二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 9章 策略謀略戦略 ( No.16 )
日時: 2011/04/08 22:27
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

「さあ、出て来な、アタシのエースポケモン。ミルホッグ!」
シッポウジムジムリーダー、アロエのエースポケモンは、ミネズミの進化系、ミルホッグだった。
「ミルホッグか。でも、ハーデリアを打倒したミジュマルだ。きっとやってくれる。ミジュマル、シェルブ——」
「ミルホッグ、仇討ちだ」
イリスがミジュマルに指示を出すよりも速く、ミルホッグは動き、ミジュマルを攻撃した。
「仇討ち……!?」
「仇討ちっていうのはね、事前に味方のポケモンがやられている場合、威力が倍増する技だよ」
「くっ……戻れ、ミジュマル」
「さて、次はどんなポケモンを見せてくれるのかねえ」
とか言いつつも、アロエは次にイリスの出すポケモンが何か、大体分かっていた。
「次はこいつだ。出て来い、デスマス!」
イリスの2番手はデスマス。ノーマルタイプのミルホッグに対しては、防御面なら有利だと思い、選んだ。
「やっぱりデスマスか。思った通りだよ。大方、アタシがノーマルタイプ使いだと知って、ノーマル技が効かないデスマスを出したんだろうけど、残念だが浅はかだね。確かにノーマルタイプの技はゴーストタイプには効かないけど、逆もまた然り。ノーマルタイプには、ゴースト技は効かない。それに——」
アロエは少し間をあけて、言葉を続ける。
「使ってくるポケモンが分かれば、いくらでも対策のしようはあるってもんさ」
アロエは不敵に笑うと、バトルを続行させる。
「さあ、お喋りはここまでだ。ミルホッグ、アイアンテール!」
ミルホッグは、尻尾を鋼鉄のように硬化させ、それをデスマスに叩きつける。
「耐えろデスマス!しっぺ返し!」
アイアンテールを耐え切ったデスマスは、手に力を溜め、ミルホッグに打ちつけた。
「ミルホッグを休ませるな!鬼火!」
デスマスは青白い火の玉をミルホッグ目掛けて放つ。
「ミルホッグ、火炎放射だよ!」
デスマスの鬼火は、ミルホッグの火炎放射に消されてしまった。
「鬼火と火炎放射とじゃ、火力が違うよ。ミルホッグ、アイアンテール!」
「避けろデスマス!」
今度のアイアンテールは回避した。
「ミルホッグからは逃げ切れやしないよ!噛み砕く」
噛み付くなんて生易しいものではなく、ミルホッグはデスマスを噛み砕く勢いで歯を食い込ませた。
デスマスはゴーストタイプ。悪タイプの噛み砕くは効果抜群で、かなりのダメージを負った。
「デスマス!」
「言ったろう。対策のしようはあるって。アタシがノーマルタイプ使いだなんて、すぐに分かるさ。人に聞いてもいいし、うちの書庫で調べてもいい。だから、防御に趣をおいてバトルするトレーナーは、大抵ゴーストタイプを使う。言っとくが、アタシは初戦に限って、ゴーストタイプを使うトレーナーに負けたことはない」
「…………」
イリスは、俯いている。そして、顔を上げる。
「だったら、その1人目が僕です!」
「……!勇ましいねえ。でも、そのデスマスだって結構なダメージだろう? そう長くはもたないよ。ミルホッグ、火炎放射!」
「デスマス、サイコキネシス!」
サイコキネシスによって、火炎放射が止まり、打ち消される。
「さらにもう一度。サイコキネシス!」
今度は普通に念動力のみでの攻撃だった。
「周りの空気を押し固めて、それをサイコキネシスで動かし、打ち当てる。止めたり浮かしたりするだけがサイコキネシスじゃありません!」
「本当に面白いねえ、アンタのポケモンは。久々に燃えてきたよ。ミルホッグ、アイアンテール!」
「デスマス、鬼火だ!」
ミルホッグのアイアンテールを、鬼火で防御する。
「そろそろ決めさせてもらうよ。ミルホッグ、噛み砕く!」
と、ミルホッグがデスマスを噛み砕こうと0距離まで接近しようとすると、ずっこけた。
「な!? え?」
アロエはらしくもなくいきなりのミルホッグの奇行に混乱し、困惑している。
「大成功、ですね」
「な、こ、これは……!」
ミルホッグの足には、草が絡まっていた。
「草結びとは……ミルホッグにやるような技じゃないよ」
「だからこそです。ミルホッグが噛み砕くを覚えているだろうと思っていましたから、接近されたら、草結びしようと思ったんですけど。1回目は失敗しちゃいました」
「……アタシ相手に、裏の裏をかき、盲点を突くとはね……やってくれるじゃないか……!」
「益々燃えているとこ悪いですが、もう終わりです。デスマス、草結び。そして鬼火だ」
デスマスはさらに草をミルホッグの全身に絡ませ、鬼火で焼いた。
「ミルホッグ!」
炎が燃え尽きると、ミルホッグは戦闘不能になっていた。
「ミルホッグ戦闘不能、デスマスの勝ち。よってこの勝負、挑戦者イリスの勝ちです!」

「全く、惚れ惚れするような戦いっぷりだね」
勝敗が決すると、アロエはミルホッグをボールに戻し、こちらに歩いてきた。
「そしてそのポケモンの知識、こちらの戦術を読み取る推理力、的確な判断を咄嗟に出す決断力。どれをとっても満点。このベーシックバッジを受け取るのに相応しいトレーナーだよ、アンタは」
そう言って、バッジを渡してきた。イリスは、それを受け取る。
「はい、ありがとうございました」
「次はヒウンジムに向かうといいよ。ここから1番近いジムだ」
「では、そうさせて——」
イリスが最後まで言い切る前に、勝負がつくなりサッサとどっか行ってしまったキダチが、慌てたように入ってくる。
「ママ、大変だ!プラズマ団とかいう連中が、ドラゴンの骨を頂くって」
「何だって!?」



ついに終わりました、シッポウジム。次回はヤグルマの森でプラズマ団と戦います。新キャラでるかも?では、お楽しみに。