二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 136章 フライングゴーレム ( No.296 )
日時: 2011/07/14 14:27
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「それじゃあ次はこのポケモンです、ゴルーグ!」
シキミの繰り出したポケモンは、ゴーレムポケモンのゴルーグ。巨大な体格に太い腕と、ロボットのようなポケモンだ。さらに胸には亀裂のようなものがあり、それを止め具で止めているように見える。
「随分と厳ついのが出て来たな……こいつも耐久型か? ……まあいいや。デンチュラ、エレキボール!」
デンチュラは電撃を凝縮した球を発射する。球はゴルーグに直撃したが、全然効いていない。
「ゴルーグは地面タイプも持っています。なので電気技は通用しません。ゴルーグ、気合パンチ!」
ゴルーグは手に気合を溜める動作をし、その巨体からは想像もつかないスピードでデンチュラに直進する。
というか、音速で飛行している。
「デンチュラ!」
気がつけばデンチュラは大きく吹き飛ばされ、戦闘不能になっていた。
「ゴルーグの特性は鉄の拳。拳を使う技なら、技の威力が上昇します」
それもあるだろうが、それでも明らかにゴルーグの攻撃力は高い。攻撃力というより、破壊力と言った方が良いくらいだ。
「くっ、戻れデンチュラ」
イリスはデンチュラをボールに戻す。
「攻撃が高いなら、こいつだな。出て来い、ズルズキン!」
イリスが繰り出すのはズルズキン。赤いトサカが特徴の悪・格闘タイプのポケモンだ。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、物凄い勢いでゴルーグに突っ込む。
「ゴルーグ、シャドーパンチ!」
ゴルーグは突撃してくるズルズキンに対し、拳に影を纏わせ、それをロケットパンチのように撃ち出す。
「ズルズキン、シャドーパンチごと吹き飛ばせ!」
ズルズキンは襲い掛かる影の拳を猛烈な頭突きで消し飛ばし、ゴルーグに破壊力抜群の頭突きを喰らわせる。
「やりますね……ゴルーグ、気合パンチ!」
ゴルーグは拳に気合を込め、それをズルズキンに振り下ろす。
「かわして噛み砕く!」
ズルズキンはその拳を体を捻ってかわし、ゴルーグの岩石のような足にかぶりつく。
「攻撃も高ければ、防御も高いか……ズルズキン、炎のパンチ!」
ズルズキンはゴルーグの体をヨよじ登り、顔面に炎の拳を叩き込む。
「ゴルーグ、空を飛ぶ!」
ゴルーグは接近して攻撃を繰り出すズルズキンを体に乗せたまま、浮かび上がる。
「え……えぇ!?」
どう考えても土人形みたいなゴルーグが飛べるとは思わないが、ゴルーグは飛んでいる。そして上昇している。しかも結構速い。
「ズルズキン、落ちるなよ!この高さから落ちたら、下手すれば重傷だぞ!」
ズルズキンは言われるまでもないという風にゴルーグにしがみつく。
「残念ながら、ズルズキンには落ちてもらいます。ゴルーグ、地震!」
ゴルーグはかなりの高さまで上昇した後、その場で停止。そして落下する。ゴルーグは見た目の巨体に比例し、体重も重い。それが高所から落下すれば、その運動エネルギーは計り知れない物となる。ともかく、ゴルーグは落下した。
ドゴォン!
爆音を響かせ、塔を破壊するんじゃないかと思うような勢いで、ゴルーグは落下した。ゴルーグ自体はなんともないようだが、ゴルーグに乗っていたズルズキンは落下の衝撃で吹っ飛ばされる。
「ズルズキン、大丈夫か」
ズルズキンはすぐさま起き上がり、体勢を立て直す。見るとゴルーグとの距離がかなり遠くなっている。
「ズルズキン、諸刃の頭突き!」
ズルズキンは頭を突き出し、猛烈な勢いで突進する。
「ゴルーグ、空を飛ぶ!」
対するゴルーグは突っ込んで来るズルズキンを飛び上がって回避し、また落下する。
「ズルズキン!」
巨体に潰されるように攻撃を受けたズルズキンは、かなりのダメージを受けている。それもそうだ、ゴルーグの桁外れの攻撃力にズルズキンの弱点を突く空を飛ぶ。この2つの要素が合わさった攻撃を喰らって、今だ戦闘不能にならない事が奇跡みたいなものだ。
「ズルズキン、もう一度諸刃の頭突き!」
ズルズキンはまた諸刃の頭突きを繰り出し、ゴルーグに向かって猛進する。
「地震です!」
今度はゴルーグは空を飛ぶではなく、地面を大きく揺らし、その衝撃でズルズキンの動きを止めた。
「シャドーパンチ!」
そしてゴルーグは影の拳をロケットパンチのように撃ち出す。
「ズルズキン、避けろ!」
ズルズキンはその影の拳を横に跳んでかわそうとするが、拳はズルズキンを追尾して襲ってきた。
「シャドーパンチは必中技。消さない限り一生追ってきますよ」
シキミの言う通り、ズルズキンはシャドーパンチを避けきれずに喰らってしまう。
しかも効果いまひとつにも関わらず、かなりのダメージを受けている。ゴルーグの攻撃力が表れているのだろう。
「攻撃が高くて、防御も高くて、おまけに速い。これは厄介なポケモンだな……!」
イリスはこの時チェレンとのバトルを思い出していた。チェレンのジャローダも走攻守の3拍子が揃っていて、かなり苦戦した。
「策はあるにはあるけど、正直上手くいきそうにないしな……」
イリスは考え込む。考え込むが、特に良い案は思いつかない。
「やっぱりここは出たとこ勝負。突っ込んで近づいて、ゴーレム魔人をフルボッコにしてやるか!ズルズキン、諸刃の頭突き!」
イリスは策もなしにがむしゃらに攻撃させるが、その眼はどこか勝利を確信しているようだった。



イリスVSシキミ、パート4です。たぶん僕の予想ではパート6までいくと思います。ところでゴルーグって空を飛ぶが使えるんですね。僕も最近知ったのですが、ダイケンキが直立して2足歩行する事の次くらいにびっくりです。では次回はイリスVSシキミパート5、お楽しみに。