二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 10章 ヤグルマの森 ( No.21 )
- 日時: 2011/04/09 14:50
- 名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/BUENOSUAIRESU
「ママ、大変だ!プラズマ団とかいう連中が、ドラゴンの骨を頂くって」
「何だって!?」
シッポウジムを終えたイリスは、アロエ、キダチとともに、博物館に向かった。
「ちょっとアンタたち、馬鹿な真似はやめるんだよ!」
博物館の1番広い空間。古代のポケモンの化石や石、それにドラゴンポケモンの骨が展示されている場所に、10人程度のプラズマ団がいた。
「この骨はプラズマ団が、ポケモンを解放するために頂いていく。それでは、煙幕!」
「プラーズマー」
「プラーズマー」
「プラーズマー」
そう掛け声を揚げて、博物館に煙幕が立ち込めた。
「く……あ!」
煙幕が晴れると、そこにはもうドラゴンの骨はなかった。
「なんてこった、ドラゴンの骨が盗まれちまうなんて。こうなったら追うよ!イリス、アンタも来な!」
「はい!」
博物館を出たら、チェレン、ベルとバッタリ出くわした。
「イリス、どうしたんだい? そんなに慌てて」
「あ、チェレン、ベル。実は……(事情説明中)」
「なるほどね。あの面倒な連中、ポケモンだけじゃなくて、ついには博物館の展示品まで盗んだのか」
「お喋りはこれくらいにして、サッサと追うよ。アタシはサンヨウシティ方面を見張るから、チェレンとベルはここを守っておくれ」
テキパキと指示を出すアロエ。
「で、イリスはヤグルマの森の方を……ああでも、あそこは迷いやすいからねえ。何も知らないトレーナーが1人で行くのはちょっと心配だね……」
「だったら僕が一緒に行きましょうか?」
後ろのほうで、男性の声がした。
「アーティ、また創作に行き詰ったのかい?」
「うーん、気分転換かな……」
「まあ、アンタの創作物なんてこの際どうでもいい。こいつはアーティ、こんな形だけど、ヒウンシティのジムリーダーだよ」
「随分と酷い物言いだなあ、アロエ姉さん」
「それじゃあアーティとイリスでヤグルマの森に向かってくれ。アーティ、ちゃんとイリスをリードするんだよ」
「……分かりましたよ」
イリス、チェレン、ベルの3人は、アーティが少し哀れだと思った。
「ヤグルマの森は道が2つある。即ち、人工の道と、自然の道だ。僕は、人工の道をまっすぐ行って、出口を塞ぐ。君は、自然の道を進んで、プラズマ団を出口まで追い詰めてくれ」
「でも、自然の道って、迷いやすいのでは?」
「大丈夫だよ。ヤグルマの森は基本一本道。脇道に行かなければ迷うことはない。それじゃあ、頼んだよ」
そう言い残して、アーティは走り去っていった。
「とりあえず、僕も進むか……」
なんとなく嫌な気がしたが、イリスはヤグルマの森を進んでいった。
「ミジュマル、アクアジェット!」
「ダルマッカ、炎のパンチ!」
「ワシボン、翼で打つ!」
「クルミル、葉っぱカッター!」
「デスマス、ナイトヘッド!」
「リグレー、サイケ光線!」
案の定、ヤグルマの森には何人ものプラズマ団がいた。
「進むにつれて数が増えてるような気がするな……プラズマ団って何人いるんだ?」
などとぼやきながら、イリスはプラズマ団を蹴散らしていった。
「キリがないってほどじゃないけど、これはこれで結構疲れる」
幸い、イリスのポケモンはアロエとのバトルで鍛えられていた。そのため、プラズマ団の下っ端が何人いようと、ほぼ一撃でカタがつく。
「止まれ、そこのトレーナー!」
1人のプラズマ団(下っ端)が、イリスを呼び止めた。
「なんか、他の下っ端とはちょっと違うな」
「当たり前だ。俺は優秀な下っ端だ。手柄を立てれば、出世できる。だからお前を倒して、出世するんだ。出て来い、メグロコ!」
下っ端(優秀)が繰り出してきたのは、砂漠ワニポケモンのメグロコだった。
「ここまでの戦いで、ワシボンもデスマスも消耗してる。出て来い、ミジュマル!」
「メグロコ、噛み砕く!」
「避けろミジュマル!」
ミジュマルは噛み砕くを回避するが
「メグロコ、地震だ!」
メグロコは、地面を大きく揺らして、ミジュマルにダメージを与えつつ動きを止めた。
「さあ食らえ、噛み砕く!」
今度の噛み砕くはミジュマルの急所に当たった。
「ミジュマル!……!?」
突如、倒れたミジュマルが光り始めた。光の中で体が分解され、再構築されていく。そして、そこにはミジュマルではない別のポケモンが立っていた。
「フタチマル……ミジュマルが進化したのか!」
「ちっ、この土壇場で進化とは、ついてないぜ。でも進化したところで俺には勝てねえぜ。メグロコ、地震!」
「フタチマル、水の誓!」
メグロコが地面を踏み揺らすよりも速く、フタチマルは地面から間欠泉の如く水を放射した。
「なに!?」
「こうして地面がぬかるめば、地震も使えない!フタチマル、アクアジェット!」
フタチマルは水を纏い、高速でメグロコに突っ込んで行った。
「な……俺のメグロコが!」
プラズマ団の下っ端は逃げるように走り去って行った。
「さて、ドラゴンの骨を探さないと。出口はもうすぐだから、アーティさんが手に入れてるかな?」
と、思案していると
「ドラゴンの骨ならもういらねえから、欲しいならくれてやるよ」
「!?」
前方には、プラズマ団の制服を改造したような格好の男が立っていた。
「俺の名はレンジ、プラズマ団幹部の1人だ」
今回はいろいろありました。アーティ登場、ミジュマルの進化、新技習得、そして、プラズマ団幹部を名乗る男の登場。次回はこの男とバトル(!?)って感じで書いていきます。では、また。