二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 61章 プラズマ団7幹部 インディ ( No.126 )
- 日時: 2011/05/12 00:52
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「……人様のポケモンのお墓吹っ飛ばすなんて、呪われるよ?」
「呪いなど、たかが迷信。恐れるほどのものではない」
インディは、手にモンスターボールを持っている。恐らくあのボールに入っているポケモンで、墓石を吹っ飛ばしたのだろう。だが
「ここの墓石は特殊な石で出来てるから、ポケモンといえどそんな簡単に破壊、それも一瞬で消し去るようなことはまず不可能なんだけどな」
イリスはぼやく。
「……侵入者は3人。1人は4階にて他の団員を殲滅している。他の2人はツーマンセルで侵入したばかり。この報告は今さっき伝えられたもので、十中八九2人組みはお前らだろう」
人の話を無視して一方的に話す。プラズマ団には自己中心的な人が多いのだろうか。
「だが、ついさっき侵入したばかりのお前達が、何故4階にいるであろうもう1人の侵入者よりも早くここにいる?」
「僕は結構面倒くさがりなんでね。裏道と裏技を使って3,4階あたりの階段をショートカットしたんだよ」
イリスはそう言いつつ、ボールを出す。正直勝てる気はしないが、何もせずここから立ち去るというのは無理だろう。それにこいつを倒さなくては、ここにいるプラズマ団を追い出すことは出来ない。
「……ふん。お前、イリスだな」
突然、インディはそんなことを言い出した。
「? まあ、そうだけど。ひょっとして知らなかったのか? 僕って結構プラズマ団に知られてるとばかり思ってたけど」
やや自意識過剰気味だが、その通りである。イリスは既にプラズマ団幹部を5人も倒していて、Nとも因縁がある。知らないとしたら下級の下っ端くらいだろう。
「いや、知っている。さっきのはただの確認だ」
わざわざ確認するとは、生真面目な奴だな。とイリスは思った。
「俺はお前と戦う気はない。ここで俺はお前と戦って倒してはならないんだ」
「? 何言ってるのかさっぱりだ。何で僕らを倒してはいけないんだ?」
「この上にいる方からの命令だからだ」
インディは即答する。
「それじゃあ、僕らとここで戦わず、通してくれるというのか?」
「違う」
どっちだよ!とイリスがキレ気味に叫ぼうとするより早く、インディは言葉を続ける。
「そろそろ出て来い。話なぞ聞かずとも割り込みでも何でもするがいい」
その時、墓石の陰から、1人の男が出て来る。
「ムントさん……!」
ムントだった。どうやらいつの間にか5階に来ていて、イリスとインディの話が終わるのを待っていたらしい。
「俺はイリス、お前を通せという命令は受けているが、それ以外の輩を通しても良いとは言われていない。無論、そこの小娘も同じだ」
インディはミキを見る。どうやら通すのは本当にイリスだけらしい。
「出でよ、ゼブライガ」
インディはいきなりポケモンを出す。
「イリス以外、何人たりともここは通さん」
そう言ってインディは3人をとおせんぼうするように立ち塞がる。いや実際とおせんぼうしているのだが。
「……出て来い、オノノクス」
ムントもポケモンを出す。どうやら戦う気らしい。
「……ムントさん、僕も戦います。たぶん1人では——」
「失せろ」
イリスは善意で加勢しようとしたが、ムントはそれを拒絶する。
「お前は弱い。俺は弱い奴が嫌いだ。それに弱い奴が加勢した所で、邪魔になるだけの枷にしかならない」
イリスは加勢と枷を掛けたのかな?と不謹慎なことを思うが、すぐ脳を切り替える。
ムントはよくある仲間を思い遣る感じの拒絶ではなく、本当に邪魔だと言っているような感じだ。イリスは一方的に味方だと思っていたが、どうやらそれはただの思い上がりらしい。
「……行くよ、ミキちゃん」
イリスは素直に従う。実際自分は負けているわけだし、自分よりは確実に強いと分かっているからである。
「小娘は行かせん。ゼブライガ、電撃波」
ゼブライガはイリスとともに階段に向かうミキを狙って、電撃波を放つ。
「きゃっ」
電撃波はミキを掠めるようにして外れた。ギリギリのところでイリスがミキの手を引いて回避したのだ。
「大丈夫、ミキちゃん?」
「はい、大丈夫です」
そう言って再び階段に向かって走り出す。
「……ゼブライガ。イリスごとやっても構わん。電撃波だ」
ゼブライガも再度電撃波を放とうとするが、それは突如地面が大きく揺れたことによって不発に終わる。
「余所見をするな」
ムントだった。恐らくはオノノクスが地震を使ったのだろう。
「……ふん、いいだろう。イレギュラーが入り込んでしまったが、仕方ない。後で切腹でも何でもしよう。だが、今目の前にいる敵は、排除する」
「やってみろ。幹部といえど、所詮は追放された弱者であることに変わりはない」
こうして、イリスは最上階に向かい、ムントはプラズマ団幹部の1人、インディと戦うこととなった。
今回は特に言うこともないので、次回予告でも。次回はタワーオブヘブンでの戦いが終わります。そして最上階にいる人物とは……?まあ、そんな意外な人でもないのですが。それではまた次回。