二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リオVSメイル 3 ( No.187 )
日時: 2011/06/11 00:10
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「チラチーノ、ロックブラスト!」
チラチーノは登場して早々、無数の岩を発射する。
「ゾロアーク、バークアウト」
しかしコジョンドのストーンエッジのように、ゾロアークのけたたましい叫び声に粉砕されてしまう。
「アクアテール!」
だがチラチーノはその隙を突いてゾロアークに接近し、水を纏った尻尾を叩きつける。
「もう一度!」
体を捻って再度尻尾を叩きつけるチラチーノ。そのスピードはかなり速く、ほぼ零距離のゾロアークでは避けられない。距離があっても避けることが出来るかは怪しいが。
「火炎放射だ」
チラチーノを追い払うためか、火炎を放つゾロアークだが、チラチーノの華麗な身のこなしによって回避される。
「チラチーノ、歌う」
とそこでチラチーノはゾロアークから距離を取って歌いだす。
「!ゾロアーク、戻れ」
危険を素早く察知したメイルは、ゾロアークをボールに戻す。そうしなければ今頃、ゾロアークは眠り、チラチーノにフルボッコにされていただろう。
「出て来い、ランクルス」
メイルは今度こそ本物のランクルスを繰り出す。
「エナジーボールだ」
「気合玉よ」
ランクルスとチラチーノはそれぞれエネルギーの塊である球体を作り出し、放つ。それらはぶつかり合い、すぐに相殺された。しかし
「チラチーノ、アクアテール!」
チラチーノは素早い動きであっと言う間にランクルスに接近し、水を纏った尻尾を叩きつける。
「掛かったな。交代だ」
無表情にメイルは言う。リオはその言葉の意味が理解出来ず、疑問符を浮かべていたが、それはすぐに氷解する。
「え? チラチーノ?」
チラチーノは勝手にボールへと戻ってしまったのだ。何事かとリオが戸惑っていると、メイルが説明を入れる。
「私のランクルスはレッドカードを所持している。これは攻撃を仕掛けてきた相手を強制的に交代させる道具だ」
つまりそれは、チラチーノの代わりのポケモンが出て来るというわけで
「! コジョンド……」
そう、ランクルスと相性最悪のコジョンドが出て来るのだ。幸い特性再生力で体力は全快のようだが、如何せんタイプが問題だ。
「下手に接近すると、至近距離からの攻撃でやられる恐れがある。でも、遠距離からの攻撃じゃ、決定力に欠ける……」
リオが即興で作戦を立案していると、ランクルスが動く。
「ランクルス、サイコキネシス」
ランクルスは念動力をそのまま破壊力を持つ念波に変換し、コジョンドに襲い掛かる。
「避けて、コジョンド!」
コジョンドは徹底的に鍛え上げられた回避能力を活かし、サイコキネシスを避ける。
「木を薙ぎ倒せ」
しかしランクルスは周辺の樹木を一気に倒し、コジョンドの動きを制限する。
「そこだ、囲め」
メイルが指示をだすと、ランクルスのサイコキネシスがコジョンドを包囲し、四方八方から念波を浴びせる。
威力が高いうえ防御ステータスが低めのコジョンドだ。普通は耐え切れずに戦闘不能になる。しかし
「コジョンド、ストーンエッジ!」
無数の尖った岩がランクルスを襲う。
「何故立っていられる……」
驚いたようにメイルは言う。コジョンドはフラフラではあるが、まだ戦闘不能ではないようだ。
「気合のタスキ。一撃で致死量のダメージを受けた場合、体力の限界ギリギリのところで持ち堪える道具よ」
リオは不敵に微笑む。
「なるほど。道具によって九死に一生を得たか。しかし私のランクルスの防御力は並ではないぞ。雷だ」
ランクルスは激しい雷をコジョンドに落とすが、回避される。
「コジョンド、ドレインパンチ!」
コジョンドは複雑な動きでランクルスに接近し、その拳を叩きつける。
「回復狙いか。サイコキネシス」
ランクルスはコジョンドが体勢を立て直す前に、避け難いサイコキネシスで決めに掛かる。
「ストーンエッジ!」
襲い掛かる念波に尖った岩を放つ。岩は念波を貫通していったが、相殺は出来なかった。
「コジョンド!」
そのまま念波はコジョンドを襲い、戦闘不能にする。
「戻って、コジョンド」
リオはコジョンドをボールに戻す。これでリオの残りはチラチーノ1体。対するメイルの手持ちは2体で、ランクルスは疲弊しているがそこまでではない。これはかなりリオがピンチだ。
「出て来て、チラチーノ!」
白い体毛に覆われたポケモン、チラチーノが姿を現す。
「ランクルス、雷」
ランクルスはチラチーノに雷を落とすが、あっさりと避けられる。
「アクアテール!」
チラチーノは通常の3割り増しくらいの勢いで水を纏った尻尾をランクルスに叩きつける。
「ランクルス、自己再生」
しかしランクルスは攻撃を受けてすぐ、自分の傷を回復する。
「ロックブラスト!」
今度は無数の岩を発射する。それらは全てランクルスに当たったが、大して効いていないようだ。
「エナジーボールだ」
「かわしてアクアテール!」
チラチーノはランクルスのエナジーボールを回避、そのまま勢いを利用し、ランクルスを攻撃する。
しかしチラチーノ攻撃は1度では収まらず、周りの木々を踏み台にしたりして、連続でアクアテールをぶつけてくる。
「ぐ……ランクルス……」
そしてついにランクルスは戦闘不能になる。メイルはランクルスをボールに戻し、顔を上げるとリオの目がいつになく真剣だった。
「今かなりピンチっぽいから、流石にそろそろ、本気で行くよ」