二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 123章 龍に勝る四季の鹿 ( No.280 )
日時: 2011/07/07 17:16
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「コジョンド、戻って」
ミキは諸刃の頭突きの直撃を受け戦闘不能となったコジョンドをボールに戻す。
「出て来て、ドリュウズ!」
そしてモグラのようなポケモン、ドリュウズを繰り出す。
「ドリュウズ、鋼タイプか。格闘タイプのズルズキンには丁度良いな。ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンは拳に炎を灯し、ドリュウズに向かって走り出す。
「ドリュウズ、気合玉!」
ドリュウズは向かい来るズルズキンに、気合を込めた玉を放つ。
「弾き飛ばせ!」
襲い掛かる気合玉を、ズルズキンは炎のパンチで弾き飛ばす。
「行け、ズルズキン!」
ズルズキンはドリュウズに接近すると、炎を纏った拳を振りかぶり、ドリュウズを殴打する。
「ドリュウズ、メタルクロー!」
だがドリュウズも一方的にやられるような事はなく、鋼のように硬い爪でズルズキンを切り裂く。
「気合玉!」
メタルクローで仰け反ったズルズキンに、ドリュウズは至近距離から気合玉を喰らわせる。ドリュウズは攻撃型だが、それでも効果抜群の攻撃を至近距離から喰らえばかなりのダメージになるだろう。
「ぐぅ……ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、物凄い勢いでドリュウズに突撃する。
「ドリュウズ、ドリルライナー!」
ドリュウズは刃のような両手の爪と頭の角を合わせ、ドリルのような形状になる。そしてその状態で高速回転し、突撃して来るズルズキンに突っ込む。
ズルズキンとドリュウズが互いにぶつかり合い、せめぎ合う。結果、お互いに吹っ飛ばされたが、ドリュウズは着地成功、ズルズキンは失敗して無様に倒れ込む。
「ドリュウズ、岩雪崩!」
ドリュウズは倒れているズルズキンに容赦なく岩石を落とし、攻撃する。
「ドリルライナー!」
そしてまたドリルのような形状になり、高速回転しながらズルズキンに突っ込む。
今度のドリルライナーは当たり、ズルズキンは吹っ飛ばされる。
「ズルズキン、大丈夫か?」
ズルズキンはゆっくりと立ち上がり、首を縦に振る。
しかし体はさっきのコジョンドとの戦いでかなり疲弊している上、ドリュウズの高い攻撃力でボロボロだ。そう長くは戦えないだろう。
「跳び膝蹴り!」
ズルズキンはドリュウズに向かって走り出し、跳び膝蹴りを放つ構えを取る。
「ドリュウズ、メタルクロー!」
ドリュウズは向かって来るズルズキンを鋼の爪で切り裂く。
しかしズルズキンは体勢を全く崩さず、そのまま跳び膝蹴りをドリュウズに叩き込む!
「……防御されちゃったか」
イリスは呟く。ドリュウズは跳び膝蹴りが当たる直前、鋼の爪を盾のように使い、直撃を防いだのだ。
「よし、ズルズキン、もう一度跳び膝蹴り!」
「そんなに何度も喰らいませんよ。ドリュウズ、気合玉!」
ズルズキンが放とうとする跳び膝蹴りに、ドリュウズは気合玉をぶつけけ攻撃を失敗させる。
「メタルクロー!」
「炎のパンチ!」
ドリュウズの鋼の爪と、ズルズキンの炎の拳がぶつかり合い、火花を散らす。いや、散っているのは火の粉かもしれないが。
「ドリュウズ下がって。岩雪崩!」
ドリュウズはズルズキンから距離を取り、いくつもの岩石を雪崩のように落とす。
「ズルズキン、諸刃の頭突きで突っ切れ!」
ズルズキンは落下する岩石になど目もくれず、頭を突き出して猛進する。降り注ぐ岩は耐え、目の前に落ちる岩は砕いて、ズルズキンは進んで行く。
「う……ドリュウズ、気合玉!」
ドリュウズはかなり近づいてきたズルズキンに、慌てて気合玉を放つが、そんな気持ちで放った気合玉が諸刃の頭突きで向かって来るズルズキンに通用するはずもなく、簡単に掻き消された。
「ズルズキン、そのまま突っ込め!」
そうイリスが叫んだ次の瞬間、ズルズキンの頭はドリュウズを捉えいる。そしてそのままドリュウズは吹き飛ばされる。
「ドリュウズ!」
ドリュウズは大ダメージを負ったようだが、まだ戦闘不能ではないらしく、足元がおぼつきながらも立ち上がる。
「ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンは攻撃の手を緩めず、炎を灯した拳でドリュウズに殴りかかる。
「メタルクロー!」
ドリュウズはそんなズルズキンの一撃を受けるが、カウンターでメタルクローを喰らわせる。攻撃後の無防備な時に喰らわせたため、結構なダメージだろう。
「決めるよドリュウズ。ドリルライナー!」
ドリュウズは両手の爪と頭の角を合わせ、ドリルのような形状となり、高速で回転しながらズルズキンに突っ込む。
ズルズキンは今倒れた体を起こしている所で、ドリュウズにとっては絶好の的だった。
しかし

「ズルズキン、受け止めろ!」

ズルズキンは体を起こして立ち上がると、もう目の前まで迫っているドリュウズの側面を押さえる。ドリュウズは高速で回転しているため、それくらいでは止まらないが、ズルズキンは必死で止めている。
数十秒後、回転時間が終わったドリュウズの回転は止まる。ズルズキンにとっては最高のチャンスだった。
「ズルズキン、跳び膝蹴りだ!」
ズルズキンはそのままの体勢で跳び膝蹴りを放ち、ドリュウズを大きく吹っ飛ばす。
ドリュウズはドリル状のまま落下し、合わさっていた爪と角が解ける。
するとそこには、目を回して戦闘不能になっているポケモンの姿があった。
「ありがとう、ドリュウズ。ゆっくり休んでて」
ミキはドリュウズをボールに戻す。
「ふぅ……さて、次が私の最後のポケモンです。このポケモンは私の手持ちの中で最も強いポケモンなので、覚悟してください」
ミキは表情を少し鋭くし、そう言う。
「さあ出て来て、メブキジカ!」
ミキが繰り出したのは、鹿のような体に、桜の枝に花が咲いた角を持つポケモン、メブキジカだ。
「メブキジカはノーマルタイプ。一気に行くよ、ズルズキン。跳び膝—」
「破壊光線」
ズガァン!
大きな爆音が鳴り響き、気付けばズルズキンは戦闘不能となっていた。
「だから言ったじゃないですか、覚悟してくださいって。私のメブキジカは、1体でソウリュウジムのジムリーダーを倒すほど強いんですから」



今回は少し長くなってしまいましたが、まあ良いでしょう。本編が長いと言う事で、あとがきは短めで。次回はイリスVSミキ師弟対決、決着です。お楽しみに。