二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 96章 第2の通過点 ( No.211 )
日時: 2011/07/18 01:14
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)

「出て来て、コジョフー」
ミキは瀕死のプルリルと交代で、コジョフーを繰り出す。
「バルチャイ、鋼の翼! コジョフー、スピードスター!」
バルチャイは鋼のように硬化された翼を広げ、ダストダスに特攻する。コジョフーはバルチャイの攻撃を援護し、さらにシビルドンにも攻撃を仕掛ける。
「ダストダス、ヘドロウェーブ。シビルドンは防御」
しかしコジョフーの放ったスピードスターはダストダスのへドロウェーブによって全て相殺され、コジョフーにもヒットする。シビルドンも食らったようだが、防御体勢を取っていたためにほとんどダメージはないようだ。しかし
「行って、バルチャイ!」
バルチャイの鋼の翼がダストダスの顔面に叩きつけられる。
「え……?」
クダリは唖然としている。バルチャイもへドロウェーブを食らい、今頃はまだ倒れているはずなのだ。
「コジョフーがスピードスターを使えば、へドロウェーブで相殺してくるだろうと読んでましたから、バルチャイには鋼の翼で攻撃させたんです」
タネを明かすとつまり、ミキはダストダスがへドロウェーブを使うだろうことを予測していて、バルチャイに鋼の翼で特攻させた。鋼の翼は鋼タイプの技なので、毒タイプの攻撃を無効に出来る。その特徴を活かしてバルチャイはへドロウェーブを鋼の翼で防ぎ、そのまま攻撃したというわけである。
「へぇ、なるほど」
カラクリを理解したクダリは、納得したように頷く。
「だったらこれかな。ダストダス、気合玉。シビルドン、火炎放射」
ダストダスは気合を込めた玉を、シビルドンは燃え盛る火炎を、それぞれ発射する。
「バルチャイ、鋼の翼。コジョフー、跳び蹴り」
2つの遠距離攻撃に対し、バルチャイもコジョフーもそれらの攻撃を避け、接近し、それぞれ攻撃を仕掛ける。
「バルチャイ、ついばむ。コジョフー、ドレインパンチ」
バルチャイは鋼の翼をダストダスに叩き込んだ後、嘴で体の各所をついばむ。コジョフーは跳び蹴りを食らって仰け反ったシビルドンにドレインパンチを見舞い、さきほど受けたダメージを回復する。
「ダストダス、空元気。シビルドン、ブレイククロー」
しかし猛攻は長くは続かないもので、ダストダスは両腕を使ってバルチャイを殴打、シビルドンは力を込めた爪でコジョフーを引き裂き引き剥がす。
「バルチャイ、しっぺ返し!」
コジョフーは素直に後退したが、バルチャイは空元気を出したダストダスの殴打を食らいながらも食らいつき、翼の面を思い切りその巨体に叩きつける。
「ダストダス、空元気!」
こうなるともう意地で、ダストダスも空元気による殴打を繰り返す。
「鋼の翼!」
そしてこちらも意地になってダストダスの攻撃を食らいながらも攻撃し続けるバルチャイ。
「ヘドロウェーブ!」
ダストダスはついに味方をも巻き込む遠距離技を至近距離で発動する。
「エアスラッシュ!」
しかしバルチャイもすぐに迫る毒の波を、こちらも遠距離攻撃のエアスラッシュで切り裂き、そのまま攻撃を当てる。
「これでとどめ。バルチャイ、ついばむ!」
「まだまだ。ダストダス、へドロウェーブ!」
バルチャイは最後の力を振り絞ってダストダスの体に嘴を突き立て、ダストダスはついばむを食らうのとほぼ同時に毒の波をバルチャイに浴びせる。
2匹はその場で停止。3秒後、どちらも倒れた。
「……戻って、ダストダス」
「ありがとう、バルチャイ」
クダリとミキはそれぞれポケモンをボールに戻す。
「最後の方はシングルバトルっぽくなっちゃったけど、それも面白いね。ノボリの気持ちが少し分かったかも」
言われてノボリは軽く微笑む。
「さて、これでお互い残り1体。シングルはちょっと苦手だけど、全力で行くよ」
「臨むところですよ。それに、そうじゃなきゃ面白くありません」
クダリの言葉に、勝気に返すミキ。
「コジョフー、スピードスター!」
「シビルドン、アシッドボム!」
コジョフーの放つ無数の星と、シビルドンの発射する酸性の毒素を含んだ爆弾が相殺し合う。
「火炎放射!」
シビルドンは燃え盛る火炎を放ち、コジョフーを攻撃する。
「コジョフー、避けながら接近!」
だがコジョフーの軽快な動きで簡単にかわされ、接近を許してしまう。
「跳び蹴り!」
さらにコジョフーは接近時のスピードを殺さずにそのまま加速させ、シビルドンの顔面に跳び蹴りを見舞う。
「ドレインパンチ!」
コジョフーは蹴りつけた顔面を足場にして背中にに乗り、拳を振り下ろす。
「スピードスター!」
最後に拳を叩きつけた衝撃で飛び上がり、無数の星を降り注ぐ。
「シビルドン、アシッドボム!」
シビルドンはコジョフーの三連コンボを食らってもまだ体力が残っており、頭上にいるコジョフーにアシッドボムを食らわせる。
「ワイルドボルト!」
そして激しい電撃を纏い、飛び上がるようにして空中にいるコジョフーに突撃する。アシッドボムを食らって体勢が崩れているコジョフーは、シビルドンにとっては絶好の的だった。
「終わりだよ」
クダリがそう言った刹那、シビルドンはコジョフーを捉えていた。コジョフーはあまり丈夫なポケモンではないので、この攻撃で戦闘不能になっている可能性は高い。しかし
「コジョフー、当て身投げ!」
コジョフーは滞空状態のままシビルドンを掴み、地面に向かって叩き落とすように投げ飛ばす。
「シビルドン……」
地面に叩きつけられたシビルドンは目を回している。戦闘不能だ。
「僕、クダリ」
クダリはシビルドンをボールに戻すと、唐突に口を開く。
「君に負けちゃった。だって君、すごく強いんだもの。ものすごーく強いトレーナー」
クダリの言葉は、ミキに言っているようで、独白のようにも聞こえる。
「うん、面白かった。もしよければ、またバトルしよう」
クダリは笑いながらミキに向かって言う。それに対しミキは
「はい! 喜んで!」
満面の笑顔で、そう答えるのだった。



ミキVSクダリ、ついに終了しました。さてこの調子で行くと次はマルチバトルだとお思いでしょうが、次回は番外かチェレンたちの方か、その辺にします。それと全く関係ないですが、もうすぐこの物語も100章を迎えます。その時が来たら何かイベントをやろうと思っているのですが、何が良いでしょうか?たぶんそのうちそういった趣旨のアンケートを取ると思うので、その時はお願いします。ではまた次回、何になるかは不明ですがお楽しみに。