二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 111章 ミイラ盗りはミイラになる ( No.256 )
- 日時: 2011/07/02 20:44
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「次はお前だ。頼むぞ、デンチュラ!」
イリスの2番手は、黄色の青色の蜘蛛のようなポケモン、デンチュラ。
「デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球をまっすぐに発射する。エレキボールは自身の素早さが相手よりも速いほど威力が上がる技。クリムガンは鈍い方なので、その威力は高い。
「クリムガン、火炎放射!」
対するクリムガンは火炎放射で相殺しようとするが、エレキボールの方が威力が高く、相殺し切れずにそのまま雷球を食らう。
「デンチュラ、ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい雷撃を纏い、猛烈な勢いでクリムガンに突撃する。
クリムガンはデンチュラのスピードに対応できず、その一撃を受け吹っ飛ばされる。
デンチュラはワイルドボルトの反動で、その身にダメージを受けるが、平気な顔をしている。
「……何でそのデンチュラ、そんなに傷が浅いの?」
アイリスは、至極真面目にそう訊ねる。
「あたしのクリムガンの特性は鮫肌。直接攻撃を仕掛けたポケモンにダメージを与える特性。でも、そのデンチュラはワイルドボルトの反動だけで、鮫肌の傷を負っているようには見えない」
「…………」
イリスは少し黙るが、すぐに口を開く。
「簡単な事だよ。君のクリムガンの特性は、鮫肌じゃないんだ」
イリスは、前提をひっくり返すような事を言い放った。流石のアイリスもわけが分からないようで、困惑する。
「鮫肌じゃないって……それじゃあ——」
「よく思い出すんだ。君のクリムガンは最初、僕のどのポケモンと戦った」
アイリスは一瞬疑問符を浮かべたが、すぐに気付く。
「デスカーンの……特性……」
「その通り。デスカーンの特性はミイラ。直接攻撃を受けると、相手の特性をミイラに変えてしまうのさ。まさにミイラ盗りがミイラになるってね」
つまり、クリムガンは先ほどのデスカーンとのバトルでデスカーンの体に触れている。それによってデスカーンの特性ミイラが発動し、クリムガンの特性もミイラに変わり、元の特性である鮫肌が消えたのだ。
「まあ、僕のデスカーンは特殊だから、任意でミイラを発動できるんだけどね」
ちなみにイリスは今までの戦いで特性ミイラを使った事がない。理由は『いろいろややこしくなるから』。
「勿論僕のデンチュラは君のクリムガンに触れたから、特性は複眼からミイラに変わったけど、まあ支障はないね」
そう言い終えると、イリスの目付きが変わる。
「デンチュラ、シグナルビーム!」
デンチュラは様々な色彩の光線を束にして発射する。
「クリムガン!」
クリムガンはその光線のスピードに、避ける事が出来なかったが、それでも大した耐久力だった。
「まだだ。切り裂く攻撃!」
デンチュラはさらにクリムガンに飛び掛り。鋭い爪で切り裂く。
「とどめだ。エレキボール!」
最後に、零距離からのエレキボールを発射。クリムガンを戦闘不能にする。
「戻って、クリムガン。……特性ミイラか……なら、次はこのポケモンかな」
そう言って、アイリスはクリムガンを戻し、次のボールを手に取る。
「出て来て、モノズ!」
アイリスの2番手は、青い体に黒い体毛を持ち、その体毛は頭頂部で棘のように突き出ていたり、目があると思しき部分を覆い隠している。
「モノズ、龍の息吹!」
先に動いたのはモノズだった。モノズは口から龍の力が含まれた息吹を発射する。
「デンチュラ、かわしてシグナルビーム」
デンチュラにとって、モノズの龍の息吹は恐れるほどのものではなく、簡単に回避し、シグナルビームを放つ。
「モノズ、大地の力!」
シグナルビーム迫るモノズは、地面から大地のエネルギーを噴出し、シグナルビームを遮り相殺する。
「ハイパーボイス!」
そしてモノズは超重低音による衝撃音を放つ。さしものデンチュラでも音をかわすことは容易ではなく、直撃でこそ無いもの攻撃を受ける。
「まだだデンチュラ。エレキボール!」
デンチュラはすぐに体勢を立て直し、電撃を凝縮した球を発射する。
「モノズ、噛み砕く!」
しかしデンチュラの放った雷球は、モノズが噛み砕いてしまった。
「な……!?」
流石に規格外だった。素早さの高いデンチュラのエレキボールを噛み砕くで文字通り技通り噛み砕くなんて。
「大地の力!」
しかし相手は仰天するイリスを待ってなどくれない。地面から大地のエネルギーを噴出させ、デンチュラを攻撃する。
「ぐぅ……デンチュラ、ワイルドボルト!」
大技で決着をつけるつもりか、デンチュラは激しい雷撃を纏い、モノズに突撃する。
「モノズ、龍の息吹!」
だがしかし、モノズは直線的に突っ込んで来るデンチュラに龍の息吹を放つ。まっすぐ突っ込んできたので、当てるのは容易だった。
さらにデンチュラは、この龍の息吹で麻痺状態にもなってしまった。
「モノズ、ハイパーボイス!」
モノズは超重低音による衝撃音でデンチュラを攻撃し、とどめを刺す。
「くっ、戻れデンチュラ」
イリスは悔しそうにデンチュラをボールに戻す。それもそうだろう。たったの一撃すら当てられず戦闘不能になったのだから。
「……それじゃあ次はお前だ。頼んだぞ——」
イリスは、最後のポケモンを繰り出す。
思いのほかイリスVSアイリスは早く終わりそうですね。まあ、これでだけで終わらせる気は毛頭ありませんが。……まあ、それは置いといて。次回か、その次くらいでしょうか?その辺りでイリスVSアイリスは決着となりますので、お楽しみに。