二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 64章 フキヨセジムの風 ( No.129 )
- 日時: 2011/05/31 17:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「出て来て、ケンホロウ!」
フウロが次に繰り出すのは、灰色の羽毛を持つ、全体的に地味な感じのポケモン、ケンホロウだ。
「ケンホロウ、ハトーボーの進化系か。きっと手強いね……フタチマル、水の誓!」
フタチマルは開始早々水柱を上げ、ケンホロウを攻撃する。
「ケンホロウ、避けて」
しかしケンホロウの動きはかなり素早く、噴出される水柱を次々とかわしていく。
「ケンホロウ、電光石火!」
そして高速でフタチマルに特攻する。
「フタチマル!」
「続けてかまいたち!」
さらに空気の渦を作り出し、そこから無数の真空の刃を放ち、フタチマルを切り刻む。
「くぅ、フタチマル、シェルブレード!」
接近戦は不味いと思ったのか、フタチマルは二刀流のシェルブレードでケンホロウに斬り掛かる。
「ケンホロウ、鋼の翼!」
だがケンホロウの鋼の翼でホタチは弾かれてしまう。
「しまった!」
「決めるよケンホロウ。ゴッドバード!」
ケンホロウは大きく羽ばたくと、煌く光に包まれた。そしてその光はエネルギーに変わり、それを纏ってフタチマルに突っ込んでいく。
「フタチマル、あの大技を防ぐには全力のアレしかない。だから、相手の攻撃と、技の衝撃。両方耐えてくれよ。ハイドロポンプ!」
それに対し、フタチマルは未完のハイドロポンプを全力で放ち、迎え撃つ。
「ケンホロウ!」
「フタチマル!」
ゴッドバードとハイドロポンプが激突し合い、砂煙が舞う。やがて互いのエネルギーが混じり、爆発する。
そして押し負けて吹っ飛ばされたのが、ケンホロウだった。
「ありがとう、ケンホロウ戻って。」
フウロはケンホロウをボールに戻す。
「フタチマル、よくやった。戻ってくれ」
イリスもフタチマルをボールに戻す。何故なら、フタチマルはハイドロポンプを全力で放ち、その衝撃で後方に盛大にぶっ飛んだからだ。そのせいで全身の気力を使い果たし、戦闘不能となった。まあ、ケンホロウを倒して戦闘不能になっただけでも、功を奏したと言えるだろうが。
「……それじゃあ、次は私のエースの登場だよ。出て来て、スワンナ!」
フウロの最後のポケモンにしてエースは、コアルヒーの進化系、スワンナだった。
「……スワンナか。ホドモエのコアルヒー空襲を思い出すな……」
イリスはジム戦だということも忘れて、過去の苦い思い出を思い出し、感傷に浸るのだった。
「っと、そんな感傷に浸ってる場合じゃない。今はジム戦の真っ最中。一時でも気を抜いてはいけない」
イリスは復活した。早い。
「スワンナは水・飛行タイプ。なら、出て来いバチュル!」
イリスは水タイプと飛行タイプの両方と相性の良い電気タイプを持つバチュルを繰り出した。
「へえ、バチュルか。確かにスワンナと相性は良いけど、それだけじゃ私のスワンナは倒せないよ」
「そんなことは分かってますよ。伊達にバッジ5つ集めたわけじゃありません」
イリスは今までのジムリーダーたちとの戦いを思い出しながら言う。
「なら良いけどね……それじゃあ行くよ。スワンナ、水の波動!」
スワンナはその場から飛び立ち、上空からバチュル目掛けて水の波動を撃つ。
「避けろバチュル!」
だがバチュルの動きは素早く、いとも簡単にスワンナの水の波動を避ける。
「それなら、連続で水の波動!」
単発で避けられるなら連発でという安易な考えで、スワンナは水の波動を連続で発射する。
「バチュル、回避だ!」
しかし俊敏なバチュルには水の波動は掠りもせず、次々と回避されいく。
「それならこれどう? スワンナ、暴風!」
スワンナは翼を大きく羽ばたかせ、猛烈な暴風を発生させる。
「バチュル!」
暴風はバチュルを吹き飛ばし、壁に激突させる。
「バチュルは素早いけど、防御や特防が低めなのが欠点で弱点。まあ、完璧なポケモンなんて、存在しないけどね」
フウロはさも勝ったかのように喋るが
「残念ですが、僕のバチュルはまだやられていませんし、暴風すら受けてませんよ」
「? それってどういう——」
意味?とフウロが言うより早く、電気を帯びた網がスワンナに絡みついた。
「!? エレキネット……? スワンナ!」
スワンナは必死で網を千切り、エレキネットから脱出する。
「今のは一体……?」
見ると、壁際にいるバチュルはだんだんと姿が消えていく。そしてその壁よりも右の方に、バチュルが何事もなかったかのように立っていた。
「身代わり。自らの体力を削って自分の分身を出す技です。僕のバチュルは、その身代わりが使えるんです。さっきの暴風も、身代わりで回避しました」
とイリスは説明する。
「へえ、ますます楽しくなってきた。なら、私も本気行くよ」
「本気……?」
自信満々で楽しそうな声を発するフウロに、訝しげなイリス。
「そう、本気。スワンナ、雨乞い!」
スワンナはそう指示されると、舞い踊るように何かを乞い始めた。すると、ぽつりぽつりと雨粒が降り始め、やがて車軸を流すような雨が降る。
「凄い、雨ですね。でも、雨天状態にして、どう本気を出すんですか?」
「見てれば分かるよ。スワンナ、暴風!」
スワンナは、翼を大きく羽ばたかせる。
フキヨセジム戦、中盤終了しました。いきなりですが話変わって、最近更新が滞り気味です。なんだか創作意欲が萎えてきてしまいましたが、僕と僕の書く小説を応援してくださる読者様がいる限り遅れようと書き続けます!……すません、自意識過剰な上に暑苦しいですよね、忘れてください。では次回予告。次回はフキヨセジム戦決着です。雨天状態とスワンナのあの大技とのコンボをお楽しみに。