二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 102章 無限回復 ( No.238 )
- 日時: 2011/07/18 01:47
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「出て来て、モロバレル!」
ベルが次に繰り出したのは、キノコのような姿のポケモン。頭と両手の傘柄が、モンスターボールに似ている。
「モロバレル、エナジーボール!」
モロバレルは両手の傘の白い円の部分から緑色の球をそれぞれ1発ずつ、計2発発射する。
「デスカーン、守る」
デスカーンは周囲に防御膜を張り、モロバレルの攻撃を防ぐ。
「鬼火だ!」
さらにデスカーンは青白い火の玉を放つ。火の玉はゆらゆらと不規則に揺れながらモロバレルへと向かって行く。
「ベノムショック!」
モロバレルは向かい来る鬼火に対し、ベノムショックで相殺する。通常のベノムショックは毒液——つまりは液体を発射する技なのだが、ベルのモロバレルが放つベノムショックは光線に近い。
「連続でエナジーボール!」
モロバレルは両手を前に突き出し、エナジーボールは連射する。
「デスカーン、守る」
勿論デスカーンはその攻撃を守るで防ぐ。しかし
「このままじゃジリ貧だな……」
守るはほとんどの攻撃を完璧に防ぐ技なのだが、連続で、もしくは長時間使用していると効果が薄まり、最終的には使えなくなる。つまりは長い間使い続ける事は出来ないのだ。
「デスカーン!」
そしてついにデスカーンの守るの持続時間が切れ、デスカーンはエナジーボールを何発も食らう。
「くぅ、シャドーボール!」
デスカーンはエナジーボールの隙間を縫うように黒球を放ち、モロバレルに攻撃する。
「モロバレル、根を張る!」
ベルがそう指示を出すが、見た感じモロバレルに変化はない。
そうこうしているうちに、4発の黒球がモロバレルに襲い掛かる。黒球は全発ヒットしたが、如何せんデスカーンの攻撃力が低いため致命傷にはならなかった。
「1つ言っておいてあげるよ、イリス」
ベルは唐突に、そう言い出した。
「あたしのモロバレルの根を張るは、普通の根を張るよりも深く根っこを張るんだ。だからその分、栄養分の吸収率も大きい」
ベルがそう言った瞬間、イリスは目を見開く。
「傷が……!」
なんと、モロバレルが先ほどのシャドーボールで負った傷が、みるみるうちに癒えているのだ。
「こういうこと。あたしのモロバレルは、一撃二撃で決めないと、倒せないよ?」
ベルの表情は、余裕そのものだった。それに対しイリスは、体中から冷や汗が吹き出てくる。
「……こうなったら、至近距離から思い切りぶっ放すか。デスカーン、モロバレルに接近だ!」
デスカーンは持久型なので、相手に接近する事などまずないが、今は状況が状況なだけに、やむを得ず特効をかける。
「モロバレル、エナジーボール!」
モロバレルは接近してく来るデスカーンにエナジーボールを乱射するが、デスカーンは体を棺の中に引っ込め、ノーダメージとはいかないまでも、最小限のダメージでモロバレルに接近する。
「今だ、シャドーボール!」
モロバレルの真正面にまで来たデスカーンは体を棺から出し、4発のシャドーボールを逃げられないように(根を張るを使っているので元より逃げられないが)それぞれ別方向から放つ。
「やったか?」
砂煙が舞っていてよく見えないが、4発のシャドーボールを受けたのだ。倒せずとも大ダメージには違いないだろう。
と、イリスが思っていると
「モロバレル、しっぺ返し!」
モロバレルの右の傘が、デスカーンをぶっ飛ばした。
「な……!?」
デスカーンは後出しのしっぺ返しに弱点を突かれ、大ダメージを受けて戦闘不能となる。
「戻れ、デスカーン」
デスカーンを戻しつつ、イリスは次のボールを取り出す。しかしそのイリスの表情は険しいものだった。
「まさか、ベルがこんなに強いなんて……!」
正直なことを言うと、バトルが始まる前イリスはベルのことを舐めていた。イリスの知るベルは、バトルが苦手で悩む少女だったのだ。それを、根底から覆されて困惑している。
「……もう、加減はなしだ。行って来い、ウォーグル!」
イリスの3番手は、赤と紺の体毛を持つ勇猛ポケモン、ウォーグルだ。
「モロバレルは無限に回復する根がある。だったら力を溜めて一撃で仕留めるしかない。ウォーグル、ビルドアップ」
ウォーグルは筋肉を増強し、攻撃と防御を高める。
「ブレイククローだ!」
その後、鋭い爪を突き出し、モロバレル目掛けて突撃する。
「モロバレル、エナジーボール!」
ウォーグルの爪がモロバレルを捉える直前、モロバレルはエナジーボールをぶつけてブレイククローの威力を抑える。
「一旦引け、ウォーグル!」
「逃がさないよ。モロバレル、ベノムショック!」
ウォーグルはモロバレルから離れようと翼を羽ばたかせるが、思いの他速いモロバレルのベノムショックがウォーグルを襲う。
「ウォーグル!」
光線状のベノムショックベノムショックを受けてすぐにウォーグルは上空へと舞い上がる。
「大分効いてるな……さっきの一合で、胞子を受けたのか」
ウォーグルの体をよく見ると、一部分が腫れている。恐らくはさっきのブレイククローでモロバレルの特性、胞子を受け、毒状態になったのであろう。さらにベノムショックは毒状態のポケモンに絶大なダメージを与える技。それによりウォーグルはかなりの傷を負った。
「こうなったらあの大技を使うか。幸いモロバレルはまだ回復し切ってないし、やるなら今だろ」
イリスはそう呟くと、軽く深呼吸。そして
「ウォーグル、ブレイブバード!」
ウォーグルへと、指示を飛ばす。
どうにも微妙な終わりになってしまいましたが、とりあえず今回分は終了です。それで少し振り返って見てみると……モロバレルが異常に強いですね。根を張るってそんなに大量に回復できない技なんですが、ベルのモロバレルはみるみるうちに回復……これはもうチートレベルではないのでしょうか?では次回ですが、次回もやはりイリスVSベルです。お楽しみに。