二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リオVSメイル 2 ( No.184 )
- 日時: 2011/06/09 23:01
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
アーケオスは至近距離からの電磁砲に耐え切れず、地面へと落下して戦闘不能となった。
「戻れ、アーケオス。……流石だな。ゲーチスが目をつけただけのことはある」
「ゲーチス?……ああ。あのサザンドラに乗ってたプラズマ団」
リオはヒウンでのことを思い出し、軽く悔やむ。
「私は今回、ゲーチスの命でお前の前にいる。ゲーチスはお前をこの先プラズマ団を脅かす危険因子とみている。だから、これを好機に消そうとしているわけだ」
「随分と物騒なこと考えてんのね……」
恐怖というよりも引き気味のリオだった。
「私の次のポケモンはこいつだ」
リオのリアクションを無視するかのようにメイルは新たなポケモンを繰り出す。
それは人間の胎児のような体躯に、それと不釣合いな大きさの腕を持ち、全身が緑色のスライム状の物質で覆われているポケモンだった。
「ランクルスか。ならシビルドン、噛み砕く!」
シビルドンは牙を突き出して突進するが
「避けろ」
その攻撃は簡単にかわされてしまった。具体的に言うと、シビルドンが突っ込む直前に跳んで、シビルドンの背後に回りこんだ。
「火炎放射」
そして口から灼熱の火炎を放射し、シビルドンを炎で包む。
「おかしい……ランクルスがあんなに素早い訳ない。それに、火炎放射だって使えないはず……」
シビルドンがやられているが、リオの頭には疑問ばかりがよぎる。
「もう一度、火炎放射」
「くっ、電磁砲!」
今度は火炎放射を電磁砲で突っ切って攻撃するが、それもジャンプでかわされる。
「草結び!」
シビルドンは相手が着地したところを狙って、草結びを仕掛けるが
「火炎放射」
火炎放射で地面ごと焼かれ、不発に終わる。
「シャドークロー」
そしてそのまま素早く駆け込んできて、シビルドンを切り裂く。
「シビルドン!」
シビルドンはドスンと音をたてて倒れる。これは戦闘不能だ。
「戻って、シビルドン。……それじゃあ次は、コジョンド!」
リオが繰り出したのはコジョンド。それも色違いだ。薄紫色のはずの体毛が、赤紫になっていて鮮やかだ。
「それじゃ、そのランクルスの化けの皮を剥がすとしますか。コジョンド、猫騙し!」
コジョンドは驚異的な瞬発力で敵の正面まで来て、そこで両手を叩く。
パアンという音が響くと、相手も怯んだように体勢を崩す。そして
「ランクルスの……体が……」
崩れていったのは体勢だけでなく、敵の体もだった。胎児のような体躯も、大きな腕も、緑色のスライム状の物質も全てモザイクが掛かったようにぼやけると、そこにはさっきまでの姿とは全く違うポケモンが立っていた。
「これって……?」
「ゾロアークの特性、イリュージョンだ」
リオの疑問に答えるようにメイルは言う。
「ゾロアークは初回登場時、自分の持つ他のポケモンに化ける特性を備えている」
つまり、ゾロアークはランクルスに化けて戦っていたのだ。俊敏な動きも、火炎放射やシャドークローもそのためである。
「なるほどね……コジョンド、ストーンエッジ!」
疑問が解消されてすっきりしたのか、リオの指示にも覇気がより感じられ、コジョンドの攻撃も心なしか激しい。
「ふん。バークアウト」
しかしコジョンドの放った無数の岩は、ゾロアークのけたたましい叫び声によって砕け散ってしまう。
「なら、ドレインパンチ!」
「シャドークロー」
コジョンドは素早い動きで特攻し拳を放つが、ゾロアークのスピードも大したもので、その速さを力に変えてのシャドークローを放つ。
「コジョンド、右にずれて!」
コジョンドは鍔迫り合い中だというにも関わらず、指示通り右にずれてゾロアークとのせめぎ合いを止める。
「ストーンエッジ!」
「バークアウト」
コジョンドの放つストーンエッジはやはり砕かれてしまう。
「ドレインパンチ!」
しかしコジョンドは岩の残骸を目くらましに、ゾロアークに急接近して拳を叩き込む。
「一旦引け、ゾロアーク」
ゾロアークはコジョンドに殴り飛ばされる勢いを利用してコジョンドと距離を取る。
「うまくダメージを逃がしたわね」
そう、ゾロアークはコジョンドのドレインパンチのダメージを地面に逃がし、威力をかなり軽減している。
「ゾロアーク、火炎放射」
ゾロアークは口から灼熱の火炎を放つ。
「避けてコジョンド。ストーンエッジ!」
コジョンドは舞い踊るような身のこなしで火炎放射を避ける。そして攻撃するのも忘れない。
「無駄だ。バークアウト」
しかし三度砕かれる。
「ナイトバースト」
そして両手に力を込め、力が凝縮されると両手を勢いよく振り下ろす。すると黒いオーラがゾロアークを中心として放たれる。
「う、ぐぅ、コジョンド……」
コジョンドはその猛烈な攻撃を耐えて耐えて、耐え切る。
「よく持ち堪えたわ、コジョンド。……とんぼ返り!」
いきなりコジョンドは高速でゾロアークに突っ込んでいく。流石のゾロアークもその速さには対応できず、ダメージを受け流せずに攻撃がヒットする。戦闘不能ではないようだが。
「戻って、コジョンド」
そして早々コジョンドを戻す。
「出て来て、チラチーノ!」