二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 79章 単体戦最強の龍 ( No.153 )
日時: 2011/05/29 22:33
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「クリムガン、気合玉だ」
クリムガンは気合を込めた玉を発射する。
「ホタチで弾き返せ!」
しかしフタチマルは持ち前のホタチで気合玉を弾く。
「水の誓いだ!」
そして水柱を作り、クリムガンの移動を制限する。
「シェルブレード!」
最後にフタチマルはクリムガンに接近し、シェルブレードを放つ。
「クリムガン、ポイズンテール」
しかしクリムガンの反射神経はかなりのもので、フタチマルが接近してすぐ、体を捻り、その尻尾をフタチマルの体躯に叩きつける。それも、猛毒付きで。
「フタチマル、大丈夫か?」
大きく後退したフタチマルは、力強く頷く。幸い今のポイズンテールは決まりが浅く、毒状態にもならなかった。
「よし。フタチマル、ハイドロポンプ!」
フタチマルは大きく息を吸い込み、超高圧の水流を放つ。
「クリムガン、龍の怒り」
対するクリムガンは、口からエネルギーを凝縮して作り出した龍を放つ。水流と龍がぶつかり合い、互いにせめぎ合う。結果、ハイドロポンプが龍の怒りに飲み込まれ、フタチマルも攻撃を受ける。
「フタチマル、水の誓いだ!」
水の誓いはフタチマルが使える技の中で唯一視界が遮られていても使える技。狙って使うか、アトランダムに水柱を作り出すかを選ぶことが出来るのだ。
「ふん。その程度じゃ、俺のクリムガンを倒すことは出来んぞ」
水柱はクリムガンに当たったが、如何せんタイプ相性が悪いため、大した威力にはならなかった。
「クリムガン、ドラゴンクロー」
クリムガンは意外と素早い動きでフタチマルに接近し、龍の力を込めた爪で切り裂く。
「フタチマル、シェルブレード!」
しかしフタチマルも負けず劣らずのシェルブレードで迎え撃つ。クリムガンの爪とフタチマルのホタチがまさに鍔迫り合いになり、火花を散らしている。
「クリムガン、ポイズンテール」
突如クリムガンは後に後退し、その場で体を回転させる。体の動きに連動して、クリムガンの尻尾も動くが、その尻尾はただ動くのではなく、毒を帯びていて、しかもフタチマルを狙っている。
「! 避けろ、フタチマル!」
フタチマルは後に下がり、間一髪のところでそのポイズンテールをかわしたが、尻尾の先がホタチを掠め、そのまま弾いてしまった。ホタチはカラカラという音をたてながら床を滑っていく。かなり遠くに弾かれたので、このバトルでの回収は無理だろう。
「さて、イリスよ。貴様のフタチマルはホタチを片方失った。フタチマルにとってホタチを失くすというのは、その力を半減させることに等しい。それでも、やるか?」
インディは挑発的、否、威圧的に言う。
「…………」
対するイリスは黙りこくってしまう。
「……まあ、どちらでも良い。俺がお前の消すことには変わりないからな。クリムガン、ドラゴンクロー」
インディがそう言うと、クリムガンは爪に龍の力を込め、フタチマルを切り裂きに掛かる。
「……別に、ホタチは1つでもやっていける。フタチマル、シェルブレード!」
フタチマルはホタチ1つでシェルブレードを放つ。
「無駄な足掻きだ」
クリムガンのドラゴンクローはホタチに防がれてしまったが、それは片手だけ。クリムガンはもう片方の手の爪でフタチマルを切り裂く。
「クリムガン、龍の怒り」
そして続けざまに龍の怒りを放ち、フタチマルを壁際まで押しやる。
「まだだ。フタチマル、シェルブレード!」
フタチマルはホタチを構え、クリムガンに突っ込んでいくが
「無駄だと言っているだろう。クリムガン、ポイズンテール」
クリムガンのポイズンテールにより、フタチマルのホタチはまたも遠くに弾かれてしまう。
「さあ、これでそのフタチマルのホタチはなくなった。もうこちらの技を防ぐ術はない。クリムガン、気合玉」
防御されないと分かるや否や、クリムガンは気合玉をフタチマルに放つ。
「ぐぅ……フタチマル……」
「まだだ、龍の怒り」
クリムガンはさらにエネルギーを圧縮して作った龍で、フタチマルを飲み込む。
「止めだ、ドラゴンクロー」
クリムガンの猛攻は続き、龍の力が流れ込んだ爪で、フタチマルを切り裂く。しかし
「フタチマル、冷凍ビーム」
フタチマルは接近してきたクリムガンに、凍るような光線を発射する。光線の直撃を食らったクリムガンは、体が凍り付いていき、やがて氷に覆われる。
「なに!? 冷凍ビームを覚えていたのか!」
「まあね。といっても、まだまだ不安定で、ある程度距離が離れてたら、きっとかわされてた。だからクリムガンが無防備に突っ込んでくる時を待ってたんだ」
イリスはそう説明する。ちなみにクリムガンは戦闘不能だ。ドラゴンタイプの数少ない弱点、氷タイプの技の直撃を受けたのだから。
「……良かろう。俺の負けだ。煮るなり焼くなり落とすなり、好きにしろ」
「いやいや、別にそいうのじゃないだろ、今までのは。というかあんたちょっと古風じゃないか? 口調とか態度とか——」
『バリバリバリッシュ!』
イリスの言葉の途中、閃光とともにそんな鳴き声が聞こえてきた。それもかなり近い。恐らくこの上だ。
「N様、ゼクロムの復活が終わったのか……イリスよ。俺はもうここにいる意味がなくなった。この先に進みたいのなら、好きにするがいい」
「最初からそのつもりだよ」
そう言ってイリスは階段に向けて駆け出す。
「この先に行くなら気をつけよ。下手したら、命が危うい」
インディはイリスとのすれ違い様、誰にも聞こえないくらい小さく、呟いた。



イリス対インディ、ついに終了です。勿論勝ったのはイリスでしたね。まあ、負けたらイベントが発生しないから当然なんですが。さて次回は、ついにゼクロムの登場です。お楽しみに。