二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 8章 シッポウジム戦 VSアロエ ( No.15 )
- 日時: 2011/04/08 20:23
- 名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/BUENOSUAIRESU
先日の博物館荒らし事件も解決し、ジムに挑戦できるようになったイリスは、シッポウジムに訪れていた。
「さあ、入って」
イリスは、シッポウジムジムリーダーのアロエに誘導され、1つの部屋に入った。
「うわあ……凄い本の量……」
「この博物館の書庫には、イッシュの歴史書、辞典、小説、全てが保管されているのさ」
「うわあ……」
イリスは周りの本を見て、目を光らせている。
「アンタ、本はすきかい?」
「はい、とっても!特に、四天王シキミさんの書いた本が大好きです!」
「なるほどね。だから、ゴーストタイプが好きなのか」
「はい!」
いつになくハイテンションなイリスだった。
「さてと。イリス、ジム戦の前に、ここの本を読んで勉強してみないか?」
「はい!是非とも!」
アロエはその食いつきっぷりにか、少し驚いていたが、すぐに気を取り直して違う場所の本棚に移動していった。
「そうだねえ……この本なんてお勧めだよ」
そう言って、読む気が失せるような分厚い本の背を軽く叩いた。
「この本ですか?」
筋トレに使えそうなくらい分厚い本を、微塵の躊躇もなく手に取る。すると
「!?」
カチ、という音がして、本棚が動き始めた。その本棚の下には、地下へと繋がる階段があった。どうやらこの本か本棚に何か仕掛けをしていたらしい。
「こ、これは……?」
「アッハッハ、なかなか珍しいねえ、アンタみたいなタイプは」
「? どういうことですか?」
「アタシは、このジムに挑戦しに来るチャレンジャー全員に、この本を勧めるんだ。すると、大抵の奴は、アタシの言うことを成すことを深読みして、違う本を読む。バトルフィールドに向かう道から遠回りしちまうのさ」
「はあ……」
よく分からないが、どうやら自分は試されていたらしい。とだけ理解するイリス。
「アンタは今まで見たことないタイプだよ。よく考えているようで、何も考えていない。作戦を立ててるように見えて、無策で挑んでくる。それこそが作戦、みたいな感じだね。行き当たりばったりで、危なっかしい。故に、読みにくく攻略し難い」
「?」
言っている意味がよく分からない。
「まあ、とにかく来な。この下がバトルフィールドだよ」
地下の階段を下りると、広いバトルフィールドがあった。
「それでは、ジム戦を始めますので、両者定位置に着いてください」
今まで話さなかったが、審判役のこの人はキダチといって、アロエの夫でシッポウ博物館の副館長をしているらしい。実はずっと一緒にいた。
「それじゃあ、まずアタシからポケモンを見せようじゃないか。出てきな、ハーデリア!」
アロエが繰り出したのはヨーテリーの進化系のハーデリア。
「ハーデリアか……出て来い、ミジュマル!」
イリスの先発はミジュマル。
「それでは、シッポウジムジム戦を始めます。使用ポケモンは2体。どちらかのポケモンが全て戦闘不能になった時点でバトル終了です。それではバトル開始!」
「行きなハーデリア、噛み付く!」
バトル開始早々、ハーデリアが動いた。
「ミジュマル、シェルブレードで迎え撃て!」
ミジュマルはハーデリアの噛み付くをかわし、シェルブレードで切り裂いた。
「やるねえ、アンタ。ならこれだ。ハーデリア、10万ボルト!」
「ミジュマル、ホタチで防御だ!」
ハーデリアの10万ボルトを、ホタチで完全に防御した。
「へえ、なかなか面白いホタチの使い方じゃないか。……ハーデリア、突進!」
突如、ハーデリアが猛スピードで駆け出し、突っ込んで来た。
「これは避けきれないな……ミジュマル、ホタチで防御!」
ミジュマルはホタチを構え、突進を受け止めようとするが
「!? ミジュマル!」
敢え無く吹っ飛ばされてしまった。
「そのホタチでの防御は確かに優れているけど、万能じゃない。10万ボルトみたいな遠距離からの攻撃ならともかく、近距離攻撃、それも、突進のような全体重を乗せての攻撃は、攻撃自体は防御できても、衝撃までは防御できないよ!」
「衝撃……」
「さあ、少し早いけど決めるよ。ハーデリア、ギガインパクト!」
ハーデリアは、全身の力をフルに使い、こちらに向かって突っ込んでくる。
「ギガインパクトは、威力も、速度も、重量も、そして衝撃も、突進の比じゃないよ」
迫り来るハーデリアを見て、イリスはミジュマルに指示を出す。
「ミジュマル、ホタチを構えろ!」
「無駄だって言ってるだろ。そのホタチじゃ、ハーデリアは止められないよ!」
ハーデリアが、ミジュマルに向かって来る。ミジュマルに接触するまであと1歩というところで、ミジュマルが動いた。
「ミジュマル、ギガインパクトを受け流せ!」
ミジュマルはホタチを器用に使い、ハーデリアのギガインパクトを受け流した。
「シェルブレード!」
そして、攻撃を受け流されたハーデリアは無防備で、シェルブレードが急所に決まり、戦闘不能になった。
「やるじゃないか、アタシのハーデリアのギガインパクトをあんな方法で回避するなんて。でも、次はこうは行かないよ。さあ、出て来な、アタシのエースポケモン——」
今回はシッポウジム。アロエさんのトレーナー試しが炸裂(?)しました。次回はシッポウジムジム戦の後編。アロエさんのエースポケモンが登場します。お楽しみに。