火炎放射を放ち、チラーミィを戦闘不能にさせる。
「さあ、これで君も残り1対だ」
イリスはそう言われ、チラーミィをボールに戻し、最後のポケモンを繰り出す。
「……出て来い、フタチマル!」
イリスの最後のポケモンは、フタチマル。
「やっぱりフタチマルだね。言っておくけど、そのフタチマルじゃ僕のゾロアークは倒せないよ」
「そんなのやってみなくちゃ分からないだろ。フタチマル、水の波動!」
「ゾロアーク、火炎放射」
フタチマルの放った水の波動は、ゾロアークの火炎放射によって簡単に打ち消されてしまう。
「なら、水の誓!」
「バークアウト」
フタチマルは水柱を発生させるが、ゾロアークがけたたましい叫び声を上げて、かき消してしまう。
「どうしたのかな? 君の力はこんなものかい?」
「くっ、ならシェルブレード!」
「避けろゾロアーク、火炎放射」
フタチマルのシェルブレードはかわされ、火炎放射を撃たれる。
「ホタチで防御だ!」
しかしなんとかホタチで防御するも、そのホタチは弾かれてしまう。
「フタチマルはホタチなくしてはその実力を十分に発揮することが出来ない。今の君のフタチマルはホタチを1つ失っている。これでけでもフタチマルの力は半減するよ」
「……大丈夫だ、ホタチ1つでだってやれる。シェルブレード!」
フタチマルはホタチ1つでシェルブレードを放つ。
「ふっ、無駄だよ。ゾロアーク、辻斬り」
ゾロアークは一瞬にしてフタチマルの背後に回りこみ、ホタチを弾き飛ばす。
「さあ、これで君のフタチマルのホタチはなくなったよ。どうする?」
「……水の波動!」
「往生際が悪いね。火炎放射」
「水の誓!」
「バークアウト」
ゾロアークは次々とフタチマルの技を消し去っていく。
「くっ……こうなったら、あれしかない。フタチマル、力を溜めろ!」
そう指示されフタチマルは目一杯空気を吸い込み、力を溜める。
「ふうん。何をするかは知らないけど、どうやら大技で決めるつもりらしいね」
「そうさ。フタチマル、もっと力を溜めるんだ!」
フタチマルはさらに力を溜め、限界まで極限まで力を溜める。
「それじゃあ、僕らもそれ相応の技で挑んであげようか」
Nがそう言うとゾロアークは、両手に力を込める。
「フタチマル、ハイドロポンプ!」
「ゾロアーク、ナイトバースト!」
フタチマルの放つ激流のハイドロポンプと、ゾロアークの放つ漆黒のナイトバーストがぶつかり合う。
「行っけえ、フタチマル!」
「負けちゃダメだよ、ゾロアーク」
2つの大技が激突し、押し合いになる。その結果
「!? フタチマル!」
敗者は、フタチマルだった。
「僕の勝ちだね。言っておくけど、今のナイトバーストは全力の3割程度の力だよ」
「!? ……あれで、3割……?」
驚愕するイリス。
「そう。……ライモンシティでは引き分け、というより決着が着かなかったけど、今回僕が勝って1勝1敗。これでイーブンだね」
Nはやや嬉しそうに言うが、イリスの表情は硬い。
「……今回は僕が英雄に相応しいかを試す勝負だったんだろ。僕はそのゾロアークに負けたよ、完膚なきまでね。だから、僕は英雄なんかにはなれない」
フタチマルをボールに戻しつつ、イリスは言う。
「いや、君はやっぱり選ばれし英雄だよ」
しかし、Nはそれを否定する。
「君は、間違いなく英雄になれる人間だ」
そして、もう一度言った。
ついに決着です、イリス対N。今回はNの勝利という形になりました。いや、イリスばかり勝ってしまってはいけないと思い、Nにも勝たせてやりたかったんですよ……いや、別にそんな殊勝な理由ではありませんが。さて次回はフキヨセシティです。その前にNはアララギ博士にお説教されます。お楽しみに。