二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 63章 人間大砲 ( No.128 )
日時: 2011/05/14 00:12
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

イリスはタワーオブヘブンでの一件の後日、フキヨセシティジムを訪れていた。
「来てくれたんだね、待ってたよ」
フキヨセジムのジムリーダー、フウロはそう言う。イリスの遥か高みから。
「……あの、フウロさん。何故にそんな高所におられるのですか? というか、どうやってそこまで?」
イリスはフウロからかなり低い位置(正確には300m下)から疑問を投げかける。聞こえるかは定かではないが。
「そこに大きな大砲があるでしょ? その中に乗り込んで、吹っ飛ばされて」
言われてイリスは前方を見る。確かにそこには直方体の箱のようなものがあり、入口と思しき切れ目も入っている。
「いや、吹っ飛ばされてって、そんな人間大砲なんてしたくないですよ」
イリスはブルーになりながら反論する。
「来ないとジム戦できないよ?」
フウロは挑発するように言う。するとイリスは仕方ないと言った感じで、大砲の中に乗り込む。
「ミキちゃんは観覧席に行ってて」
イリスに言われ、ミキは観覧席に通じるエレベーターに向かう。
「さて、こんなデンジャラスな大砲に乗って、僕は無事ジム戦ができうるのだろうか。というか、この大砲は僕を撃ち出せるのかな。故障でも何でもしてたらい——」
残念なことに、大砲は整備されたばっかりで故障しているところなどなく、イリスは人間大砲として吹っ飛ばされたのであった。

「死ぬかと思った……」
イリスは人間大砲としてフキヨセジムの一番高い所に着地(正確には落下)することが出来た。
「それじゃ、ジム戦始めよっか」
対するフウロはそんなイリスには一切構わず、ボールを取り出す。
「出て来て、ココロモリ!」
「……デスマス」
フウロはココロモリ、イリスはデスマスを出す。フウロはともかく、イリスは(大砲以外特に大したことはしていないのに)疲労困憊でもポケモンを出してバトルに臨もうとする辺り、流石である。
「それじゃあこっちから行くよ。ココロモリ、アクロバット!」
ココロモリは高速で動いてデスマスを攻撃しようとするが
「デスマス、怪しい風!」
さっきまでの疲労困憊振りが嘘のように回復したイリスは、デスマスの怪しい風でココロモリのアクロバットを止める。
「シャドーボール!」
さらに続けてシャドーボールも撃たせる。
「ならこっちも、シャドーボール!」
デスマスの放つ黒球に対し、同じ黒球で迎え撃つココロモリ。それにより両方の黒球は相殺された。
「ハートスタンプ!」
「怪しい風!」
ココロモリはハートスタンプを放つためにデスマスに接近しようとするが、デスマスの怪しい風で阻まれる。
「なら、エアカッター!」
しかしココロモリも負けておらず、怪しい風を切り裂くエアカッターでデスマスを攻撃する。
「デスマス!」
「続けてハートスタンプ!」
ココロモリはエアカッターの直撃を受けたデスマスにハートスタンプで追撃する。
「ぐぅ、怯み技か……」
ハートスタンプは稀に攻撃した相手を怯ませることのある技。それによってデスマスは怯み、隙が生まれる。
「シャドーボール!」
そこにすかさずココロモリは黒球を撃ち込む。さしものデスマスも、エアカッター、ハートスタンプ、シャドーボールの3連コンボには耐え切れず、戦闘不能となった。
「戻れ、デスマス」
「さあ、次はどんなポケモンを見せてくれるのかな?」
フウロは楽しそうに笑っている。実際楽しいのだろう、ポケモンバトルが。
「……よし。頼んだ、フタチマル!」
イリスはここ最近、楽しめるバトルというものをやっていない。だったら、この気に目一杯楽しんでおこうと思った。
「フタチマル、水の誓!」
まずは水柱を発生させ、ココロモリの行動と視界を制限する。
「考えるね。でも私のココロモリには効かないよ。アクロバット!」
有言実行。ココロモリはキレのある動きで水柱をかわしていき、フタチマルに接近する。
「残念ですが、そのココロモリじゃ僕のフタチマルには接近戦では勝てませんよ。シェルブレード!」
フタチマルはあらかじめ構えていて、接近してきたココロモリを二刀流のシェルブレードで切り裂く。
「まだだよ。ココロモリ、シャドーボールを連発して!」
ココロモリは指示通り黒球を次々と撃ち出すが
「フタチマル、ホタチで弾くんだ」
フタチマルの流れるようなホタチ捌きで次々と撃ち込まれる黒球を弾いていく。そして一発、フタチマルの弾いた黒球がココロモリに当たった。
「今だフタチマル、水の誓!」
その隙を狙い、フタチマルは水の誓により発生する水柱でココロモリを打ち上げる。
「ハイドロポンプだ!」
そして高圧水流をココロモリ目掛けて発射する。このハイドロポンプだが、3割程度の威力で撃てば、失敗することはなくなった。加減することで失敗というリスクを冒さなくなったのだ。
「ココロモリ!」
加減して撃ったとはいえ、ハイドロポンプの威力は凄まじく、ココロモリは戦闘不能となった。
「ありがとうココロモリ。ゆっくり休んでて」
フウロはココロモリをボールに戻し、新たなボールを出す。
「それじゃあ、次はこの子で行くよ」
「どんなポケモンが来ようと構いませんよ。全力で迎え撃ちます」
フキヨセジム戦は、まだまだ続く。



ついに来ましたフキヨセジム。今回のジム戦は無性にキーが進みそうなので、3回に分けるかもしれません。まあ、最終的には僕の気分になるのですが。では次回のフキヨセジム戦もお楽しみに。