二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リオVSメイル 4 ( No.188 )
- 日時: 2011/06/11 01:44
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
「チラチーノ、ロックブラスト!」
「ゾロアーク、バークアウト」
チラチーノの放つ無数の岩は、ゾロアークのけたたましい叫び声で砕け散ってしまう。やはり飛び道具系の攻撃は通じないようだ。
「だったら、アクアテール!」
チラチーノは尻尾に水を纏わせ、それでゾロアークに攻撃を仕掛ける。だがこの攻撃はただ直進するのではなく、チラチーノの素早さと雑木林という地形を利用した3次元の立体的攻撃だ。これはかなり避け難いだろう。
「ゾロアーク、シャドークロー」
ならば迎え撃てば良いという風にゾロアークは影の爪を作り出し、それを防ぐ。ノーマルタイプのチラチーノには本来ゴーストタイプ技であるシャドークローは効かないのだが、技同士のぶつかり合いなら別のようだ。
「バークアウト」
チラチーノのアクアテールを止めたところで、ゾロアークは叫び声(叫び声と記しているが、実際は咆哮に近い)を上げる。勿論攻撃目的だ。
「チラチーノ、気合玉」
しかしチラチーノは通常よりも大きな気合玉を作り、それを盾にしてバークアウトを防ぐ。
「ロックブラスト!」
そして一旦距離を取り、ロックブラストを放つ。
「バークアウト」
だがやはりと言うか何と言うか、それはバークアウトで粉砕される。
「気合玉!」
しかしチラチーノはコジョンドの時のように、粉砕された岩の残骸を目くらましのように使い、そこから気合玉を発射する。
「同じ手は通用しないぞ。ゾロアーク、ナイトバースト」
ゾロアークは力を込めた両手を振り上げ、それを思い切り振り下ろす。すると黒いエネルギーがゾロアークを中心とし、波紋のように広がっていく。そしてそれは気合玉を飲み込み、チラチーノを襲う。
「追加だ。火炎放射」
ゾロアークはさらに火炎放射も放ち、チラチーノを追撃する。これだけ攻撃を撃ち込まれれば、大抵のポケモンは倒れるが
「アクアテール!」
突如大きな水飛沫が上がる。それによって燃え盛っていた炎が消火される。立ち込める水蒸気の中立っていたのは、言うまでもなくチラチーノだった。
「……チラチーノの白い体毛は特殊な脂でコーティングされており、あらゆる攻撃を受け流すと聞くが、あくまでそれは物理技限定のはず。まさか特殊技も受け流せるとはな」
「正確には受け流したんじゃなくて弾いたんだけどね。油が水を弾くように、特殊コーティングされたチラチーノの体毛は特殊技も弾ける」
リオは説明する。
「さて、ぞれじゃあどんどん行くよ。チラチーノ、アクアテール!」
チラチーノは雑木林を縦横無尽に跳ね回り、死角から攻撃を放つ。しかも一撃一撃が速くて、気付くことは出来ても対応は出来ない。せめてもの救いは、一撃一撃がそんなに重くないことくらいか。
「火炎放射」
「気合玉!」
チラチーノの放つ気合玉は火炎放射を突っ切ってゾロアークにヒットする。火炎放射を突っ切る際に威力が弱まったのと、決まりが浅かったので戦闘不能にはならなかったが。
「ロックブラスト!」
「シャドークロー」
ゾロアークは襲い掛かる無数の岩を、バークアウトではなくシャドークローで砕いていく。どうやらチラチーノに接近し、至近距離から大技を射掛けるつもりらしい。
「アクアテール!」
「受け止めろ」
ゾロアークは影の爪を出したまま、チラチーノが叩きつけてきた尻尾を真剣白刃取りのように受け止める。
「チラチーノ、気合玉!」
しかしこれはリオの策略であり、チラチーノはゾロアークと接近した状態で、至近距離からの気合玉を放つ。
「! 火炎放射!」
流石のメイルも焦ったように指示を出す。
火炎放射と気合玉は、どちらもアンバランスな状態で放った不完全なもので、それらはぶつかり合うとすぐに消えてしまった。
「もう一度火炎放射だ」
「アクアテールで薙ぎ払って」
ホールド状態を解いたゾロアークは、チラチーノから少し距離を取って、再度火炎放射を放つ。
しかしチラチーノはそれを水を纏った尻尾で薙ぎ払うように消火する。
「決めるよチラチーノ。アクアテール!」
チラチーノは全速力でゾロアークの元まで突っ込み、勢いを殺さずに体を回転させて尻尾を脳天に叩きつける。直進によるスピードと回転によるスピードを合わせたアクアテールは凄まじく、盛大に飛沫を上げてゾロアークを文字通り沈めた。
「PDOヒウン支部統括、リオ。確かに危険因子ではあるな。ゲーチスにはマークするに越したことはないと伝えておくか」
メイルはゾロアークをボールに戻しながら、淡々と言う。それは勝負事の勝敗に対して無頓着だと言わんばかりの口調だった。
「出て来い、アーケオス」
メイルはバトルこそ出来ないものの、飛び立つくらいの力は回復したアーケオスを出す。
「一応言っておくぞ、リオ。ゲーチスは計画の邪魔だと認識した者はなんであれ抹殺するだろう。これから永久に、プラズマ団に狙われるぞ」
「別にそのくらいなら構わないわよ。こっちは既に、それくらいの覚悟は出来ているわ」
リオはメイルに言い返す。メイルは特に反応を示さずに、アーケオスにつかまって飛び去ってしまった。
なにはともあれ、リオVSメイル。めでたくリオの勝利である。