二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 69章 根性 十八番 挑発 ( No.136 )
- 日時: 2011/05/19 22:36
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「ワシボン……突っ込め!」
ワシボンはオーバーヒートによる業火を放つランプラーに向かって、突撃した。
「連続でエアスラッシュ!」
ワシボンは走りながら業火に向かって空気の刃を放つが、一時的に弱めることは出来ても、炎自体を消すことは出来ない。
「無謀にもほどがある。オーバーヒートは炎タイプの技の中でも、一際強力な技。それに向かっていくなんて、馬鹿としか思えない」
反論したくなるような口ぶりだが、実際はその通りである。山火事でも起こせそうなほどの火力を持つオーバーヒート。それは多少弱めたところで、どうこうなるものではない。ないのだが
「飛べワシボン! シャドークロー!」
炎と接触する寸前に、ワシボンは大きく跳躍して炎を避ける。そして、上空から影の爪でランプラーを切り裂く。
「ランプラー!」
予想外の弱点を突く攻撃で、ランプラーは戦闘不能となった。
「よくやった、ワシボン……!」
ランプラーが倒れた直後、ワシボンも地面に倒れ伏した。
「疲労やダメージが溜まってたところに、オーバーヒートの熱気を浴びて、やられたのか。戻ってくれ、ワシボン。ゆっくり休むんだ」
イリスはワシボンをボールに戻す。ザキもまた、戦闘不能になったランプラーを戻す。
「これでお互いに残り2体ですね」
「……そうだな。出て来い、シュバルゴ!」
「出て来てくれ、ズルッグ!」
ザキが繰り出すのは、騎兵ポケモンのシュバルゴ。図鑑には高速で飛び回るとか書いてあるが、実際はかなり遅いインチキポケモンだ。
「ズルッグ、頭突き!」
ズルッグは頭を突き出しながらシュバルゴに向かって突っ込んでいく。
「シュバルゴ、アイアンヘッド」
それに対しシュバルゴも頭を突き出して突っ込むが、明らかにシュバルゴの方が強力そうだ。
「ズルッグ!」
案の定、ズルッグはシュバルゴのアイアンヘッドで吹っ飛ばされた。
「休ませるな、ダブルニードル!」
さらにシュバルゴは両手の槍の様なものでズルッグを突き刺す。それも2回。
「カウンター!」
しかしここでズルッグの十八番、カウンターが使用される。ダブルニードルによるダメージはそこまで大きくないが、カウンターで倍増させてあるので、シュバルゴはかなり食らっただろう。
「くっ、影分身!」
シュバルゴは影で分身を作り出し、ズルッグを惑わせる。
「アイアンヘッド!」
影分身でズルッグを包囲し、全方位からのアイアンヘッドを放つ。
「ズルッグ、地面に炎のパンチを叩き込め!」
一瞬疑問符を浮かべたが、すぐに炎の拳を作り、地面に振り下ろすズルッグ。そして
「な!?」
ズルッグの周りには火柱が立っていた。まるで、ベルのチャオブーが使う炎の誓のように。
「シュバルゴ!」
ちなみに今の火柱によってシュバルゴの分身は全て消え、本体もダメージを受けた。
「今だ。炎のパンチ!」
そしてズルッグは、影分身がいなくなってどこにいるかが明白になったシュバルゴに、炎の拳を叩き込む。
「!」
シュバルゴは虫・鋼タイプ。炎タイプの技は4倍となる。いくら防御に優れているとはいっても、普通は戦闘不能になる。普通はの話だが。
「!」
今度の「!」はザキではなくイリスだった。なんと、シュバルゴが立ち上がったのだ。
「シュバルゴ、カウンター」
そして、先ほど受けたダメージを倍増させ、ズルッグに叩き込む。威力が4倍に膨れ上がった炎のパンチを、さらに2倍。合計8倍増の炎のパンチとどう威力のダメージを、ズルッグは受けた。
勿論、戦闘不能だ。
「ぐぅ……戻れ、ズルッグ」
「おいおい。どうした? お前の力はこんなもんか?」
なにやら挑発的にザキは言うが、この状況は決してイリスが不利なわけではない。確かにイリスは残り1体だが、シュバルゴはもうほとんど瀕死状態で、実質ザキの手持ちも残り1体。優勢も劣勢もない。
「じゃあ、最後はこいつかな。出て来い、フタチマル!」
イリスは最後のポケモン、フタチマルを繰り出す。
「水タイプか。この湿地は水タイプのポケモンにとっては、ちっとばかし有利な地形だ」
「いや、そういうつもりではないんですが……」
最後だからエースを使う。というイリス主義だ。
「それじゃ、いくぞ。シュバルゴ、影分身!」
シュバルゴは余力を全て影分身に使う。どうやら攻撃ではなく、疲労が目的らしい。
「結構やらしい戦法ですね。フタチマル、水の誓!」
フタチマルは水柱を次々と上げ、シュバルゴの分身を消していく。
「そこだ。シェルブレード!」
まだ十数体ほど残っている分身の中から、直感で本物を探し当てたフタチマルは、シェルブレードで実体を切り裂く。
「くっ、戻れシュバルゴ」
「これで1対1、サシの勝負ですね」
イリスもやや挑発的に言う。さっきの意趣返しのつもりらしい。
「……いいだろう。出て来い、ペンドラー!」
ザキは最後のポケモン。メガムカデポケモンのペンドラーを繰り出した。
イリス対ザキのバトル、今回分も終わりました。なにやらザキは強力なポケモンばかり持っているように見えますが、結構やられています。イリスは進化系がフタチマルしかいないのに。さて、次回予告。はする必要もないとは思いますが、一応。次回はイリス対ザキ、決着です。お楽しみに。