二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リオVSメイル ( No.181 )
- 日時: 2011/06/08 00:44
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
電気石の洞窟での戦いが終わり、休暇も終わったリオはバルジーナに乗ってヒウンシティへ帰る途中だった。
「ライモンシティが見えてきたから、あと少しでヒウンに着く——!?」
突然、バルジーナの体が傾き、リオは振り落とされそうになる。
「バルジーナ、どうしたの?」
リオがバルジーナにそう言うと、横から無数の尖った岩が飛来してくる。
「! バルジーナ、避けて!」
バルジーナは急旋回してそれかわす。しかしそれは避けど避けど飛来してくる。
バルジーナはついにそれをかわし切れずに当たってしまい、落下する。
「きゃっ!」
それに続いてリオも落下する。
運良くリオの落ちた場所は深い森で、木が緩衝材となって落下時の衝撃はほぼ皆無だった。
「うぅ、バルジーナ?」
辺りを見回すと、倒れているバルジーナを見つける。見た感じまだ動けそうだが、バトルなどの激しいことは出来なさそうだ。
「PDOヒウン支部統括。リオだな」
突如後方から声が聞こえてくる。
リオはバッと振り返ると、そこにはリオとそう年齢が変わらなさそうな1人の少女が立っていた。
まず一番目を引くのは存在しない左腕。次いで死に絶えたような眼。そして長い銀髪。
「誰?」
「私はメイル。お前の敵だ」
少女——メイルは手短に自己紹介を済ませる。すると、メイル頭上から一匹のポケモンが姿を現す。
「アーケオス……」
リオは思考を巡らせる。アーケオスは基本、走って移動するポケモンだが、助走をつけて羽ばたくことにより、飛翔することが可能なポケモンだ。さっきバルジーナを襲った尖った岩は、恐らくストーンエッジ。アーケオスなら、そのストーンエッジを覚えていても不思議じゃない。つまりさっき襲ってきたのは、このメイルという少女なのだろう。
そもそも自分から敵だと言っているわけだし、戦うことは確定だろう。
「バルジーナは戦えないか……なら、出て来てシビルドン」
リオは素早いアーケオスについていけ、なおかつ飛行タイプのバルジーナを使おうとしたが、バルジーナは先ほどの攻撃で体力が減っているので、辞退。
なのでここは逆に、素早さの低いシビルドンを繰り出す。それに、シビルドンならアーケオスの弱点も突ける。
「アーケオス、アクロバット」
アーケオスは目にも止まらぬスピードでシビルドンに接近し、攻撃する。しかし
「……いくら電気タイプとはいえ、よく耐えたな」
見ると、シビルドンはアーケオスのアクロバットを受けてもピンピンしている。全くダメージがなかったわけではないだろうが、手傷にもならない。
「私のシビルドンは素早さ以外の能力値が総じて高いからね」
「そうか。なら、ストーンエッジ」
アーケオスはバルジーナを襲った時のように尖った岩を乱射する。
「シビルドン、とぐろを巻く」
しかしシビルドンはとぐろを巻くことでストーンエッジの威力を軽減する。
「続いて電磁砲!」
そして次は口内に強い電気を溜め、それを球状に圧縮してアーケオスに発射する。
「避けろ、アーケオス」
アーケオスはその電磁砲を避けようとするが、電磁砲は微妙にカーブがかかっており、アーケオスを掠める形で飛んでいった。
「とぐろを巻く、それからフォーカスレンズか。随分と技を当てたいようだな」
「素早さ低い分、命中率でカバーしなきゃいけないからね。シビルドン、噛み砕く!」
シビルドンはアーケオスに向かって突撃する。
「アーケオス、諸刃の頭突き」
対するアーケオスもそれに向かっていく。
互いが衝突しあうが、スピードの速かったアーケオスの方が、相手に与える衝撃が強く、吹っ飛ばされたのはシビルドンだった。
「アーケオス、地震」
とそこで、アーケオスは大きく跳ぶ。最早生えている木を越してしまうぐらいに。そしてアーケオスはそのまま地面に落ちるが、その際に強く両足で地面を叩きつける。
それによって小規模ではあるが地震が発生する。
しかしシビルドンの特性は浮遊。なので地震は受け付けない。なら何故メイルは地震を使ったのか。
「!? これは……!」
地震で揺さぶられたせいで、周りの木々は次々に倒れる。だが全てが地面に着くのではなく、他の木に寄りかかるようになったりして、かなり複雑な地形が出来る。
「この複雑怪奇な地形ならば、そのシビルドンの電磁砲も乱用は出来まい。それに、動きが鈍いうえに重いシビルドンでは、この地形を移動することすら難しい」
見上げると、アーケオスは一際高い位置にある太い木の枝の上に乗っていた。
「アーケオス、ストーンエッジ」
アーケオスは無数の尖った岩を発射する。どうやらシビルドンの手の届かない位置から攻撃するつもりらしい。
「その程度の小細工じゃ、私のシビルドンには敵わないよ……!」
しかしリオは大胆不敵な笑みを浮かべている。
「シビルドン、飛んで!」
言うとシビルドンは、尻尾をバネのようにして飛び上がり、アーケオスの正面に来る。
「電磁砲!」
そして、超至近距離からの電磁砲を浴びせるのであった。