二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 133章 イリスVSシキミ ( No.293 )
- 日時: 2011/07/13 20:47
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「お願いします、デスカーン!」
「出て来い、チラチーノ!」
四天王戦第一戦、イリス対、シキミ。
シキミはイリスも使う棺桶のような姿のゴーストポケモン、デスカーン。イリスは白い体毛を持つノーマルタイプのチラチーノだ。
「相手はゴーストタイプだから、ハイパーボイスと気合玉は使えないな……まあでも、向こうもゴースト技が使えないから、一概に不利とは言えないか」
イリスはブツブツと呟き終えると、チラチーノに指示を出す。
「チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノは高圧電流をその身に纏い、デスカーンに向けて放つ。デスカーンはその電流を避ける事が出来ず、直撃を喰らう。しかしそこは流石防御型と言うべきか、あまり効いていないように見える。
「シキミさんのポケモンはたぶん全部♀だよな……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を鋼のように硬くし、デスカーンに特攻する。デスカーンの特性はミイラ、ミイラは触れた相手ポケモンの特性をミイラに変えてしまう特性なので、無闇に直接攻撃仕掛けられない。だがチラチーノの特性はメロメロボディ。この特性は異性にしか通用せず、シキミのポケモンは恐らく全て♀。なので特にデメリットなく直接攻撃が出来る。
「デスカーン、避けてください!」
意外にもデスカーンはチラチーノのアイアンテールを避けた。アイアンテールはもともとそんなに命中率は高くないので、デスカーンも避ける事が出来た。
「デスカーン、パワーシェア!」
そしてデスカーンは光を纏う。チラチーノも光に包まれ、数珠のように光がデスカーンとチラチーノを繋いでいる。
「な、なんだ……?」
イリスが困惑している中、光は収まる。
「なんだかよく分かんないけど、とにかく攻めるのみだ。チラチーノ、10万ボルト!」
チラチーノは高圧電流をデスカーンに発射する。デスカーンはその電流を避けれず、まともに喰らう。しかし
「え……全然効いてない……?」
デスカーンはピンピンしていた。確かに大ダメージを与えられるわけではないが、それでも最初の時よりも遥かに威力が落ちていた。
「パワーシェアは、お互いのポケモンの攻撃、特攻を足して半分ずつ分け合う技です。アタシのデスカーンの攻撃、特攻はほぼ最低値。あなたのチラチーノも飛びぬけて攻撃力が高いわけではないでしょうが、それでもアタシのデスカーンよりは高いはずです。それならパワーシェアを使えば攻撃力は一気に減衰します」
つまり、チラチーノとデスカーンはパワーシェアをして、それぞれ攻撃力が増減したわけだ。チラチーノは減少、デスカーンは増加という風に。
「くっ……だが、それならボールに戻せば済む話。チラチーノ、戻——」
「デスカーン、黒い眼差し!」
イリスがボールを出し、チラチーノを戻そうとした時、デスカーンは黒く邪悪な眼差しでチラチーノを見つめる。
「!? ボールに戻らない……!」
「黒い眼差しは相手を交代出来なくさせる技です。では次行きますよ。デスカーン、呪い!」
今度は突如出現した釘がデスカーンの体に突き刺さる。そしてそのすぐ後、チラチーノの体にも同じように釘が突き刺さり、両方の釘は消えた。
「今度は何だ……!?」
イリスは立て続けに不測の事態が起こり、軽くパニックに陥っている。
「呪いは名の通り相手を呪う技です。呪われた相手はボールに戻さない限り、体力が削られ続けます。まあ、『人を呪わば穴二つ』代償として自分の体力も半分削らなければなりませんけどね」
そう言うとシキミは左手に持つペン(左利きのようだ)で、右手に持つルーズリーフに何かを書く。たぶん自分の書く小説にでも使うのだろう。
「随分と余裕ですね……チラチーノ、アイアンテール!」
チラチーノは尻尾を硬化させて跳び上がり、回転をかけながら尻尾をデスカーンに振り下ろす。
「デスカーン、サイコキネシスです!」
しかしそのアイアンテールは、デスカーンのサイコキネシスで中断させられる。
さらにデスカーンはそのまま念動力でチラチーノをさらに高いところまで移動させ、地面に叩きつける。
「なんて威力だ……」
叩きつけられたチラチーノはかなりのダメージを負っている。パワーシェアされているので、それはチラチーノの特攻がそれほどに高いという事なのだろう。
「! チラチーノ!」
さらにチラチーノは苦しそうに膝を着く。何かしらのダメージを受けているようだ。
「呪いか……!」
イリスは悔しそうに歯を食いしばる。この状況は、もう詰みかけている。完全にシキミのペースに持って行かれた。
「パワーシェアで攻撃力を奪い、黒い眼差しで退路を断ち、呪いで体力を削り、サイコキネシスで攻撃を止める。これこそがアタシ、四天王シキミのバトルスタイルです!」
「これが、四天王の実力……」
まだバトルは始まったばかりだが、イリスの幸先は悪い。しかし
「いくら相手が強くても、僕は負けるわけにはいかない。僕は必ず勝って、Nと戦わなきゃいけないんだ。だから、絶対に勝つ。たとえ勝つ見込みがなくても、勝利できる可能性がマイナスであろうと、僕は勝つ!」
イリスは絶望の中でも、希望を捨ててはいなかった。
イリスVSシキミ、初戦の初っ端からイリスが大ピンチです。そして僕も大ピンチです。あとがきで書くことがありません。まあ、そんな事はしょっちゅうですけどね。とかなんとかやっている間に、それなりに埋まったので、分かりきっている次回予告を。次回はイリスVSシキミ、パート2です。お楽しみに。