二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 139章 チェレンVSレンブ ( No.299 )
- 日時: 2011/07/17 12:28
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
イリスがまだシキミと戦っていない頃、チェレンは4つある塔のうちの南東の塔に向かっていた。
「何だ、ここは……?」
塔の内部に入ると、そこは事務的で機械的な所だった。まず色彩が灰色で、入口以外の壁には金網が張り付けてあり、目の前には螺旋状のレールとリフトがある。
「乗れって事か」
チェレンはそう呟くとリフトに乗る。リフトは螺旋状のレールをガタガタと音をたてて上っていく。
上り終えると、そこは四角形のリングのような場所だった。チェレンがリフトから降りると、パッとライトがついた。そこには、1人の男が立っている。
「よくぞ来たな、挑戦者よ。わたしの名前はレンブ。見ての通り、四天王だ」
レンブと名乗った男は特徴的な眉をしており、金髪に色黒。道着に黒帯と、格闘家のような出で立ちをしている。
「……僕はチェレンといいます」
チェレンも礼儀として名乗るが、レンブはそれを無視するように言葉を続ける。
「わたしは格闘の道を極めるべく、師匠アデクの下、修行を続けている。そしてお前も我が師が認めたトレーナーの1人。その強さ、どれ程のものか見せてもらう」
言う事は聞かないが、やることはやるようだ。チェレンはとりあえず、モンスターボールを取り出す。
「この格闘使いレンブ。砕くは弱き己。貫くは強気信念。そして望むは圧倒的勝利!ではたくましき挑戦者よ、いざ参る!」
「行くのだ、コジョンド!」
レンブが最初に繰り出したポケモンは、武術ポケモンのコジョンド。しなやかな動きと高い攻撃力を持つポケモンだ。
「出て来い、ケンホロウ!」
対するチェレンの繰り出すポケモンは、プライドポケモンのケンホロウ。格闘タイプには有利な飛行タイプのポケモンだ。
「ケンホロウ、電光石火だ!」
ケンホロウは目にも止まらぬスピードでコジョンドに突っ込み、先制攻撃する。
「やるではないか。ならばコジョンド、ドレインパンチ!」
コジョンドはケンホロウに向かって跳躍し、光る拳を振り抜く。
「ケンホロウ、フェザーダンス!」
ケンホロウはその攻撃を避けようとせず、無数の羽をコジョンドに当てるだけで、光る拳を喰らい吹き飛ばされる。
「体勢を立て直せ!エアカッター!」
ケンホロウは宙返りをして崩れた体勢を立て直し。無数の風の刃を放つ。
「避けよ、コジョンド!」
コジョンドは襲い来る無数の刃を、体を捻って全てかわす。驚くべき柔軟性だ。
「ケンホロウ、電光石火!」
ケンホロウは高速でコジョンドに突っ込み、その体を当てて攻撃する。
「コジョンド、跳び蹴り!」
コジョンドはそのままコジョンドから距離を取ろうとするケンホロウの後を追うように跳び蹴りを放つ。
「くっ、ケンホロウ、エアカッター!」
ケンホロウは跳び蹴りで吹っ飛ばされたが、すぐに体勢を立て直して風の刃を放つ。
「コジョンド、アクロバット!」
コジョンドは襲い掛かる全ての刃を避けつつもケンホロウに接近し、背後を取って拳の一撃を見舞う。
「威力が高い……!フェザーダンスで攻撃力を下げてなきゃ、とっくにやられてるな」
ケンホロウはコジョンドの攻撃をある程度流しており、フェザーダンスも含めて威力を軽減している。しかしそれでもコジョンドの攻撃力は相当高く、あと一撃でも喰らえば戦闘不能だろう。
「ここは慎重に行くか。ケンホロウ、エアカッター!」
ケンホロウは三度風の刃を放つ。しかし今回のはその数が増量されている。
「アクロバット!」
コジョンドは先ほどと同じように刃をかわし、ケンホロウの背後を取って拳の一撃を放つ。
「避けろケンホロウ!」
ケンホロウはその攻撃を宙返りするようにかわし、逆にコジョンドの背後を取る。
「エアカッター!」
そしてケンホロウは至近距離からコジョンドを無数の刃で切り刻む。
「コジョンド!」
コジョンドは切り刻まれた後に落下して、硬い床に叩きつけられる。
「……たぶんまだやられてないな。ケンホロウ、念には念だ。電光石火!」
ケンホロウは真下に落ちたコジョンドに向かって、高速で降下する。この一撃が当たれば、コジョンドは戦闘不能になるだろう。しかし
「コジョンド、目覚めるパワー!」
コジョンドは黄色い球体をいくつも作り出し、それを突っ込んで来るケンホロウに発射する。
「ケンホロウ!」
ケンホロウはその球体に当たり、痺れたように落下する。
「我がコジョンドの目覚めるパワーのタイプは電気。飛行タイプのケンホロウには、さぞ辛い事だろう」
レンブがそう言う傍ら、チェレンは目を回して戦闘不能になっているケンホロウをボールに戻し、次のボールを手に取る。
「なら次はこのポケモンです。出て来い、オーベム!」
チェレンの2番手は、ブレインポケモン、オーベム。エスパータイプだ。
「オーベム、目覚めるパワー!」
オーベムは指先から黒い球体をいくつも発射する。
「コジョンド、かわすのだ!」
コジョンドはその球体を体を捻って全てかわす。
「10万ボルト!」
オーベムはさらに広範囲に高圧電流を放射する。これはもう10万ボルトというより、放電に近い。
「くっ、目覚めるパワー!」
コジョンドは流石に避けれないと悟り、相殺できる見込みがある電気タイプの目覚めるパワーを放つ。しかし特攻の高いオーベムの10万ボルトを、コジョンドの目覚めるパワーで相殺できるはずもなく、コジョンドは高圧電流を喰らって沈む。
「成程、流石だな。師匠が認めるだけの事はある」
レンブは独りそう呟き、コジョンドをボールに戻す。
「だがバトルはこれからだ、少年。互いの気力、精根、ポケモンが尽きるまで、バトルは終わらない」
そしてレンブは、次なるポケモンを繰り出す。
今回はチェレンVSレンブです。よくよく考えてみると、チェレンのみをクローズアップするのって、今回が初めてですね。イリスの回は6話分ほど使いましたが、チェレンのはもうちょっと短く出来たらいいなーと思っております。では、次回のチェレンVSレンブ、パート2もお楽しみに。