二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 127章 2倍の戦力差 ( No.287 )
- 日時: 2011/07/10 20:26
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「チラチーノ、ハイパーボイス!」
チラチーノは息を大きく吸い、超高音の衝撃波を放つ。
「ガマゲロゲ、こっちもハイパーボイスだ」
対するガマゲロゲも息を吸い、こちらは重低音による衝撃波を発射する。
互いの衝撃波がぶつかり合い、相殺する。
「チラチーノ、気合玉!」
チラチーノは気合を込めた玉を7つ自分の周囲に浮かべ、それらをガマゲロゲに向かって放つ。
「濁流で押し流せ!」
ガマゲロゲは大きく叫ぶと、どこからともなく濁った大波が現れ、気合玉とチラチーノをを押し流す。
「とどめだ、マッドショット!」
最後にガマゲロゲは泥を光線のように発射し、チラチーノを吹き飛ばす。
「くっ……戻れ、チラチーノ」
イリスは苦しい顔でチラチーノをボールに戻す。イリスはこれで残りの手持ちは3体。対するチェレンはガマゲロゲを入れて5体も残っている。
「でも、ここで諦めるわけにはいかない。出て来い、ズルズキン!」
イリスのが次に繰り出すのは、悪党ポケモンのズルズキンだ。
「ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンは拳に炎を灯し、ガマゲロゲに向かって走り出す。
「濁流で押し流せ!」
ガマゲロゲは叫び、どこからともなく濁流を発生させ、ズルズキンを押し流そうとする。
「ズルズキン、跳べ!」
しかしズルズキンはこれを予想していたようで、大きく跳躍して濁流をかわし、落下とともにガマゲロゲの脳天に拳を叩き込む。
「そこから跳び膝蹴り!」
着地したズルズキンは間髪入れずにまた跳び、ガマゲロゲの腹に強烈な膝蹴りを叩き込む。
流石のガマゲロゲもその一撃は効いたのか、ズルズキンが足を引くと同時に、前のめりに倒れた。
「……戻れ、ガマゲロゲ」
チェレンはガマゲロゲをボールに戻し、次のポケモンが入ったボールを構える。
「次は君だ。出て来い、ケンホロウ!」
チェレンの3番手は、キジのような姿に桃色の仮面のような飾りが顔についている。
プライドポケモン、ケンホロウ。飛行タイプを持つポケモンだ。
「格闘タイプのズルズキンに対しては、無難な人選(ポケ選?)だね。君らしいよ、チェレン」
「それはどうも」
イリスの軽口に、適当に対応するチェレン。この辺の流れは流石幼馴染だ。
「それじゃあ行くよ。ケンホロウ、まずは電光石火!」
ケンホロウは目にも止まらぬスピードでズルズキンに突撃する。しかしスピードは速いが威力は大した事無く、ズルズキンにダメージはほとんどない。
「続けてエアカッターだ!」
ケンホロウは上空で翼を羽ばたかせ、いくつもの空気の刃を飛ばす。
「ぐっ、耐えろ、ズルズキン」
このエアカッターはズルズキンには効果抜群だが、それでも致命傷となるほどの事ではない。
どうやらこのケンホロウは、攻撃よりも素早さを重視して育てているようだ。なので一撃一撃は軽いが、手数で攻める戦法なのだろう。
「ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンはエアカッターが止むと、拳に炎を纏わせて跳躍し、ケンホロウに殴りかかる。
「フェザーダンスだ」
ケンホロウはズルズキンの攻撃に慌てる事無く翼を羽ばたかせ、無数の羽でズルズキンを覆う。羽はすぐにズルズキンから離れ、ズルズキンは拳を振るうが、ケンホロウはタイミングがずれたその攻撃をあっさりとかわす。
「一応言っておくけど、フェザーダンスは相手の攻撃力を下げる技だ。さっきは攻撃のタイミングが上手い具合にずれて避けられたけど、もし当たったとしてもそのズルズキンの攻撃力は半減しているから、防御の低い僕のケンホロウでも余裕で耐えられただろうね」
チェレンの言葉に、イリスは冷や汗をかく。つまりチェレンは、ズルズキンを弱体化させて倒そうという腹らしい。
「ケンホロウ。エアカッター!」
ケンホロウは翼を羽ばたかせ、無数の空気の刃を飛ばす。
「ズルズキン、耐えるんだ!」
エアカッターは数が多い上に速いので、ズルズキンでは避けきれない。なのであえて防御を固めて攻撃に耐える。
「……よし。ズルズキン、跳び上がって噛み砕く!」
エアカッターを耐え切ったズルズキンは跳躍し、空中にいるケンホロウにその硬い歯で噛み付く——
事は出来なかった。
「!? ズルズキン……!」
ズルズキンはその場でうずくまり、苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。
「やっと毒が効いたか。意外と巡りが悪かったね」
「毒……?」
チェレンの言葉に、イリスは疑問符を浮かべて復唱する。
「そう、毒さ。君のズルズキンはガマゲロゲの頭に物理攻撃を仕掛けただろう?ガマゲロゲは頭のコブから神経を麻痺させる毒液を出す事が出来る。君のズルズキンは、その毒液で神経が麻痺し、動けないのさ」
「っ!?」
イリスは驚愕する。もし本当にそうなのであれば、ズルズキンはもう負けたに等しい。動けないのであれば、敵の攻撃を避ける事はおろか自分から攻撃する事もできない。これはもう、詰んだ。
「とどめを刺すよ。ケンホロウ、ギガインパクト!」
ケンホロウは上空から物凄いエネルギーを纏い、猛スピードでズルズキン目掛けて急降下。そして激突し、ズルズキンは吹っ飛ばされる。
「ズルズキン!」
吹っ飛ばされたズルズキンを見ると、完全に目を回している。戦闘不能だ。
「さて、これで君の残りポケモンは2体。どうする、イリス?」
「ぐっ……」
チェレンの言葉と目に気圧されそうになるイリスだが、踏ん張って気丈に振舞う。
「まだだ。まだ全員やられたわけじゃない。仲間が1体でも残っていれば、まだ勝機はある!」
今更ながら思いますが、ゲームだったらこの状況、ほぼ終わりじゃないですか?いや、確かに回復道具なんかを駆使すれば勝てなくもないでしょうけど、それでもかなりキツイバトルになることでしょうね……ではでは次回予告を。次回はイリスVSチェレンパート4です。お楽しみに。