二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 110章 ソウリュウジム戦 イリスVSアイリス ( No.254 )
- 日時: 2011/07/02 17:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
イリスはソウリュウシティの広場で演説をしているゲーチスを睨み付ける。ゲーチスはちょうど演説が終わったところらしく、イリスに気付き、不敵な笑いを浮かべると、下っ端たちを連れて去っていった。
「……イリスよ、この街にはシャガというわしの古い友人がおる」
ゲーチスがいなくなり、アデクは口を開く。
「奴は長い事龍の聖地とも呼ばれるソウリュウシティに住んでおる。だからわしは、奴ならば伝説のドラゴンポケモンを復活させる方法を知っているやもしれんとここを訪れた」
アデクは淡々と語るが、イリスは全部知っている。だから何故こんな話をしているのかと首を傾げる。そして、その疑問はすぐに氷解する。
「まず大前提としてそのシャガだが……実は今、この街にいないそうだ」
「えぇ!?」
イリスは思い切り目を見開き、叫ぶ。
「どこにいったんですか、そのシャガって人は!?」
「うむ。どうやらポケモンリーグイッシュ支部の本部へと向かったようだ」
アデクも少し困ったような顔で言う。
「という事は、僕らはシャガさんがこの街に戻ってくるまで指をくわえて待っていろというのですか!?」
「そういう事になる」
アデクはあっさりと言い放った。そしてイリスは、ガックリとうな垂れる。
「そんな……」
はっきり言って、イリスにはあまり時間がない……と思い込んでいる。実際のところ、Nはイリスが四天王への挑戦資格を獲得——つまりソウリュウジムのジムバッジを手に入れたら行動を起こすつもりだが、勿論イリスはそんな事は知らない。今でも四天王に挑んでいるかもしれないとか思っている。
「まあ、しかし。何もせずと言うわけではない」
アデクは、軽く笑いながら言う。
「この街のジムリーダーはシャガなのだが、そのシャガが所用でジムを開ける時、代わりに代理を置いているらしい。その代理もかなりの実力の持ち主で、その者に勝てばバッジをゲット出来るそうだ」
つまりアデクが言いたい事は、シャガが戻ってくるまでソウリュウのジムリーダー代行と戦ってバッジをゲットしておけ、という事だ。
「幸いシャガはあと2〜3日程度で帰って来るそうだ。今日は休み、明日バトルに挑めば、あわよくばジム戦が終わってすぐ、シャガから話が聞けるかもしれん」
依存は無いか?とアデクは最後に訊ねる。勿論イリスに異議などがあるわけもなく、この日はポケモンセンターで休んだのであった。
後日。
イリスは2つの文化の境界線に位置するソウリュウジムを訪れていた。
「…………」
そして、絶句した。
「……アイリスちゃん」
ソウリュウジム、ジムリーダー代理は、ヒウンシティで出会った少女、アイリスだった。
「あの時のお兄ちゃん。えーっと名前は……イリスさん、だっけ?」
「ああ、合ってるよ……」
成程、とイリスは思った。アーティが何でこんなワイルドな少女と知り合いだったのか、イリスは微妙に気になっていた。しかしそれがジムリーダー——代理だが、まあ良いだろう——同士なら、知っていて当たり前だろう。
「えっと、つまりは君がソウリュウのジムリーダー代理で、僕は君と戦えば良いのかな、アイリスちゃん?」
「うん、そうだよ」
そんなこんなで、イリスVSアイリス。ジムバトルの始まりである。
「出て来て、クリムガン!」
アイリスが繰り出したのは、赤い頭とと青い体を持つドラゴンポケモン、クリムガン。
「クリムガンか……ならまずは様子見。出て来い、デスカーン!」
イリスが繰り出したのは、イリスの手持ちで最も耐久性に優れたポケモン、デスカーン。
「デスカーン、鬼火だ!」
デスカーンはまず、青白い不気味な火の玉を浮かべ、ゆらゆらと揺らしながらクリムガンへと向かわせる。
「クリムガン、火炎放射!」
対するクリムガンは、口から灼熱の炎を放ち、鬼火を相殺する。
「クリムガン、地震!」
さらにクリムガンは地面を揺らし、その衝撃でデスカーンにダメージを与える。
「火炎放射!」
そしておまけと言うように火炎放射を放つ。デスカーンは地震で仰け反っていたため、火炎放射をモロに受ける。
「ぐぅ……デスカーン、シャドーボール!」
デスカーンも負けじと黒い球を4発発射する。
「クリムガン、避けながら接近!」
クリムガンは襲い来る黒球を避けながら、デスカーンに接近する。
「辻斬り!」
そしてデスカーンの脇を通り過ぎる。しかし通り過ぎるだけでなく、通り際にその鋭い爪でデスカーンを切り裂いた。
「デスカーン、怪しい風!」
ここでデスカーンは妖気を含んだ風を吹き荒ばせ、クリムガンを攻撃する。
「クリムガン、逆鱗!」
だがクリムガンは気が狂ったように暴れ、怪しい風をものともせず、堅牢なデスカーンをたった数発の攻撃で戦闘不能にする。
「!……戻ってくれ、デスカーン」
イリスはアイリスのクリムガンの攻撃力に戦慄しつつも、打開策を考える。
ちなみにそのアイリスはというと、クリムガンに何か食べさせている。確かあれは……キーの実とかいう木の実だったっけ?とイリスはおぼろげな記憶を引っ張り出す。
「最後のジム戦……これも、やっぱり一筋縄じゃいかないか……!」
ついに来ましたソウリュウジム戦。お相手はアイリスです。ちなみに本編では触れていませんが、ゲームと同じく3対3のバトルです。では、次回もお楽しみに。