二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 86章 巨大なる地震 ( No.166 )
- 日時: 2011/06/02 20:50
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「バルチャイ、ついばむ!」
「ギガイアス、ストーンエッジ!」
「ぐ……フリージオ、溶ける!」
「く……マラカッチ、コットンガード!」
フリージオは溶けるでついばむを外させ、マラカッチはコットンガードでストーンエッジを防ぐ。
「バルチャイ、エアスラッシュ!」
「ギガイアス、パワージェム!」
「フリージオ、回避だ!」
「マラカッチ、回避よ!」
フリージオとマラカッチはそれぞれに繰り出される攻撃を避ける。
ギガイアスが砂嵐を使ったあたりでのルーとリンの思考は『砂嵐状態で防衛主体のバトルになるだろうから、一気に攻め込む』だった。
しかしチェレン、ミキの取った行動は正に真逆。防御どころか、猛烈な勢いで攻め込んできたのだ。これにはルーとリンも驚き、むしろこちらが防衛主体になってしまっているのだ。
「バルチャイ、鋼の翼!」
「ギガイアス、ロックブラスト!」
しかもチェレン、ミキの攻撃は休まることもなく、むしろ勢いづいてきているかのようだった。さらに砂嵐でフリージオとマラカッチはダメージを受けるので、ルー&リンのペアはかなり劣勢だった。
「くぅ、僕らがやられるなんて……」
「うぅ、私らがやられるなんて……」
ルーとリンは呻く。
「バルチャイ、エアスラッシュ!」
「ギガイアス、ストーンエッジ!」
空気の刃がマラカッチを切り裂き、無数の尖った岩がフリージオに突き刺さり、それぞれ戦闘不能となった。
「フリージオ!」
「マラカッチ!」
これでルーとリンの手持ちはもういない。チェレン、ミキの勝利だ。
「頼むぞ、フタチマル!」
イリスはワシボンを戻し、フタチマルを繰り出す。
「ほう、フタチマルか。なかなか鍛えられてるな」
レンジもローブシンをボールに戻しながら、イリスのフタチマルに称賛の言葉を言う。
「……敵に褒められても、嬉しくねえよ」
「ハッ、悲しいねえ。だがいいさ、俺たちは敵同士だから、それが当たり前の反応だろ」
レンジはついに、3体目のポケモンが入ったボールを取り出す。
「さあ出て来い、ワルビアル!」
レンジが繰り出したのは、ワルビルの進化系、威嚇ポケモンのワルビアルだ。だが、通常の固体よりも大きい。ワルビアルの平均の高さは1,5mだが、このワルビアルは2m以上ある。
「……でかいな、そのワルビアル」
イリスはワルビアルを見上げつつ言う。
「まあな。さて、それじゃあ行くぜ。ワルビアル、噛み砕く!」
ワルビアルはその巨体からは考えられないようなスピードでフタチマルに接近し、その大顎で噛み砕こうとする。
「フタチマル、シェルブレード!」
しかし接近戦ではフタチマルの方が小回りが利くので、シェルブレードで簡単に迎撃が出来る。
「やるじゃねえか。ワルビアル、地震だ!」
今度は地面を大きく揺らして攻撃を仕掛けてくる。
「そういう攻撃は僕には効かないよ。フタチマル、水の誓!」
フタチマルは地面から水柱を発生させて、地面をぬかるませようとするが
「え?……うわっ!」
結果だけ言うと、ワルビアルの地震はフタチマルに届き、フタチマルは大きなダメージを受けた。
「な、なんで……?」
イリスが驚愕していると、レンジが口を開く。
「簡単な話だ。フタチマルの水の誓で発生させた水を、ここらの砂が全部吸収したんだよ。何故だかここの砂は吸水性抜群だからな。それで、地面がぬかるまずに地震を起こせたんだ」
レンジはそう説明する。
「水の誓が、通用しないなんて……!」
これはイリスにとっては大きかった。地震というの技はそもそもかわすこと自体が難しいのだ。飛行タイプや特性浮遊を持つポケモンはともかく、大抵のポケモンは地に足をつけているので、地面を伝っての攻撃は非常に避け辛い。ジャンプしてかわすというのも、不可能ではないが、思いのほか難しいのだ。しかしイリスとフタチマルはそれを『地面をぬかるませることで不発させる』という対処法を編み出し、そうやって腹をくくってきた。そのため、地震を避けたりするのがやや不得手なのだ。
「どんどん行くぜ。ワルビアル、ドラゴンクロー!」
ワルビアルは両手の爪に龍の力を集め、それで切り裂きに掛かる。
「避けろ、フタチマル!」
フタチマルはそれを辛うじてかわし、距離を取る。しかし
「逃がさねえぜ、地震!」
ワルビアルが地震を起こし、フタチマルを攻撃する。
「ぐぅ、フタチマル……!」
フタチマルはかなり疲労している。それもそうだ。地震というのは命中率もさることながら、威力も高い。それにワルビアル自体攻撃力が高いので、1発受けるだけでも致命傷だ。フタチマルはそれを2発受けている。
「……フタチマル、冷凍ビーム!」
フタチマルは遠距離から冷気の光線を放つ。
「ハッ、そんなヘボ攻撃、食らうかよ。ワルビアル、焼き尽くす!」
対するワルビアルは口から燃え盛る火炎を吐き出し、冷凍ビームを相殺する。
「これで最後だ。ワルビアル、地震!」
ワルビアルは、大きく地面を揺り動かす。
今回でチェレン&ミキ対ルー&リンのバトル、終結です。なんだか地味というか、サラリと終わってしまいましたが、その辺は作者都合ということにしておいてください……。さて、次回ですが、次回はイリス対レンジ、決着です。それから、イリスがピンチになるかもです。いや、大袈裟でなく。では、お楽しみに。