二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 141章 他力本願 ( No.301 )
- 日時: 2011/07/17 15:00
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「レパルダス、猫の手!」
チェレンがそう指示すると、レパルダスの手が光り、そこからいくつもの風の刃が放たれる。
「ぬぅ、ナゲキ……!」
ナゲキは両腕を交差させ、その刃を耐える。
「辻斬りだ!」
レパルダスは風の刃が止まると、俊敏な動きでナゲキに接近し、通り間際にナゲキを切り裂く。
「ナゲキ、ストーンエッジだ!」
ナゲキやられてばっかりではいないのか、尖った岩を無数に出現させ、それらをレパルダスに向けて発射する。
「シャドーボール!」
レパルダスはその無数の岩を、影で作った球で全て弾く。ちなみにこれはイリスが使っていた戦法で、チェレンはそれを引用したのだ。
弾かれた岩と影の球は全てナゲキに向かっていき、ナゲキはそれらの攻撃を全て受ける。
「随分と堅いな……」
チェレンは呟く。ナゲキは最初の猫の手によるサイケ光線、同じく猫の手によるエアカッター、辻斬りにシャドーボール。さらには弾かれたストーンエッジも喰らっているが、全く倒れる気配がない。
「レパルダス、猫の手だ!」
レパルダスはまたも手を光らせる。そしてナゲキに向かって走り出し、鋭い爪でその体を切り裂く。
「燕返しか……!」
燕返しは飛行タイプ技なので、格闘タイプのナゲキには効果抜群。しかし、ナゲキはまだ倒れない。
「シャドーボールだ!」
レパルダスはさらにシャドーボールで畳み掛ける。
「巴投」
ここでナゲキは攻撃技を使う。と言っても、攻撃目的ではない。ナゲキは最初にオーベムを投げ飛ばした要領でシャドーボールを受け流した。
流石のチェレンもその光景には絶句する。
「ナゲキ、地震だ!」
ナゲキはさっきの攻撃技で調子付いたのか、地面を大きく揺り動かし、衝撃波を放つ。
「跳んで避けろ!」
レパルダスはその攻撃を跳躍してかわす。さらにそのままの勢いでナゲキに向かう。
「切り裂く攻撃!」
そしてレパルダスは鋭い爪でナゲキを切り裂く。
「ナゲキ、山嵐だ!」
だがナゲキはそれでも倒れず、いかにも強烈そうな一撃をレパルダスに叩き込もうとするが、バックステップで避けられてしまう。
「離れて攻めても、近づいて攻めても、全然倒れないな……」
チェレンはナゲキのあまりのタフさに嫌気が差してくる。気力も体力もやる気も削がれていく。
「燃える闘志が尽きた時、それは戦う者の敗北を意味するぞ」
そんなチェレンの心情を悟ったのか、レンブはチェレンに『戦え』と言わんばかりの気迫を放ちながらそう言う。
「くっ、やりますよ。僕だって、そうやすやすと勝負を投げ出したりしません。レパルダス、辻斬りだ!」
レパルダスは再度ナゲキに向かって走り出し、ナゲキの隙を突く爪の一撃を放つ。
「ナゲキ、山嵐だ!」
ナゲキも再度山嵐を放つが、バク転で回避される。
「地震だ!」
さらにナゲキは地震を発生させるが、これもジャンプで避けられる。
「ストーンエッジ!」
次に鋭く尖った岩を無数に発射するが、これもまた全て切り落とされる。
「レパルダス、猫の手!」
反撃に出たレパルダスは手を光らせ、そこから木の葉の渦を発生させる。そしてそれをナゲキに向けて放つ。ナゲキはその木の葉の渦に飲み込まれ、ダメージを受けるも、やはり倒れない。
「でも、そろそろ倒れるはずだ。レパルダス、切り裂くだ!」
レパルダスは鋭い爪を構え、ナゲキに向かって走り出す。
「ナゲキ、地震だ!」
ナゲキは突っ込んで来るレパルダスに対し、地面を揺さぶる衝撃波を放つ。しかしその衝撃波はレパルダスがジャンプする事でかわされる。
「行け、レパルダス!」
そしてレパルダスは空中から鋭い爪でナゲキを切り裂く。この攻撃は急所に当たったらしく、ナゲキは大ダメージを受けた。しかし
「ナゲキ、レパルダスを捕らえよ!」
ナゲキは接近して来たレパルダスを押さえ込む。レパルダスはジタバタと手足をバタつかせて脱出を試みるが、ガッチリと固定されており、抜け出せない。
「柔道ポケモンのナゲキに一度でも押さえ込まれれば、もう抜け出す事は叶わない。ナゲキ、山嵐だ」
ナゲキはレパルダスが抜け出せない程度に拘束を解除し、腕を大きく振りかぶる。
「まずい……!」
チェレンは焦る。この一撃を喰らえば、まず間違いなくレパルダスは戦闘不能になるだろう。
「こうなった一か八か……レパルダス、猫の手だ!」
レパルダスはナゲキの強烈な一撃が当たる直前に手を光らせる。そしてその手は膨大なエネルギーを纏い、ナゲキの腹部を思い切り殴打する。
ナゲキの一撃とレパルダスの一撃が互いに決まり、それぞれどちらのポケモンも戦闘不能となった。
「今のは……ギガインパクトか」
レンブは驚いたように言いながら、ナゲキをボールに戻す。そしてチェレンも、レパルダスをボールに戻す。
「ケンホロウの技です。あの局面で逆転できる技があるならば、それくらいでしょうね」
チェレンは苦笑しながら言う。これでチェレンのポケモンは残り2体。対するレンブのポケモンは1体だ。
「ここまでわたしを追い詰めるとは、正直驚いている。だがわたしはまだ諦めない。ラスト一匹になっても全力を出し切るのが、わたしの主義だ!」
そう言ってレンブは最後のポケモンが入ったボールを投げる。
「わたしの最後のポケモンはローブシン、格闘タイプの中で最高の攻撃力を誇るポケモンだ」
レンブは静かに、しかし威圧的に、言葉を発する。
チェレンVSレンブは、次くらいで決着になると思われます。結構短いですね。まさかのパート4で終了ですよ。まあそれは置いといて、ローブシンって格闘タイプの中では攻撃力最高だったんですね。僕はまったくもって存じていませんでして、つい最近知りました。では次回のチェレンVSレンブ、パート4もお楽しみに。