二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 95章 ダブルバトルのテクニック ( No.210 )
日時: 2011/06/19 17:06
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「出て来て。ダストダス、イワパレス」
「行って。バルチャイ、プルリル!」
バトルサブウェイ、ダブルバトル。
クダリはダストダスとイワパレスを、ミキはバルチャイとプルリルをそれぞれ繰り出す。
「バルチャイ、鋼の翼。プルリル、水の波動」
バルチャイは翼を鋼のように硬化させ、特攻。プルリルはバルチャイを援護するように水の波動を発射する。
「ダストダス、ロックブラスト。イワパレス、辻斬り」
しかしダストダスは無数の岩を発射してバルチャイを迎撃。さらに水の波動も相殺され、イワパレスが追い討ちを掛ける。
「バルチャイ、しっぺ返し!」
だがバルチャイもただではやられない。イワパレスが辻斬りによる残心の姿勢になっている際に、翼の面を思い切り叩きつける。
「イワパレス、姿勢を崩さないで耐えて。ダストダスは気合玉で援護」
イワパレスはそれなりのダメージを受けたようだが、クダリは全く動じていない。どころか冷静かつ的確にポケモンへ指示を飛ばしている。
「バルチャイ、エアスラッシュ。プルリル、水の波動」
バルチャイはエアスラッシュでイワパレスに追撃を掛け、プルリルは水の波動で気合玉を相殺しようとする。
結果、イワパレスへの追撃は成功したが、気合玉の相殺は出来ず、バルチャイは攻撃後すぐに気合玉の直撃を受けた。
「イワパレス、シザークロス」
そこにイワパレスがハサミを交差させてバルチャイに襲い掛かる。
「プルリル、怪しい光!」
だがここでプルリルが怪しい光を放ち、イワパレスを混乱状態にして軌道を逸らす。
「バルチャイ、鋼の翼! プルリル、祟り目!」
さらにバルチャイは鋼の翼、プルリルは祟り目でそれぞれ追い討ちを掛ける。
「イワパレス、守る」
しかしイワパレスは自分の周囲をバリアのような壁で覆い、それらの攻撃を防ぐ。
「ダストダス、ヘドロウェーブ」
そしてダストダスは毒素を含んだ波を発生させ、場にいるポケモン全てを攻撃する。
「ヘドロウェーブは味方をも巻き込む技ですが、クダリのイワパレスは守るを使用しています。ですから、必然的に命中するのはミキ様のバルチャイとプルリルだけとなります」
ノボリの言う通り、ダストダスの放ったヘドロウェーブを、イワパレスは守るで防ぎ、バルチャイとプルリルは直撃を食らう。
「バルチャイ! プルリル!」
「イワパレス、岩石砲。ダストダス、空元気」
ここで後衛のダストダスと前衛のイワパレスの位置が逆転する。
ダストダスは以外に素早い動きでバルチャイに接近し、両腕を使って殴打する。イワパレスは岩石を固めた巨大な弾丸を作り出し、プルリル目掛けて発射する。
「…………」
ミキは俯いて口を閉ざす。バルチャイもプルリルも丈夫なポケモンだが、これだけの攻撃を受ければ普通は倒れる。
「これでミキ様の手持ちは残り1体ですか。クダリはまだ3体フルに残っていますから、ミキ様が勝つ確率は限りなく低いですね」
ノボリは誰に言うでもなくそう呟く。
「いや、どうでしょうかね?」
しかしイリスはその呟きに半ば否定的に返す。
「ミキちゃんは、伸びる時は伸びるんですよ。このバトルサブウェイでの戦いは、彼女の力を開花させたと言っても過言ではありません」
言ってイリスは、顎でミキのポケモンが居る方を指す。
「なんという耐久力……」
ノボリはその方向に目を向け、戦慄する。そこにはバルチャイとプルリルが立っていた。
「バルチャイ、ついばむ! プルリル、水の波動!」
バルチャイは近くにいたダストダスを嘴でついばみ、プルリルは岩石砲の反動で動けないイワパレスに水の波動を発射する。
「下がって、ダストダス」
クダリはダストダスを後退させ、ボールを取り出す。
「戻って、イワパレス」
クダリは水の波動で戦闘不能となったイワパレスをボールに戻し、新たなボールを取り出す。
「君、強いね。なんだかわくわくしてきた」
クダリはポケモンを出さずに、ミキに言葉を掛けてくる。
「だからこそ君とは4対4でやりたかったけど、しょうがないよね。だから最後の1匹は本気にする」
言ってクダリは、ボールを投げる。
「出て来て、シビルドン!」
クダリの最後のポケモンは、電気魚ポケモンのシビルドン。
「ダストダス、気合玉。シビルドン、ブレイククロー」
ダストダスは気合を込めた玉を放ち、シビルドンは力を込めた爪を構えて突撃してくる。
「バルチャイ、エアスラッシュ。プルリル、搾り取る」
バルチャイは牽制のためのエアスラッシュをシビルドンに放ち、それで出来た隙を突いてプルリルが搾り取るを使用する。
「シビルドン、ワイルドボルトに切り替えて」
しかしそこでシビルドンは爪を構えて突撃する姿勢から、単に突撃する姿勢になる。さらに体には激しい電撃を纏っている。
「プルリル!」
今まさに搾り取るを発動させようとしていたプルリルは電撃を食らい、戦闘不能となる。
「戻って、プルリル」
ミキはプルリルをボールに戻し、新たなボールを出す。そしてクダリの方に目を向ける。
「次はどんなポケモンを見せてくれるの?」
クダリは子供のように目を輝かせ、ミキがポケモンを出すのを待っている。
「クダリの純粋なポケモンを見る目は、ポケモン同士のコンビネーションを見通すことが出来ます。強さではなく、ダブルバトルのテクニックにおいて、クダリの右に出るものはこのイッシュにはいないでしょう」
ノボリの言葉が、ミキの頭の中で反響する。



今回は結構早めにミキVSクダリが終わりそうです。正直なこと言うと、ダブルバトルって書き難いんですよ。ポケモンを2体動かす必要がありますから。ですからダブルバトルになると自然と早めに終わらせてしまうんです。では次回予告。次回はミキVSクダリ、決着になると思います。お楽しみに。