二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 132章 ポケモンリーグ ( No.292 )
- 日時: 2011/07/13 20:03
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
イリス、チェレン、ベル、ミキの4人はチャンピオンロードに足を踏み入れるも、そこには夥しい数のプラズマ団がいた。
チャンピオンロードは巨大な山の内部が洞窟になっており、山の外壁と内部を行き来する事でポケモンリーグに辿り着く事が出来る。今イリスたちが見えるのは外壁の一部分だけ。そこだけでも100名以上のプラズマ団がいる。
「これじゃあ僕ら、ポケモンリーグに着くまでに力尽きるぞ……」
イリスは絶望したような顔をする。それに伴い、他の3人の表情も沈んでいく。
その時だった。
「おいおい、英雄がそんな顔してたらダメだろ」
後方から声が聞こえ、慌てて振り返る。するとそこには、PDOのリーダー。ジルウェと、サブリーダーのシスタがいた。
「ここは私達に任せて、先に行ってください」
「行ってくださいって……でもこの山を抜けない事にはチャンピオンロードには……」
「だったら空を飛んで行けば良い。別に山を抜けなくちゃならない規則なんてないしね」
ジルウェのその言葉を聞き、4人は成程と言った風に手を叩いた。
ポケモンリーグ前。
「意外とあっけなく着いたね」
「そうだね。まあ、僕らからしたら都合は良いけど」
「ジルウェさんとシスタさん大丈夫かなぁ……」
「大丈夫ですよ。まがいなりにもPDOのトップ2ですから。心配要りません」
「それよりも早く行こうよ」
ベルが催促するので、4人はポケモンリーグのまさに一歩手前まで来て、足を止める。
「来たね、イリス」
そこにはNがいた。
「部外者がぞろぞろといるけど、まあ、この場合は都合が良いかな……」
「N、何で君はまだここにいるんだ?」
Nの呟きを無視して、イリスはNに問う。
「僕は君らにルールの説明に来たんだ」
「ルール?」
イリスは復唱する。
「そう、ルール。僕はさっき四天王4人と戦って勝った。そしてその時、ちょっとした暗示をかけさせてもらったんだ」
「暗示、だと?」
「うん、暗示。まあ、別に心身を操るとかそういうわけじゃないよ。むしろこの暗示は君らに都合の良いものだ。僕が四天王にかけた暗示は、記憶の操作だ」
「記憶の、操作……!?」
Nの言葉に、イリスは目を見開く。
「ああ、記憶の操作とは言っても、そんなに大したものじゃない。ただ、彼らにはポケモンリーグの規則などを忘れてもらった」
Nはそう言うと、用は済んだと言わんばかりに踵を返す。
「待て、N!」
イリスはNに手を伸ばすが、届かない。
「それじゃあ、待ってるよ、イリス」
そしてNは、ポケモンリーグの内部へと去っていった。
ポケモンリーグ内部。
「イリス、ここは4手に別れよう」
リーグ内部に入るなり、チェレンはそんな事を言い出した。
「何言ってんのさチェレン。ポケモンリーグは1人でしか挑戦できない。そういう規則なんだ。それくらい分かるだろ」
イリスの言葉に、チェレンは首を振る。
「もしNの言葉が本当なら、僕らはリーグの規則を破っても良いはずだ。なにせ、相手に規則に関する記憶がないんだからね。今現在こうして僕らがここにいるのが何よりの証拠だ」
言われてイリスは気付く。確かに、普通なら最初の門のところで3人は弾かれてしまうはずだ。
「それに、君ばっかり頑張って、僕らに出番がないってのは、いささか不公平だろう?」
チェレンは微笑みながら言う。ベルもミキも、やる気のようだ。
「……分かった。それじゃあ、皆気をつけて。絶対に勝ってね」
そして4人は、それぞれ別れ、四天王と戦う事になる。
ポケモンリーグ内部には4つの塔が存在し、それぞれの塔に1人ずつ四天王が待ち構えている。
イリスが向かったのは南西の塔。その内部は、古く寂れた洋館のようで、たくさんの書物があった。しかしどれも相当古いもので、ボロボロになっていたり、黄ばんでいたり、埃を被っていたりして、字が読めない。中には昔の文字が使われている本まであった。
イリスは、そんな幽霊屋敷のような塔の、今にも崩れ落ちそうな階段を上る。そして
「初めまして、チャレンジャーさん。アタシは四天王のシキミです。リーグに挑戦しに来るトレーナーとポケモンの心の触れ合いを書くのが好きで、四天王をしています」
四天王、シキミがいた。
「……はは。こんな形で会ってなければ、最高の思い出になったでしょうね、シキミさん」
イリスは力なく笑う。嬉しいようだが、実際の所は複雑な気分、といった感じだ。
「えーっと、あなたのお名前は?」
「僕はイリス、あなたの大ファンです。もっとも、今はそんなことを気にしている状況じゃないんですがね」
イリスはあくまで、冷静に話を進める。
「『その少年は暗き稲妻のような声を響かせ、ただ1つの正義に向かい、己以外の全てを拒む』」
「?」
「今のはアタシが書いた小説の一部なんです。まあ、先ほど挑戦しに来た少年の事を書いたんですけどね」
その少年とはNの事だろう。それを理解したイリスは、頭か心か、何かのスイッチがONになる。
「……シキミさん、早くバトルを始めましょう」
イリスは静かに、それでいて激しく心を振るわせ、ボールを手に取る。
「今から僕が、その少年よりも凄い物語を紡ぎますから!」
ううむ……どうにも今回は上手く書けないですね……。まあ、愚痴ってもしょうがないので、次回予告を。次回はお察しの通り、イリスVSシキミです、お楽しみに。