二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 125章 イリスVSチェレン ( No.284 )
日時: 2011/07/09 13:58
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

10番道路。
深い緑と川で囲まれた自然豊かな道路。そして、そこを抜けた先にはバッジチェックゲート、さらに先にはチャンピオンロード。そしてそこを抜ければ、トレーナーの終着点、ポケモンリーグがある。
ソウリュウシティを出発したイリスのミキは、その10番道路を進む。そしてバッジチェックゲートまでもうすぐという桟橋に差し掛かったところで、呼び止められた。
「ストップ、イリス!」
イリスは驚いて振り返ると、そこにはチェレンがいた。その後ろにはベルもいる。
「チェレン……」
「イリス、君はポケモンリーグに行くんだろう?」
チェレンは、いつもよりもさらに真剣な眼差しで、イリスに問う。
「……うん。行くよ。行ってNとバトルする」
「そうか……」
イリスはすぐに踵を返し、目的地へと向かおうとするが

「イリス、君の強さを確かめたい。だから、僕と6対6のフルバトルで勝負だ」

チェレンの言葉に、イリスは予想していたといわんばかりの声で答える。
「勿論」



「まず僕からポケモンを出すよ。出て来い、オーベム!」
チェレンが繰り出したポケモンは、茶色い体に3本の指は赤、黄、緑の3色に分かれており、点滅している。
「じゃあ僕はこいつだ。出て来い、ウォーグル!」
イリスが繰り出したのは、勇猛ポケモンウォーグルだ。
「先攻はもらうよ、イリス。オーベム、10万ボルト!」
オーベムは指に電撃を溜め、それをウォーグルに向けて放つ。
「避けろウォーグル、ビルドアップ!」
ウォーグルは電撃をかわし、自らの筋肉を増強し、攻撃と防御を高める。
「だったらこれどうだ。サイケ光線!」
オーベムは次に、指から光線状の念波を発射する。
「それもかわせ!」
ウォーグルは羽ばたき、念派の光線を避ける。
「ビルドアップ!」
そしてまたもビルドアップ。一撃で決めるつもりなのだろうか。
「連続でサイケ光線!」
だがオーベムは負けじとサイケ光線を連発する。
「全部かわせ!」
ウォーグルは旋回し、襲い掛かる無数の光線を避ける。
「ビルドアップからブレイククロー!」
全てかわしきった後、ウォーグルはビルドアップで能力を高め、すぐさまブレイククローに繋げる。
「オーベム、目覚めるパワー!」
オーベムは指先からいくつもの黒い小球を放ち、ウォーグルを攻撃する。全速力で突っ込んだため、ウォーグルはそれらの攻撃を避ける事が出来ずに、直撃を喰らう。
「10万ボルトだ!」
そしてオーベムはすかさず高電圧の電撃を放つ。ウォーグルはなんとかそれをかわし、飛び立つ。
「ウォーグル、エアスラッシュ!」
「オーベム、10万ボルトで打ち消せ!」
ウォーグルは翼を振って空気の刃を飛ばすが、オーベムの10万ボルトで相殺されてしまう。
「ブレイククロー!」
ウォーグルは思い切ってオーベムに突っ込む。しかし最初の時ほど速くはない。目覚めるパワーを警戒しているのだろう。
「オーベム、目覚めるパワーだ!」
オーベムは黒い小球をいくつも発射する。しかしウォーグルはそれらの小球を全てかわす。これは減速したのが功を奏したと思ったが
「速度を落として攻撃を回避する前後は、隙だらけだよ。オーベム、思念の頭突き!」
オーベムはウォーグルの隙を突いた思念の頭突きを喰らわせる。まともに当たったようで、今のはかなり効いた。
「もう一度思念の頭突き!」
さらにオーベムは思念の頭突きを放つ。ウォーグルはさっきの頭突きで怯んでいたため、また直撃を喰らった。
「ヤバイ……ウォーグル、一旦退け!」
そう指示され、ウォーグルはオーベムから距離を取る。
「ウォーグルの主体は近接戦闘。もしそのレンジでオーベムが戦えば、まず確実にやられる。だけど、それなら話は簡単だ。近寄らせなければ良い。ロングレンジ攻撃はオーベムの十八番だからね」
チェレンは何も言ってないのに説明を始める。悪いというより鬱陶しい癖だが、それはそれだけ余裕があると言う事だ。
「くっ、ウォーグル、エアスラッシュ!」
ウォーグルは再び空気の刃を飛ばすが
「10万ボルト」
オーベムの10万ボルトで相殺される。
「ブレイククロー!」
今度は大きく鋭い爪を構え、突撃するが
「目覚めるパワーだ」
今度も黒い小球をいくつも喰らい、止まってしまう。
「オーベム、サイケ光線」
そして近距離からのサイケ光線を喰らい吹っ飛ばされる。
「遠距離からの攻撃じゃ効かないし、接近しようにも止められる。それにこんなバトルを続けてたらジリ貧だ。どうするか……」
イリスは考えるも、良い作戦は思いつかない。
「……ごちゃごちゃ考えるのはやめよう。ウォーグルには似合わない。だから、力技の一発勝負で決めるとしよう」
イリスは清々しい顔で、ウォーグルに指示を出す。
「ウォーグル、ブレイブバード!」
ウォーグルは全身に膨大なエネルギーを纏い、物凄い勢いで、全速力でオーベムに突撃する。
「オーベム、サイケ光線!」
オーベムはサイケ光線でウォーグルの迎撃を試みるが、その程度ではウォーグルは止まらない。
「行っけぇ!」
ズガァン!という爆音とともに、盛大に砂煙が舞う。その砂煙が晴れると、そこには戦闘不能となった2体のポケモンがいた。
「両者共に戦闘不能。初っ端からこれか」
チェレンはぼやくようにそう言いつつ、オーベムをボールに戻す。
「別に良いだろ、始まりは突飛な方が面白い」
イリスもそう言って、ウォーグルをボールに戻す。
イリスVSチェレン。その始まりは、両者共に互角の力を持つという事を告げたのだった。



イリスVSチェレン、開戦です。第2回幼馴染対決です。まあ、だからなんだと言う感じでしょうが。とにかく、ベル、アイリス、シャガ、ミキと、ビッグイベントバトル5連戦(連戦と言うべきかどうか微妙)、そのファイナルです。では、次回のイリスVSチェレンもお楽しみに。