二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 128章 弱点攻め ( No.288 )
- 日時: 2011/07/10 21:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「頼んだぞ、デンチュラ!」
イリスは電気蜘蛛ポケモンのデンチュラを繰り出す。チェレンは残り4体、イリスはこれで5体目なので、かなりピンチだ。
「ケンホロウ、電光石火!」
ケンホロウは高速でデンチュラに突撃し、それを繰り返す。しかしやはり威力は低い。
「デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を圧縮した球を発射し、ケンホロウを攻撃する。
「かわせ、ケンホロウ!」
ケンホロウはその雷球を旋回しながらかわす。
「エアカッター!」
そしてそのまま翼を羽ばたかせ、無数の空気の刃を飛ばす。
「避けろ、デンチュラ!」
デンチュラはそれらを体を捻り、伏せ、身代わりも駆使して全て避け切る。
「跳び上がってシザークロス!」
デンチュラはケンホロウがエアカッターで疲れているところを見計らい、跳躍してその爪を交差させ、十字に切り裂く。
「くっ、だがこの程度のなら問題ない。ケンホロウ、フェザーダンス」
ケンホロウはシザークロスを受け、少し仰け反るが、すぐに体勢を立て直して翼を羽ばたかせ、無数の羽でデンチュラを包み込もうとするが
「遅い、エレキボール!」
ケンホロウがフェザーダンスの距離調整のために接近すると、デンチュラは電撃を圧縮した球でケンホロウを攻撃する。
「ケンホロウ!」
ケンホロウは地面に叩き落される。落下の衝撃と効果抜群の技が相まって、ケンホロウは戦闘不能になった。
「戻れ、ケンホロウ」
チェレンはケンホロウをボールに戻す。
「デンチュラは電気タイプ。なら、このポケモンだな。出て来い、ギガイアス!」
チェレンが繰り出したポケモンは、高圧ポケモンのギガイアス。紺色の巨岩が集結したような姿をしており、体表から無数のオレンジ色のエネルギー結晶体が生えている。
そしてこのギガイアスは、岩タイプだ。
「ヤバ……」
デンチュラは防御が低い。そしてこのギガイアスは攻撃が高い。その上虫タイプであるデンチュラの弱点の1つ、岩タイプなため、この勝負はかなり分が悪い。
(だからといってデンチュラを交代させて、ダイケンキを消耗させるのもな……)
イリスは基本、切り札は最後まで取っておくタイプなので、この状況でも入れ替えるという選択肢を選ぶのに躊躇してしまうのだ。
「ええい、もうやるしかない。行くぞデンチュラ、エレキボール!」
交代せずに戦う事にしたらしいイリスは、デンチュラにエレキボールを指示する。
電撃を圧縮した球はまっすぐギガイアスに飛んで行き、そのままヒットする。
「効いてない……?」
エレキボールは確かにギガイアス当たったが、ギガイアスは当たった所から煙が上がるだけで、微動だにしない。
「僕のギガイアスは防御だけでなく特防も出来る限り上げてある。その程度の攻撃じゃ、傷を付けるのが精一杯だよ」
ギガイアスは攻撃や防御は高いが、その分特殊系に関しては攻撃と防御ともに低く、そこが弱点だ。しかしそのうちの防御が完璧になれば、かなりの脅威になる。
「さあ行くよ。ギガイアス、ストーンエッジ!」
ギガイアスは無数の尖った鋭い岩をデンチュラに飛ばす。
「デンチュラ、ジャンプして回避だ!」
デンチュラはそのストーンエッジを跳躍して回避し、ギガイアスの頭上に来る。
「そのままシザークロス!」
そしてデンチュラは爪を交差させ、ギガイアスに斬り掛かる。
「ギガイアス、鉄壁」
しかしギガイアスは体を鋼鉄のように硬化させ、シザークロスを防御する。
「頭突きだ」
そしてギガイアスは頭を突き出し。デンチュラに頭突きを見舞おうとする。しかしその頭突きは、デンチュラの素早さのお陰で回避される。
「まだだよ。ギガイアス、地震!」
ギガイアスはさらに地面を大きく揺らし、その衝撃でデンチュラを攻撃しようとする。
「ジャンプでかわせ!」
デンチュラは指示通り跳躍し、地震を回避する。
「エレキボールだ!」
デンチュラは空中でエレキボールを発射する。エレキボールは緩い放物線を描き、ギガイアスの頭にある結晶体にヒットする。
「くっ、ギガイアス……」
ギガイアスを見ると、さっきのエレキボールはかなり効いているようだった。
(結晶体が弱点か……? いや、最初のエレキボールも胴体の結晶体に当たったけど、大きなダメージはなさそうだった。ということは頭の結晶体が弱点か)
弱点さえ分かれば、イリスは状況を逆転出来る。
「よし。デンチュラ、ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃を纏い、物凄い勢いでギガイアスに突っ込む。
「ギガイアス、鉄壁だ!」
ギガイアスはそれに対し、体を鋼鉄のように硬くして防御する。
「顔面に向かって切り裂く!」
とそこで、デンチュラは素早くギガイアスの顔面を切り裂く。効果いまひとつとはいえ、それなりには効いているようだ。
「弱点を気付かれたか……ギガイアス、決めるよ。ストーンエッジ!」
ギガイアスは地面から鋭い岩を無数に発射する。その攻撃範囲は、自分の体を覆うように発射され、攻防一体の攻撃だった。
「無駄だよ。デンチュラ、回転をかけてエレキボール!」
デンチュラはギガイアスを螺旋するような軌道のエレキボールを放ち、鋭い岩を全て弾き、ギガイアスに当て、そのままエレキボールもギガイアスの顔面にヒットさせる。
「ギガイアス!」
最後の一撃で、ギガイアスは崩れ落ちる。戦闘不能になったのだ。
「これで、2対2。追いついたよ、チェレン」
そしてイリスの闘志は、さらに燃え上がる。
今回はベル戦、ミキ戦で虚しく敗退したデンチュラが大活躍です。では次回もデンチュラが大活躍……すると思います、ええ。というわけで(どういうわけ?)、次回のイリスVSチェレン、パート……5か。パート5もお楽しみに。