二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 82章 古代の城 番兵 ( No.162 )
- 日時: 2011/05/31 21:22
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
古代の城の内部には、夥しい数のプラズマ団がいた。
「正直、ここまでいるとは思ってなかったな……」
イリスの顔が少し青ざめている。
「イリス、そう落胆するな。あのレドとかいう奴は、ここに調査のために来ていると言っていた。ということは、ここにいる奴らのほとんどは非戦闘員。そうじゃなくても、強い奴らはほんどいないと思う。門番に幹部を置いているくらいだしね」
チェレンは冷静に言う。確かにその通りだと、イリスとミキは思った。
「それじゃあ、一気にここを突っ切っていく?」
「そうしよう」
そういうな否や、3人は走り出した。
「侵入者だ!」
「捕らえろ!」
プラズマ団たちのそんな喧騒が聞こえてくるが、気にしない。
「行け、シビシラス!」
「出て来い、ユニラン!」
プラズマ団を無視していると、ついにポケモンまで出してきた。
「邪魔だ。出て来いデスマス、怪しい風」
イリスもデスマスを出し、怪しい風で一掃する。さらにプラズマ団たちの目晦ましにもなる。
「さあ、急ごう!」
言ってイリスたちは、走る速度を上げて駆けて行くのだった。
最悪な展開だった。
「まさかこんな所で出会うとは。久しぶりだね、英雄さん」
「まさかこんな所で出会うとは。久しぶりね、英雄さん」
古代の城の奥には、プラズマ団幹部がまだいたのだ。
ルー&リン。青色の髪に燕尾服のように改造されたプラズマ団の制服を着た少年、ルー。緑色の髪にドレスのように改造されたプラズマ団の制服を着た少女、リン。
「……ついてないな。幹部と鉢合わせになるなんて」
イリスはぼやくが、そんなことで何かを解決できるわけでもない。
「さて、僕らは君達を足止めする義務がある。悪いけどここは通さないよ。ツンベアー!」
「さて、私らはあなたたちを足止めする義務がある。悪いけど、ここは通さないわ。モロバレル!」
ルーはツンベアー、リンはモロバレルをそれぞれ繰り出す。
「よし、それじゃ——」
僕が相手になるよ。とイリスが言いかけたところで
「私たちが」
「相手になるよ」
ミキとチェレンが割り込んできた。
「ちょ、え!? 2人とも!?」
イリスは何か言おうとするが、チェレンに手で制される。
「こいつらは恐らく番兵だ。だったら君は先に進んで、ここを仕切ってる奴を倒したほうがいい。なに、大丈夫だよ。僕らはやられたりはしないから」
チェレンは諭すように言う。
「……分かった。それじゃあ、ここは2人に任せる」
そう言い残して、イリスは下に続く階段へと向かう。
「随分と簡単に行かせてくれたね」
「実を言うと、彼と戦いたがっている人がいるんだ。だから通したの」
「実を言うと、彼と戦いたがっている人がいるの。だから通したの」
「ふうん。誰だか知らないけど、結構な自信だね。イリスの実力はその身を持って知っているだろう?」
「勿論知ってるよ。でも、僕らの力はバイオじーちゃんに次いでワースト2なんだ」
「勿論知ってるわ。でも、私らの力はバイオじーちゃんに次いでワースト2なのよ」
「そして彼を待っているのは、プラズマ団7幹部最強の男。いくら英雄でも、絶対に勝てるという保障はないよ」
「そして彼を待っているのは、プラズマ団7幹部最強の男。いくら英雄でも、絶対に勝てるという保障はないわ」
その頃、古代の城入口では
「オノノクス、瓦割り!」
「ワルビル、噛み砕く!」
「メラルバ、火炎放射!」
PDOヒウン支部トップ2&イッシュチャンピオンが、ヒヒダルマの軍勢を駆除していた。
「倒せど倒せど湧いてくるな、このヒヒダルマ」
「一体何匹いるのよ」
と言っているうちにも、ヒヒダルマは現れ続ける。
「ははははは! ここに眠っていたヒヒダルマは千とも二千とも言われる。正直俺に何匹いるのか分からないが、それでもこいつらが全滅するより早く、お前らの力が尽きる!」
そう叫ぶレドだが、今彼の手持ちは零。全て瀕死状態になっているのだだから他力本願もいいところである。
「とにかく、倒すまではいかなくとも、足止めくらいはしないとね。もし仮にも僕らがやられれば、イリス君たちの後を追われかねない」
「それもそうだな。では、ゆっくりと戦おうではないか」
いや、正直なところ、あんまりのんびりしていると、数に物を言わせて押し切られる可能性がある。
「のんびりやるだぁ? ハッ、そんな口、一生聞けないようにしてやるよ!」
「言うではないか。もう手持ちがいないというのに」
「な!? それは、お前らが一斉に俺を狙ってきたからだろ!」
「まったく、それくらいでギャーギャー騒いでたら、トレーナーとして生きていけないわよ?」
リオがレドを嗜めるように言う。レドも言い返せなくなったのか。唸っている。
「ええい、ヒヒダルマ! こいつらを速攻火ダルマにしろ!」
最後の最後で、うまいこと言ったレドであった。
古代の城地下5階にて、イリスは冷や汗を流していた。
「久しぶりだな、英雄さんよ。もう一度名乗っといてやるぜ。俺はプラズマ団7幹部が1人、レンジだ。自分で言うのもなんだが、プラズマ団幹部最強だ」
そこには、ヤグルマの森で出会ったプラズマ団幹部。橙色の髪に。軍服のように改造されたプラズマ団の制服を着た男。レンジが立ち塞がっていた。
今回は古代の城その2です。いや、見ればお分かりになるとお思いですが。次回はイリス対レンジのバトルと、ルー&リン対チェレン&ミキのバトルも書こうかと思っています。ではでは、次回もお楽しみに。