二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 119章 イリスVSミキ ( No.271 )
- 日時: 2011/07/05 23:30
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「ブルンゲル、エナジーボール!」
ブルンゲルは上空から緑色の球を4発、デスカーンに発射する。
「全部打ち消すぞ、デスカーン。シャドーボール!」
デスカーンも影で作った黒い球を4発放ち、エナジーボール全てにぶつけて相殺する。
「ブルンゲル、さらにエナジーボール!」
ブルンゲルはまたエナジーボールを発射するが、その数は8つ。さっきの倍の数だ。
「これは相殺し切れないな……デスカーン、守る!」
相殺は出来ないと見たデスカーンは、自分の周りに防御膜を張って攻撃から身を守る。
「怪しい風だ!」
そしてデスカーンは妖気を含んだ風を発生させ、ブルンゲルを攻撃する。
「ブルンゲル、こっちも怪しい風!」
だがブルンゲルも同時に怪しい風を発生させ、互いにぶつけ合う。結果どちらとも相殺される。
「シャドーボール!」
「エナジーボール!」
デスカーンの放つ影の球は、ブルンゲルが発射する緑色の球に相殺される。
「デスカーン、怪しい風!」
「ブルンゲル、怪しい風!」
デスカーンとブルンゲルは同時に怪しい風を発生させ、相殺される。
デスカーンもブルンゲルも基本は防御型なので、こうやって互いの技の打ち消し合いになってしまうとなかなか勝負は終わらない。この状態が常に続くならば、最終的に勝つのはスタミナのあるポケモンだろう。
「デスカーンはブルンゲルより堅いけど、体力ではブルンゲルの方が圧倒的に上。ミキちゃん、君は初っ端からなんてバトルをするんだ」
イリスは文句を言うように言う。それも戦略の1つなのだが、しかしこの場合は文句も言いたくなるだろう。
「いえいえ、私は別に持久戦なんて考えてませんよ。確かにデスカーンの体力を消耗させる事が目的ですが、それも段階的ですしね」
「? 何の事?」
「直分かりますよ」
そう言ってイリスとミキは場のポケモンを見る。デスカーンは、明らかに疲弊している。ブルンゲルは、まだまだ余裕の表情。
「そろそろ頃合かな……ブルンゲル、エナジーボール連射!」
ブルンゲルは緑色の球を作り出し、発射する。そしてまた作り、発射。それを繰り返す。
「! デスカーン、守る!」
デスカーンは急いで防御膜を張り、エナジーボールを防ぐ。しかし一度にいくつもの球を発射するならともかく、連続でやられれば防御膜はいずれ崩れる。その前になんとかしなくてはならない。
とイリスが思っている矢先、デスカーンの防御膜は崩れ、連続して発射されるエナジーボールを喰らう。
「デスカーン!」
デスカーンはエナジーボールを7発ほど喰らったが、連発だったためか威力は大したことなく、致命傷にはならなかった。
(……変だな。デスカーンの守るが解けるのが異様に早かった。まさかこれもミキちゃんが狙っている事なのか……?)
イリスは思考を巡らせるが、それは少し遅かった。
「ブルンゲル、潮吹き!」
ブルンゲルは大量の海水を体から上空へ噴射する。遥か上空まで噴射された海水だが、地球には重力があるため、そのまま地上へと落下する。かなり高く舞い上がった海水は、物凄いスピードでデスカーンに降り注ぐ。
高所から落ちる物は次第に速度を増す。速度を増した物体は多大なエネルギーを持つ。多大なエネルギーを持つ物体は、他の物体当たったとき、途轍もない衝撃を与える。
つまりデスカーンは、さながら滝のように降り注ぐ海水を全身に打ち付けられ、戦闘不能となる。
「……成程。デスカーンを疲弊させて、守るを使わせる。守るが解けたところを見計らって、最大出力の潮吹きでとどめを刺す。体力の多いブルンゲルらしい戦い方だね」
イリスはデスカーンをボールに戻しながらそう言う。
「それに、自分より高い位置にいるポケモンは攻撃し難い。最初に滝登りを使った理由はそこだね」
「よく分かりましたね。流石は師匠です」
特に褒める気はないのか、ミキは淡々と言う。
「そのブルンゲルの戦法を根底から崩すのは難しそうだから、せめて同じ土俵で戦うとしよう。出て来い、ウォーグル!」
イリスは空中に浮くブルンゲルに対し、飛行タイプのウォーグルを繰り出す。
「さて、ブルンゲルの特性は呪われボディ。何回も攻撃して技を封じられちゃ堪らないから、能力を上げて一撃で決めるとしよう。ウォーグル、ビルドアップ」
ウォーグルは筋肉を増強させて攻撃力と防御力を高める。
「ブルンゲル、エナジーボール!」
ブルンゲルは4発のエナジーボールを放つ。飛行タイプのウォーグルには効果いまひとつの技なので、恐らくは威嚇か牽制だろう。
「避けろウォーグル。エアスラッシュ」
ウォーグルは襲い掛かる緑色の球を全て避け、空気の刃を放つ。放たれた刃はそのままブルンゲルを切り裂く。
「……一撃で決めるとか言っておきながら、もう攻撃ですか」
「さっきのは言葉の綾だよ。それに、そのエアスラッシュは君のブルンゲルがどの程度の素早さかを測ったんだけど……やっぱり鈍いみたいだね」
イリスはニヤリと笑う。正直あまり様になっていない。
「んじゃ、そろそろ決めますか」
イリスがそう言うと、ウォーグルは遥か上空—ブルンゲルより高く大空を舞う。
最近、話ごとの終わりが微妙になっているような気がするのは僕だけでしょうか?まあ、そんなこと(結構大きな問題)は置いといて、早速次回予告を。あれ?でもいつもこんな感じで次回予告に移っているような……?まあ、それも置いときましょう。次回予告です。というか、次回も今回の続きですね。師弟対決をお楽しみに。