二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 148章 ミキVSカトレア ( No.311 )
日時: 2011/07/20 11:38
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

幼馴染3人組がまだ四天王と戦っていない頃、ミキは北東の塔に向かっていた。
「…………」
その内部は神秘的で、宇宙空間のようにどこまでも広がる漆黒の壁に、それと対をなす白い床。そして頭上にはどう浮かんでいるのか、今まさに立っている床と同じ物がある。
「どうやって行けばいいんだろう……」
ちなみに、階段の類はない。飛行タイプのポケモンでも使わなければ進めそうにないが、それは手の内を明かしているようなものである。
「って、うわ……」
そう思っている矢先、ミキの体が浮かび上がった。そして広がる漆黒の中に微かに見える光の帯に沿って、螺旋しながら上昇していく。
「誰もいない……?」
またもミキは困惑する。恐らくバトルフィールドと思しき場所には、カーテンが引いてあるだけで誰もいなかった。
とまたそう思っている矢先、カーテンが独りでに開く。
「どなた……? アタクシの眠りを妨げる野暮なトレーナーは……?」
そして中から出て来たのは、白を基調とした寝巻きのような服装の金髪の少女だった。歳はイリスよりもやや年上というところだろうか。
「ふうん……あなたね……」
その少女は脱力的だが、どこか気品を感じさせ、まるでお嬢様かお姫様といった風である。
「強さと優しさを併せ持ち、なんだか手強そう……」
「どうも、ありがとうございます……」
ミキはその掴み所のない雰囲気に圧倒されていたが、なんとか声を出す。
「ええと、私はミキです。あなたは……」
「アタクシはカトレア……四天王よ……」
少女、カトレアはようやく名乗る。そしてモンスターボールを1つ、手に取る。
「あなたとは、楽しい勝負が出来そうね……。だけど、欠伸がでちゃうような退屈な勝負だけは、勘弁ね……」
カトレアは、モンスターボールを投げる。



「行きなさい、シンボラー」
カトレアの先発は、鳥モドキポケモンのシンボラー。分類通りシルエットこそ鳥のようだが、2つ目のある球体の体。頭部に付いている1つ目のIの字型の突起。分かれている羽と、その奇妙な姿は古代の象形文字を彷彿とさせる。
「シンボラーはエスパー・飛行タイプのポケモン。だったら……出て来て、バルジーナ!」
ミキが繰り出したポケモンは、ハゲワシのような姿をしたポケモン、バルジーナだ。
「バルジーナ、悪の波動!」
バルジーナは悪タイプを持つので、エスパー技が効かない。ミキがこのポケモンをチョイスしたのはそこにある。
「避けなさい、シンボラー」
シンボラーはトリッキーな動きで黒い波動をかわす。ちなみにカトレアは、バトルが始まると脱力的なオーラがなくなった。スイッチが切り替わったのだろうか。
「鋼の翼!」
バルジーナは翼を鋼のように硬化させ、シンボラーに襲い掛かる。
「シンボラー、リフレクター」
だがしかし、バルジーナの攻撃はシンボラーが発生させた透明な壁によって防御される。
「冷凍ビーム」
そしてシンボラーは頭の突起に付いている目玉から氷雪の光線を発射する。
「バルジーナ!」
冷凍ビームは飛行タイプのバルジーナに効果抜群の氷タイプの技。なのでバルジーナは大ダメージを受けた。
「原始の力」
さらにシンボラーは古代の力を含んだ岩を出現させ、バルジーナに叩きつける。これもバルジーナに効果抜群の岩タイプ技だ。
「あなたはエスパータイプに有利な悪タイプを選んだつもりらしいけど、生憎このシンボラーが覚えているエスパータイプの技はリフレクターのみ。だから悪タイプであろうとなかろうと、関係ないわ」
「…………」
まるでミキの繰り出すポケモンを知っていたかのようなポケモンのチョイスであった。しかしそんな事を考えても詮無き事なので、ミキはバトルに集中する。
「バルジーナ、悪の波動!」
バルジーナは翼を振るい、漆黒の波動を撃ち出す。
「かわして冷凍ビーム」
シンボラーは宙返りをするように悪の波動をかわすと、すかさず凍てつく光線を発射する。
「鋼の翼で防御!」
バルジーナはその光線に対し、翼を鋼鉄のように硬くし、それを盾のようにして防御する。
「そのまま突っ込んで!」
そしてバルジーナは鋼の翼を発動したまま、シンボラーに突っ込む。どうやらそのまま攻撃するようだ。
「シンボラー、リフレクター」
シンボラーは視認し難い透明の壁を創り出し、鋼の翼によるダメージを半減させる。
「原始の力」
そしてシンボラーは古代の力を含んだ岩を出現させ、その岩でバルジーナを囲むように挟みつける。
「冷凍ビーム」
さらに動けないバルジーナに冷凍ビームを発射。バルジーナは効果抜群の攻撃を連続で喰らい、大ダメージを受ける。
「強い……!」
ミキは戦慄する。このシンボラーは回避と防御、そして攻撃を上手く使い分け、戦っている。
「バルジーナ、鋼の翼!」
原始の力による拘束が解かれたバルジーナは、再度翼を硬化させてシンボラーに突っ込む。
「リフレクター」
しかしシンボラーのリフレクターにより、ダメージは軽減されてしまう。
「オウム返し」
ここでシンボラーは冷凍ビームや原始の力でなく、オウム返しを使う。するとシンボラーの体が光り、翼は鋼のように硬化される。
「行きなさい、シンボラー」
そしてシンボラーはその鋼鉄のような硬度の翼をバルジーナに叩きつける。
「オウム返しは相手の技を使い攻撃する技。……それにしても、手応えのない勝負ね。欠伸が出ちゃいそう」
「くぅ……」
ミキはその言葉に対し、呻く事しか出来なかった。



今回は四天王戦最後、ミキVSカトレアです。ちなみに今までの四天王とのバトルの順番は、僕の初回プレイ時の順番です。あの時、最後にカトレアが出て来てびっくりしましたね、はい。では次回はミキVSカトレア、パート2です。今回のバトルはちょっと長くなるかもです。お楽しみに。