二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 番外編 Heaven of battle 後編 ( No.169 )
- 日時: 2011/06/04 15:06
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「バイバニラ、氷の息吹」
「ブルンゲル、ハイドロポンプ」
バイバニラの放つ氷の息吹は、超高圧の水流に打ち消され、そのままバイバニラを襲う。
「怯むな、ラスターカノン」
バイバニラは体中の光を一点に集め、それを凝縮した光弾を放つが、ブルンゲルにはあまり効いていないようだ。
それもそのはず、ブルンゲルは特防の高いポケモン。そうでなくとも、水・ゴーストタイプのブルンゲルには、バイバニラの攻撃技は効果の薄いものばかりだ。なので、バイバニラは苦戦を強いられている。
「ブルンゲル、自己再生」
さらにブルンゲルは自己再生で自らの体力を回復するので、尚の事倒しにくい。
そうこうしているうちに、バイバニラの体力が尽き、地面に倒れる。
「戻れ、バイバニラ。……出でよ、ゼブライガ」
インディはブルンゲルと相性の良いゼブライガを繰り出す。
「ゼブライガ、電撃波」
ゼブライガは鬣に電撃を集中し、それをブルンゲルに発射する。ブルンゲルはそれを受けたが、やはり大きなダメージには至らなかったようだ。
「ブルンゲル、鬼火だ」
そしてブルンゲルは青白い火の玉を無数にゼブライガに放つ。
「避けよ、ゼブライガ」
しかしゼブライガは俊敏な動きで鬼火を次々とかわしていく。
「電撃波」
そしてブルンゲルに接近したところで、至近距離からの電撃波を放つ。ブルンゲルは流石にこの攻撃は効いたようだが、それでもまだ耐えている。
「ブルンゲル、シャドーボール」
ブルンゲルは接近しているゼブライガに黒球を放ち、とりあえず引き剥がす。
「ハイドロポンプだ」
そして超高圧水流を発射し、とどめを刺そうとする。
「ゼブライガ、ニトロチャージ」
だがゼブライガはニトロチャージのスピードをも利用し、ハイドロポンプをかわし、ブルンゲルに突撃する。
「くっ、戻れブルンゲル」
今のでブルンゲルは戦闘不能になったため、ムントはポケモンを交代させる。
「出て来い、オノノクス」
ムントはここで、相棒のオノノクスを繰り出す。
「オノノクス、地震だ」
オノノクスは大きく地面を揺さぶり、ゼブライガを攻撃する。地震を受けたゼブライガは、その場に倒れ伏せる。戦闘不能になったようだ。
「戻れ、ゼブライガ」
インディはゼブライガをボールに戻し、新たなボールを出すが、ポケモンを出す前に口を開く。
「貴様、ソウリュウの者だな」
「……だったら何だ」
「いや、俺もソウリュウの生まれだというだけだ。お前がソウリュウ出身だと分かったのは、そのオノノクスを見てだ」
言ってインディは、ムントのオノノクスを見遣る。
「ソウリュウにはドラゴンポケモンの成長を促し、促進させる不思議な力がある。故に、ソウリュウで育ったドラゴンポケモンは、通常の固体よりも強い力を得るのだ」
「……何が言いたい」
「俺も、ソウリュウ出身なんだよ」
インディはそう言うと、ボールからポケモンを出す。
「クリムガン、か」
「そうだ。俺のクリムガンも、ソウリュウで育った。普通のクリムガンと、一緒にしてくれるなよ」
確かのインディのクリムガンは、雰囲気がどこか違っていた。
「クリムガン、ドラゴンクロー」
クリムガンは、両手の爪に龍の力を込め、オノノクスに襲い掛かる。
「オノノクス、ドラゴンクロー」
しかしオノノクスも負けず劣らず、ドラゴンクローで迎え撃つ。
「ポイズンテール」
だがクリムガンはドラゴンクローが受け止められると、猛毒を帯びた尻尾でオノノクスを攻撃する。
「ぐぅ」
オノノクスは間一髪のところで急所に当たる攻撃を掠めたが、今のポイズンテールで毒状態になったようだ。
「クリムガン、岩砕き」
さらにクリムガンは拳を握り、力を集めて思い切りオノノクスを殴る。
「オノノクス、地震だ」
殴られて交代したオノノクスは、距離など関係なく当たる技、地震を起こす。
クリムガンはその地震で結構なダメージを受けたようだが、まだ戦闘不能にはならない。
「クリムガン、龍の怒り」
「オノノクス、龍の舞い」
クリムガンが放つ龍型のエネルギーを、オノノクスは龍の舞で回避する。
「瓦割りだ」
そして上がった素早さを活かし、クリムガンに手刀を叩き込む。
「岩砕き」
だがクリムガンも拳をアッパー気味にオノノクスに叩き込み、反撃する。
「……やるな、貴様も、貴様のオノノクスも」
「屑に褒められたところで、嬉しくもなんともないな」
「そうか……クリムガン、ドラゴンクロー」
「オノノクス、ドラゴンクローだ」
クリムガンとオノノクスが龍の力を込めた爪で切り結ぶ。
2体の力が拮抗している、その時だった。
「インディ、足止めご苦労だった。帰るよ」
螺旋階段から、1人の少年が下りてきた。
Nだ。
「N様……申し訳ありません。1人、敵をそちらに向かわせてしまいました」
「別に構わないよ。そんなことより、早く帰ろう」
Nは急かすように言うが、ムントはNの行動を制するようにコジョンドを出す。
「誰が逃がすものか。雑魚の群れは、ここで始末する」
「君がその気でも、僕はそういう気分じゃない。もう会わないかもしれないけど、君が戦いたいのであれば、次ぎ会った時にでも相手をするよ」
言うとNは、シンボラーを出してタワーオブヘブンの窓から出て行った。
「……貴様との勝負、正直楽しかったぞ。次に会うときは、N様でなく、俺が相手をしよう」
インディもそう言うと、クリムガンとケンホロウを交代させ、ケンホロウに掴まって飛び去る。
最後に残されたムントは、戦いで墓石がほとんどなくなった塔の内部を見回し、階段を下りてゆく。
番外終わりました。最近の番外は『7幹部と戦うも何らかの要因で決着が着かず』というパターンになってきているような気がするのは、ぼくだけでしょうか?さて次回予告です。次回は命の危機に晒されたイリス、ミキのその後とかを書くと思います。では、次回もお楽しみに。