二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 140章 柔と剛 ( No.300 )
- 日時: 2011/07/17 21:26
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「行け、ダゲキ!」
レンブの2番手は空手ポケモンのダゲキ。空手着を着た人間の男性のような姿をしており、体色は青で細めの体型のポケモンだ。
「ダゲキ、ビルドアップ」
ダゲキはすぐには攻めず、筋肉を増強して攻撃と防御を高める。
「オーベム、速攻で決めるぞ。サイケ光線!」
オーベムは指先から光線状の念波を発射する。
「避けよダゲキ」
ダゲキはその光線を、体を横にずらして回避。そしてオーベムに向かって向かって走り出す。
「毒突きだ!」
そしてその勢いのまま、毒を帯びた貫手をオーベムに喰らわせる。
「ぐぅ。オーベム、10万ボルト!」
オーベムは毒突きを食らって後ずさった(?)が、すぐに高圧電流を放って反撃する。
「かわすのだ」
ダゲキはまたも体をずらすようにして電撃をかわし、オーベムに接近する。
「二度蹴り!」
そしてダゲキはオーベムの顔面に正面蹴りを炸裂させる。さらにその足をすぐに地面につけ、その足を軸にして今度は側頭部に回し蹴りを放つ。
「オーベム、ダゲキから離れるんだ!」
ダゲキは今、自分の戦いやすい距離で戦っている。そしてその距離はオーベムにとっては戦い難い距離だ。なのでオーベムはダゲキから距離を取る。
「逃がすなダゲキ!」
しかしダゲキはしつこくオーベムに近づき、逃がそうとはしない。
「なら、目覚めるパワー!」
オーベムは近づいて来るダゲキに、黒い小球をいくつも発射する。ダゲキはそのたまを1つ残らず叩き落したが、オーベムはそのうちにダゲキから出来るだけ距離を取る。
「この距離なら……オーベム、サイケ光線!」
オーベムは離れたダゲキに念波の光線を発射する。
「ダゲキ、跳んでかわすのだ」
ダゲキはその光線を、跳躍することで回避。そしてオーベムの上を取る。
「毒突きだ!」
そして毒を帯びた貫手を突き出し、落下する。オーベムはその一撃を避ける事ができず、直撃してしまう。
「二度蹴りだ!」
ダゲキの猛攻は続き、毒突きで体勢を崩したオーベムに、二発の蹴りを放つ。
「オーベム、サイケ光線!」
しかしオーベムはその崩れた体勢のまま、念波の光線を発射する。その光線はダゲキの足が届くより早くダゲキに当たり、ダゲキを吹き飛ばす。
「ダゲキ!」
ダゲキは特防の低いポケモン。そしてオーベムは特攻の高いポケモン。なのでダゲキがこの一撃に耐えられるはずもなく、戦闘不能となる。はずだった
「倒れて……ない……!?」
しかしダゲキは今だ立っている。まだ戦闘不能にはなっていない。
「わたしのダゲキの特性は頑丈。どんな攻撃を受けようとも、一撃では倒せない。行くぞダゲキ、インファイト!」
そしてダゲキはオーベムに急接近し、怒涛の連続攻撃を繰り出す。
正拳突き、回し蹴り、貫手、膝蹴り、手刀、肘鉄、掌底、正面蹴り、正面突きと、様々な空手技を浴びせ、最後にとどめの一撃を放とうとする、その時
「オーベム、思念の頭突き!」
オーベムはダゲキが最後の一撃を放つための溜めをしている瞬間を見計らい、思念のこもった頭突きをダゲキの顔面に叩き込む。
「な……ダゲキ!」
ダゲキはその一撃を受け、目を回している。サイケ光線のダメージもあり、戦闘不能になったのだ。
「頭突きも一応、空手技ですよね?」
チェレンはニヤリと笑いながら、そう言った。
「……フッ。なかなか面白い少年だ。それでこそ心躍る」
レンブはポケモンがやられたというのに、どこか楽しげな表情をしていた。
「では行くぞ、わたしの次なるポケモン。ナゲキ!」
レンブの3番手は、柔道ポケモンのナゲキ。柔道着を着た人間の男性のような姿をしており、体色は赤でやや太めの体型。そしてどことなくダゲキと似ている。
「相手は格闘タイプ。このまま行くぞ、オーベム。思念の頭突き!」
オーベムは頭に思念を集め、ナゲキに向かって突っ込む。
「避けよ、ナゲキ」
ナゲキはその頭突きを体を回転させるようにしてかわす。攻撃こそ避けられたものの、このナゲキはダゲキほど——というか、素早さ自体かなり低いようだ。
「もう一度思念の頭突きだ!」
オーベムは折り返し、また思念の頭突きを放つ。ナゲキは今振り返ったところらしく、この攻撃を避ける事は出来ない。しかし
「ナゲキ、巴投!」
ナゲキは突っ込んで来るオーベムを前に崩し、真後ろに身を捨てつつ右足の裏をオーベムの胴体に当て、押し上げるように頭越しに投げた。
「な……オーベム!?」
驚くべきはそこだけではなかった。オーベムは勢いよく投げ飛ばされ、チェレンの腰に付いているボールに戻ってしまったのだ。
「レパルダス……!」
そしてそのオーベムとと入れ替わりに出て来たのが、冷酷ポケモンのレパルダス。
「巴投は相手を強制的に入れ替えさせる技。柔よく剛を制すのが柔道の理念だ。相手の力を利用し、相手を倒す。力ある者だけが勝てる世の中ではない」
レンブは腕を組み、高圧的に言う。レパルダスは悪タイプで、格闘タイプのナゲキとは相性が悪い。しかし
「……柔道っていうのは、言い方を悪くすれば他力本願ってことですよね?」
「うむ? まあ、そういう事になるか——」
レンブが最後まで言葉を言う前に、レパルダスの手は光り、そこから光線状の念波が発射される。その光線はまっすぐナゲキに向かい、直撃する。
「ナゲキ!」
ナゲキは吹っ飛びこそしなかったが、大きなダメージを受けたようだ。
「他力本願なら、僕だって負けないですよ!」
そしてチェレンは、格好悪い台詞を、格好良く豪語する。
今回はチェレンVSレンブ、パート2です。ダゲキとナゲキが大活躍です。まあ、ダゲキは結構やられるの早いですけどね。では次回のチェレンVSレンブ、パート3もお楽しみに。