二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 81章 古代の城 門番 ( No.159 )
- 日時: 2011/05/30 23:40
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
古代の城。砂嵐吹き荒れる4番道路の奥地、リゾートデザートの中央に位置する大昔の遺跡。今はもう砂に埋もれてしまっていて、フロアのところどころには流砂が存在して非常に危険な場所だ。ある一説には、この遺跡には太陽と呼ばれるポケモンが封印されているらしい。
「ここが古代の遺跡ですか」
砂嵐が吹き荒れる中、イリスの呟きは簡単にかき消されてしまうが、一応聞こえたらしいアデクが口を開く。
「ああ、そうだ。砂に埋もれて見え難いがな」
「本当に、ここにライトストーンがあるんですか?」
「分からん。だが、可能性としては高いだろう」
「まあ、他にアテもありませんし、依存はないです」
「イリス、アデクさん。こんな砂嵐が吹いてるところで話してないで、早く行きましょう」
現在イリス、ミキ、チェレン、アデクの4人は、リゾートデザートの中央部、古代の城前に来ていた。
これまでの経緯をざっと説明すると、龍螺旋の塔での戦いを終えたイリスたちの下に現れたアデクは、ライトストーンがどこにあるかという話を聞き「心当たりがある。古代の城に行くぞ」と言って、現在に至る。
「それじゃあ、行きます——」
イリスが足を踏み出した途端、足元に炎が発射された。
「うわっ!」
慌てて後退するイリス。そして前方には
「やっぱり来たか、英雄諸君」
赤い髪に学ランのように改造されたプラズマ団の制服を着た男、レドが立っていた。
「悪いが、今プラズマ団はこの城を調査中だ。入りたいなら調査が終わるまで待つか、俺を倒してから行きな」
ビシッとポーズを決めて言うレド。とりあえず全員それをスルーして、口を開く。
「別に立ち塞がるのは構わないけど、僕ら4人に対して、1人ってのは、いささか自信過剰じゃないか?」
「おいおい、聞き捨てならねえ言葉が聞こえたぜ? 別に俺は1人でお前らを倒せるなんて思ってねえよ。それに、1人ではあるが、複数でもある」
「? 何言って——」
イリスが底まで言うと、突如地面から赤い何かが飛び出してきた。
「!? これは、ヒヒダルマ……!?」
そう。地面から出てきたのは、何十というヒヒダルマの大群だった。
「このリゾートデザートを見守っていたと言われているヒヒダルマを、俺たちが起こして従えたんだ。流石のお前らでも、この数のヒヒダルマを相手にするのはキツイんじゃないか?」
ニヤニヤと勝ち誇ったような顔をするレド。腹が立つが、正直子の状況はヤバイ。多勢に無勢とはよく言ったものだ。と、イリスが思っている矢先、助け舟は現れた。
「オノノクス、ダブルチョップ!」
「ワルビル、地ならし!」
地震と間違うような揺れと、強烈な手刀により、ヒヒダルマ数体が倒れた。
「誰だ!?」
レドは焦ったように前方に目を凝らす。そこには
「救援に参りました、PDOヒウン支部の——」
「そーゆー堅苦しいのいらないから。助けに来たってことだけ伝えれば十分でしょ」
「いや、僕の見せ場、少ないから少しでも頂戴よ……」
PDOヒウン支部統括リオと、統括補佐キリハだった。
「リオさん、キリハさん! 何故ここに?」
「アララギ博士(父)に頼まれて来たんだ。一応ここはヒウン領だしね」
「それに、仲間のピンチに駆けつけない私たちじゃないしね」
そう言って、リオとキリハはレドを見据える。
「ちぃ、邪魔が増えたか。だがそれでも、この数のヒヒダルマを倒し切れはしない」
レドは豪語するが、それもスルー。
「……イリスよ、ここはわしと、PDOの2人に任せて、行くのだ」
「アデクさん、でも……」
「案ずる事はない。仮にも現イッシュ最強と前イッシュ最強がいるのだぞ? この程度ではやられはせん」
「……はい、分かりました。それではここはお任せします」
イリスはそう言い残すと、ミキ、チェレンと共に古代の城入口に向かって走り出した。
「逃がすな、出て来いナットレイ!」
「追わせぬよ。出でよメラルバ、火炎放射!」
レドの繰り出すナットレイに対し、アデクは松明ポケモンのメラルバで応戦する。
「あれ? そういえば前イッシュ最強って……?」
階段を駆け下りながら、イリスはそんなことを思うのだった。
「アデクさん。今の発言、ちょっと危ないですよ」
「うん? ああ、そういえばお主はわしに勝った事を隠しているのだったな。まあよいではないか。自分の名誉を自慢するのはなにも悪いことではない」
「自慢するほどのことじゃないですよ。それに騒がれるのは好きじゃないんです」
「そこのお2人さん。何の話か知らないけど、そろそろこっちのバトルに移らないと」
「っと、そうね。それじゃあ行くよ、オノノクス」
こうして、古代の城門番。レド+ヒヒダルマの大群対アデク&リオ&キリハの戦いが始まったのだ。
来ましたリゾートデザート。来ました古代の城。と言っても、僕個人としては、この時の古代の城はあんまり好きじゃないんですよね。まあ僕の好みは置いといて、次回予告です。次回はプラズマ団幹部が目白押し、というほど出るかどうか、お楽しみに。