二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 番外編 四季の川 前編 ( No.143 )
- 日時: 2011/05/24 23:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
四季の川。季節研究所やフキヨセ洞穴、電気石の洞穴。そして個人で言えば、リオの実家のすぐ隣に流れる川である。
何故四季の川というかというと、単純にこの辺りにシキジカが多く生息しているからである。
この川は場所によって流れが急な場所と、流れが緩やかな場所があり、子供なんかが下手に近づけば溺れることもある。なにせ前例があるのだから。
PDOホドモエ支部統括のミナアキは、季節研究所にいた。プラズマ団が現れたのだ。
「投降しろ。もうお前達に勝ち目はない」
ミナアキは通報を受けてから迅速かつ単独で研究所に向かい、ポケモンを強奪しようとしていたプラズマ団を叩きのめして、投降を促す。
「誰がするか! ホイーガ、ハードローラー!」
「ケンホロウ、風起こし」
ホイーガが高速回転して突っ込んでくるのにも関わらず、風起こしという低級技で吹き飛ばすケンホロウ。
「まだやるのか?」
「ぐぅ……」
もはや何も言えなくなったプラズマ団。とその時
「ああ、やってやるよ」
ミナアキの後方から声がして、振り返ってみるとそこには新たに数名のプラズマ団が来ていた。どうやら援軍らしい。
「行くぞ、ギガイアス!」
プラズマ団の下っ端はギガイアスを繰り出した。
「ギガイアス、ストーンエッジ!」
ギガイアスは無数の尖った岩をケンホロウに放つ。
「ケンホロウ!」
ストーンエッジの直撃を受けたケンホロウは、戦闘不能になった。
「戻ってくれ、ケンホロウ。……出て来い、ガマゲロゲ!」
ガマゲロゲは水・地面タイプのポケモン。岩タイプのギガイアスとは相性が良い。
「水の波動!」
ガマゲロゲはギガイアスに水の波動を放つ。ギガイアスは防御は高いが特防は低い。そのため、効果抜群かつ特殊攻撃の水の波動を受ければ、戦闘不能にもなりそうなもだが、ならなかった。
「頑丈……か」
「そうだ。ギガイアスの特性は頑丈。体力が満タンであれば、一撃で決められるはずの攻撃を耐え切ることができ、一撃必殺の技が効かない特性」
プラズマ団はペラペラと喋りだす。お喋りなのだろうか。
「ガマゲロゲ、体当たり!」
「そうはさせねえぜ。ギガイアス、地ならし!」
ガマゲロゲはその巨体を活かしての体当たりをするが、ギガイアスの地ならしによって防がれてしまう。
「ストーンエッジ!」
そして尖った岩を無数に当てられる。幸い効果はいまひとつなので、大きなダメージはうけなかったが。
「ギガイアス、ステルスロックだ」
ギガイアスは、体からストーンエッジとは違う尖った岩をフィールドに向けて撃ち出した。
「! ステルスロック……!」
「もちろん知ってるよな、ステルスロックの効果は」
プラズマ団は挑発するように言う。
「……ポケモンを入れ替えれば、鋭利な岩が体に突き刺さる設置技。まさかそんな技を覚えているとはな……」
「驚いたろ? そんで、思考が一瞬でもバトルから逸れたろ?」
「? 何を言って——」
ミナアキがそこまで言うと、ギガイアスの体が光り、光線を放ってきた。
「ガマゲロゲ!」
ガマゲロゲはその光線の直撃を受け、吹っ飛ばされた。
「今のは……ソーラービームか……?」
「そうだ。お前がステルスロックに気を取られている隙に、エネルギーを溜めておいたんだ」
どうやらそういうことらしい。
「……戻れ、ガマゲロゲ」
ミナアキはガマゲロゲをボールに戻し、次のポケモンを出そうとする。しかし、その前に口を開いた。
「一応聞かせてもらいたいんだが、何故お前達はこの季節研究所を狙う」
間を持たせるためか、ミナアキはそんなことを聞く。
「ああ? 拠点作りだよ。ここは近くに山やら洞穴やらがあって、拠点を作るのに適している。拠点というか、正確には兵器開発局を作ろうと思ってんだ。ここに流れる川を使ってな。まあ、水質汚濁やらの公害は起こるだろうけどな」
プラズマ団はやはりペラペラと喋る。しかし、それは余裕だからだ。プラズマ団の残り手持ちは、ギガイアスを除いて恐らく2体。対するミナアキは残り一体。どう考えてもプラズマ団の方が有利だ。
「……そうか。それは絶対に阻止しなくてはな。出て来い、ゾロアーク!」
ミナアキは最後のポケモン、ゾロアークを出す。ゾロアークはいかにも強靭そうな体に、凄まじい気迫を放っている。しかし
「……ステルスロック、か」
鋭利な岩がゾロアークに突き刺さる。大きなダメージではないが、それでも傷を負ったのは確かだ。
「ステルスロックだけじゃなく、こっちの岩も食らいな。ストーンエッジ!」
ギガイアスは無数の尖った岩を放つ。それに対しゾロアークは
「ゾロアーク、バークアウト」
けたたましい叫び声を上げ、飛来する岩を全て粉砕した。物凄い威力だ。
「ゾロアーク、差し押さえ」
そして俊敏な動きでギガイアスに接近し、差し押さえる。
「そのギガイアスは先制の爪を持っている。だから時折溜めを短縮するような動きを見せる。しかし、こうして差し押さえればそうもいかないだろう」
ミナアキは冷静に言う。
「いけ、ゾロアーク。悪の波動」
ゾロアークは至近距離からの悪の波動を、ギガイアスにお見舞いした。
「ちぃ、戻れギガイアス」
プラズマ団は戦闘不能になったギガイアスを戻す。
「次はこいつだ。出て来い、ワルビル!」
そして次のポケモンを繰り出す。
ついに来ましたミナアキの番外編。今作で番外も4つ目となりました。今回はいきなしミナアキがピンチですが、次回では逆転できるのか!?と、いった感じです。では次回をお楽しみに。