二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 11章  プラズマ団壊滅組織 PDO ( No.27 )
日時: 2011/04/09 19:57
名前: 白黒 (ID: /LylQYeE)
参照: http:/BUENOSUAIRESU

「俺の名はレンジ、プラズマ団幹部の1人だ」
目の前の男は、そう名乗った。
「プラズマ団……幹部?」
負けたと、イリスは直感した。
まだバトルどころかポケモンすら見ていないが、この男には勝てないと、感じた。
「ほらよ」
そう言って、こちらに大き目の袋を投げつけてきた。
「その中にドラゴンの骨が入ってる。ああ、心配するな。衝撃を吸収する綿みたいな物に包まれてるから、傷はつかねえよ」
「何で、骨を返してくれるんだ?」
「言ったろ。もういらねえって。それは俺たちの計画とは無関係だって分かったからな」
「……骨を返してくれたら、それで終わりか?」
「まさか」
レンジは、軽く笑うとモンスターボールを構えた。
「その辺に転がっているのは下っ端とはいえ俺の部下だ。それを蹴散らされちゃ、上司として黙ってはいられない。お前に個人的な恨みはないが、くたばってもうぜ。出て来い、ワ——」
レンジがモンスターボールからポケモンを出そうとしたその時
「連戦で疲れてるトレーナーに対して、幹部の人が出しゃばって倒すってのは、ちょっとどうかと思うよ」
レンジの後ろから、アーティが現れた。
「モストインセクトアーティスト、アーティ、か」
レンジはポケモンを出すのをやめ、アーティの方を向いた。
「アーティさん、何でここに?」
「虫ポケモンたちが、何だか騒がしいから来ちゃった。そしたらプラズマ団の幹部とかいう偉そうな肩書きの人がいたんだよ」
「ジムリーダー1人で、俺を倒せると思っているのか?」
「いんや、倒すことはできなくもないだろうけど、ちょっと骨が折れそうだ。それと、僕1人じゃないよ」
「?」
レンジが頭に疑問符を浮かべていると、後方から数人の足音が聞こえてきた。
「アーティ、こいつかい? プラズマ団の幹部ってのは?」
「はい、そうです」
足音の主は、アロエ、チェレン、ベルだった。どうやら、アーティがライブキャスターで呼んだらしい。
「さーて、うちの博物館の展示品を盗んだ罪は重いよ。どうしてくれようか?」
「ナチュラルボーンゴッデス、アロエ。それと、細々としたトレーナー3人、か。これはちょっときついな……」
「やるっていうなら、それ相応のおもてなしをしてあげるよ。ミルホッグ、ハーデリア。準備はいいかい?」
アロエはいつの間にかミルホッグとハーデリアをボールから出し、臨戦態勢に入っていた。
「ここは退いた方がいいな。出て来い、シンボラー」
レンジはシンボラーを出し、その足につかまって飛び立った。
「逃がすんじゃないよ!ミルホッグ、火炎放射!ハーデリア、10万ボルト!」
相当頭に血が上っているのか、アロエはレンジもろともシンボラーを墜落させる気らしい。
「シンボラー、サイコキネシス」
しかし、アロエのポケモンの攻撃は全てシンボラーのサイコキネシスで打ち消されてしまった。
「ちっ、逃がしたか」
悔しそうに舌打ちするアロエ。
「まあ、いいじゃないですか。皆無事だし、ドラゴンの骨も取り返したし」
「……そうだね。皆、ありがとう。おかげで骨は取り返せたよ」
と、アロエはお礼の言葉を言ったら、早く展示し直すとかで博物館に戻っていった。
「それじゃあ僕もヒウンシティに戻るとしよう。じゃあね」
と言って、アーティもヒウンシティに向かっていった。
「なんだかよく分からないうちに解決しちゃったけど、よかったね」
ベルが今回の事件の感想を言う。
「ベル、君は今回の事件のこと何も分かってなかったのか?」
「何もじゃないよ。大変だってことは分かったもん」
「ほとんど何も分かってないじゃないか……」
溜息混じりにうな垂れるチェレン。
「あ、そこの君たち、ちょっといいか?」
ヒウンシティも方角から、1人の男性が走ってきた。
「はい、なんでしょう?」
「この辺でプラズマ団が出たという情報をつかんだのだが、どこにいるか知ってるかい?」
「えーと、さっきまでいたんですけど、逃げていきました」
「そうか、逃げてしまったか。それなら仕方ない」
こちらもうな垂れてヒウンシティ方面へ歩いていく。
「あなた、何者なんですか?」
さっきまでうな垂れていたチェレンが、男性に問う。
「ん、僕かい? 僕はキリハ。プラズマ団壊滅組織、PDOのメンバーさ」
「プラズマ団壊滅組織? PDO? なんですかそれ?」
意味不明といった風に、イリスが質問する。ちなみにベルは脳の情報処理に時間がかかってるらしく、今は硬直状態。
「名前の通り、プラズマ団を壊滅させるための組織だ。PDOってのは略称。そのまんまだと長いから、プラズマ団のP、壊滅のD、組織のOの頭文字をくっつけただけ」
「で、そのPDOを方が、プラズマ団がここにいるという情報をキャッチし、駆けつけたがプラズマ団は逃げてしまった。ということですね」
チェレンがサラッとキリハの行動を要約する。
「まあ、そういうこと。それじゃあ僕は帰るよ。縁があれば、また」
と言い残して、キリハは去っていった。
「どうする、チェレン?」
「どうするもこうするも、自分のやりたいことをやりたいようにやりながら、旅をする。それだけだよ。あの、PDOって組織の人は敵じゃないみたいだし」
「そうか、そうだね」
そうして3人は、ヒウンシティに向かった。

「ねえ、PDOって何? キリハさんって誰?」
これが、後に3人がポケモンセンターで話し合った時のベルの第一声だった。



今回はバトルシーン全然ないです、すみません。新しい組織、PDO。これからも物語りに関わってくる重要な組織です。なお、投稿してくれたオリキャラは大抵ここに所属すると思います(僕の独断です、すいません)。次回もまた、プラズマ団幹部登場、今度こそバトルが発生するでしょうか。では、また。