二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 118章 R9 宣戦布告 ( No.269 )
日時: 2011/07/05 00:43
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

ショッピングモール、アールナイン。
イッシュで最も規模が大きいショッピングモールで、『偏りのない物は全て手に入る』という触れ込みである。
で、その屋上。
屋上は立ち入りが禁止されているわけではないが、そこにはベンチ1つ自販機1つ置いていないため、誰も来ない、来る必要がないのだ。
その屋上に、1人の少年と1人の少女が向かい合っていた。
黒と赤を基調とした帽子を被った少年は困惑の顔、ピンク色の年端もいかぬ少女は至極真剣な顔で、向かい合っていた。
「師匠、私との6対6のフルバトル、受けてもらいます!」
「…………」
少年の名はイリス、少女の名はミキ。ミキは、少し前に別行動を取ったイリスの弟子である。



何故このような、イリスとミキが戦うような事になったのかというと、それは翌日にまで遡る。
イリスはソウリュウジムを終えた後、ソウリュウの図書館で、イッシュの神話や伝説のポケモンなどについて、2日間調べていた。
しかし収穫はゼロ。諦めて出発の準備ををして、さあ出発しようというところで、イリスのライブキャスターが鳴ったのだ。
「誰だろ……?」
イリスはつい最近になってライブキャスターを買い換えたのだ、まだ番号を知るものはほとんどいない。その中で絞るとしても、今更何の用だと言いたくなる相手だ。
とりあえずイリスは通話をオンにする。
『師匠、私です』
相手は、シッポウシティでライトストーンを手に入れてから別行動を取ったイリスの弟子、ミキだった。
「え!? ミキちゃん!? 何で僕のライブキャスターの番号知ってるの!?」
イリスはとにかくその一点が気になるが
『今すぐに9番道路沿いのショッピングモール、アールナインの屋上に来てください』
一方的に用件を言うと、即座にミキは通話を断つ。今までのミキなら考えられない行動だ。
「何があったんだ……? いや、そのアールナインとかに行けば良いのか……?」
イリスはしばし悩んだ末、アールナインに向かう事にした。
ちなみにミキは、イリスの番号が当たるまでひたすら通話をしていたりする。



「……ミキちゃん、いきなりバトルってどういう事?」
イリスはとりあえず、それを訊ねる。
「私の師匠に対する気持ちをはっきりさせたいんです。いくつか方法を考えましたが、これが最善だと判断しました」
即ち、ポケモンバトル。
確かにポケモン同士トレーナー同士のことなら、これ手っ取り早い。
「バトルを始める前に師匠、これを見てください」
言ってミキが取り出したのは、長方形の薄い箱。そこにはポケモンリーグ連盟のシンボルが刻まれている。
そしてミキは、その箱の蓋を開き、その中身をイリスに見せる。
「っ!?」
イリスは驚いた、いや、驚愕した。
そこにあったのは、ジムリーダーを倒して手に入れる勝利の証、ジムバッジが8つ並んでいた。
金色の縁に青、赤、緑の3色が縦に並んだ、トライバッジ。
紫色の長方形に上に2本、下に1本のラインが引かれた、ベーシックバッジ。
黄緑色で、虫の羽のようなデザインの、ビートルバッジ。
黄色と橙色が基調で、稲妻のような形の、ボルトバッジ。
地層と断層と化石をイメージしたような、クエイクバッジ。
水色の鳥の羽のような、ジェットバッジ。
上は灰色で、下は白色の氷柱が張り付いているような、アイシクルバッジ。
黒と灰色の強さの象徴のような形に、真ん中の赤い点、レジェンドバッジ。
それらポケモンリーグ公認の、8つのジムバッジ。それを、ミキは全て持っている。
「……今まで別行動してた理由って、これ?」
イリスの言葉に、ミキは首肯する。
「これは、私が師匠と戦う覚悟の現れで、資格です。イッシュのジムを制覇しないようであれば、私は師匠と戦う権利がありません」
ミキの言葉を聞き、イリスは大きく深呼吸。

「分かった。君がそこまで覚悟をもって臨むなら、僕も全力で相手をするよ!」

言ってイリスは、すぐさまボールを取り出し、ポケモンを出す。そのポケモンは、デスカーン。
「……先にポケモンを出したのは、ハンデのつもりですか?」
「いや。ただ僕がそうしたかっただけさ」
イリスはどこ吹く風で言う。先にポケモンを出すのはどう考えてもハンデ、したがってミキとしてはあまり臨む所ではないが
「師匠らしいといえば、師匠らしいですね。では私はあえて有利なポケモンを出すとします。出て来て、ブルンゲル!」
ミキが繰り出したのは、青い体で手足と思しきものはひらひらとしている。、大きな頭はどことなく王様っぽい顔をしている。
「浮遊ポケモンブルンゲル。ゴーストタイプか。これはどっちが有利とかは、ないだろうね」
イリスは呟き、その後すぐに目を鋭くする。
「デスカーン、鬼火!」
デスカーンは青白い火の玉を無数にブルンゲルに向けて放つ。それらはゆらゆらと不規則な軌道でブルンゲルに襲い掛かる。
「ブルンゲル、滝登り!」
ブルンゲルは襲い掛かる火の玉を全て、自ら纏った水で消滅させ、滝登りの勢いで上空に移動し、その場でふわふわと浮遊する。
「それでは行きますよ、師匠!」
イリスVSミキ。師弟対決が、今ここに始まる。



今回は久々の登場となるミキが出ました。ミキは今までジム戦に勤しんでいたんです。いやー大変でしょうね。……なんか他人事っぽいのは気にせずに。では次回はイリスVSミキです、お楽しみに。